他に類を見ない奇抜なシリーズはどうして生まれたのか
超個性派BTO PCメーカー、サイコムの現場スタッフに聞いてわかった“Craftsmanship”の根源
2022年07月26日 10時00分更新
自作erがあこがれる広い検証用スペース
倉庫には手作りの製品撮影スタジオもある
現在は工場機能だけになった旧社屋とこの新社屋で、最も変化した点は検証用スペースだ。ひとくちに「検証」と言っても、単純にPCの動作を確認するだけではない。例えば、新しいPCパーツを採用する場合、安定して動かすための条件の絞り込みなども含まれる。その結果、企画のコンセプトに合わない数値が観測できたら、条件を変えたり、再度同ジャンルの違う製品で再検証。といった、吟味を行っている。
また、新モデルを開発する時も検証は欠かせない。単純な動作確認はもちろんのこと、ファンの位置をどこにすると効果的か、CPU温度は何度まで上昇するかなど、細かな部分まで詰める必要があるからだ。単純にスペックを決め、PCパーツを選定すればおしまいではなく、実際に効率的に動作しているのかどうかまでチェックしている。
以前は机1つぶんしかスペースがなく、この検証作業がかなり困難だったそうだ。サイコムはサイズが大きくなりがちなハイエンドなタワーPCも扱っているので、その苦労たるや想像に難くない。しかし、この新社屋では8畳くらいの部屋がまるまる検証スペースとして確保されている。
なお、この新社屋には倉庫もあるのだが、主に法人案件で複数台の同じ仕様のPCを組み立てる時に使ってるそうだ。
倉庫の奥にはもう1つ部屋がある。そこはWebサイトなどに掲載する製品写真の撮影スタジオとして使われていた。と言っても、本格的に作ったものではなく、デザイナーにお任せで自由に使っていいスペースとして確保した場所とのこと。のぞいてみると、三脚やライトのほか、PCを様々な角度から撮影するための回転台(自作)があった。