キヤノンMJ/サイバーセキュリティ情報局

子供たちが安全にInstagramを利用できるようにするには保護者はどうすればよいのだろうか?

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

本記事はキヤノンマーケティングジャパンが提供する「サイバーセキュリティ情報局」に掲載された「10代の子を持つ保護者のためのInstagram安全ガイド」を再編集したものです。

 この記事は、ESET社が運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。

 最近、10代の多くがTikTokに代表されるSNSに目移りしているが、若いユーザーの間ではInstagramの人気が続いている。Instagramの全ユーザーのうち、13~17歳の子供は8%を占めており、全年代では月間14億人のアクティブユーザーを抱えている。

 しかし同時にInstagramは、子供たちをSNSで起こりがちなさまざまな脅威にさらしている。ネットいじめオンラインプレデター(ネット上の犯罪者)、詐欺、不適切なコンテンツ閲覧などのリスクだ。本記事では、Instagramに備えられた機能を活用することで、子供のプライバシーを保護し、安全に利用させる方法について解説する。

アカウントプライバシーと閲覧範囲の設定

 はじめに着手すべきことは、アカウントのプライバシー設定だ。Instagramは2つの選択肢を用意しており、アカウントを公開するか非公開にとどめておくかを選べる。若いユーザーやその保護者を対象にした対策の一環で、Instagramはデフォルトで16歳未満のユーザーは非公開となるよう設定している。ユーザーは後で公開アカウントに変更することもできる。アカウント所有者が、フォロー相手を承認できるようになるため、アカウントは非公開にしておくのが望ましい。

「3 things to discuss with your kids before they join social media子供がソーシャルメディアを始める前に議論しておくべき3つのこと(英語のみ)」

 未成年の子供が公開アカウントを使用する特別な理由がある場合、少なくとも、親しい友達に対してのみ投稿の閲覧を許可するよう教えるべきだ。プロフィールを公開することに伴うリスクについて、子供たちと話し合うのがよいだろう。フィードやストーリーの内容が不特定多数に見られる状況は避けたい。アカウントの複製などを行なう攻撃者に対し、より多くの情報を与えてしまうからだ。

 アカウントを公開している場合でも、いつでも非公開に変更可能だ。しかし、非公開に変更する時点で、すでにフォロワーになっている人に対しては、継続してコンテンツが閲覧できる点は留意しておきたい。

ダイレクトメッセージとコメント、タグ、メンション

 「DMに移行する」というフレーズを聞いたことがあるかもしれないが、これは、Instagramでダイレクトメッセージ(DM)を誰かに送信するという意味だ。DMはInstagram文化の一部となっている。子供たちは投稿に「いいね」やコメントを入れたり、ストーリーを視聴したりするだけでなく、DMでやり取りする場合も多い。とはいえ、子供へのDM送信に対して何らかの制限を設けておくのが望ましいだろう。

 こうした点を考慮し、Instagramは今回、フォローされていない成人ユーザーが18歳未満のユーザーにメッセージを送信することを規制した。また、若いユーザーを保護するために最近公開された機能として、すでにフォローしている成人と会話する子供に対して注意を促す機能もある。

「Instagramで注意するべき5つの詐欺」

 Instagramは2021年3月に次のような発表をしている。

「不審な行動をとっている成人ユーザーとDMでやり取りしている若いユーザーに対して通知が届きます。例えば、その成人ユーザーが18歳未満のユーザーに大量の友達リクエストやメッセージを送信している場合、その受信者にDM内で警告を表示して、会話を中止するか、ブロックするか、通報するか、該当ユーザーの行動を制限するといった選択ができるようにします。」

 コメント・タグ・メンションも、ほかのユーザーと交流できる手段だ。これらの機能を使っている未成年のユーザーを目にすることも多いだろう。一般的に、不適切な関係に発展しないよう、見知らぬユーザーが投稿で子供をタグ付けしたり、メンションしたりするのは防ぐべきだ。

 そこでInstagramは、次のようにも発表している。

「フォローしていない未成年ユーザーをタグ付け・メンションできる機能や、リールリミックスやガイドにコンテンツを追加できる機能などは、Instagram登録時にデフォルトでオフとします。」

非表示ワード

 SNS上の会話は、悪意のあるコメントや侮辱的なメッセージであふれてしまう恐れがある。感情的になるようなテーマで議論が白熱したときは、なおさらだ。コメント投稿者を煽る荒らし行為によって引き起こされるケースも多い。また、荒らし行為がネットいじめネットストーキングに発展する恐れもある。このような攻撃的な行為からユーザーを保護するよう、Instagramは便利な機能や設定を用意している。それは「Hidden Words(非表示ワード)」の項目から設定できる。

 子供たちや、そのフォロワーの目から攻撃的なコメントを隠したいときは、Instagramのコメントフィルタリング機能を有効化するとよい。特定の用語を含んだコメントが非表示になり、同様の機能がDMにも適用可能だ。さらに、個人的に攻撃的だと感じる言葉を、カスタム用語リストに追加することもできる。また、Instagramはネットいじめを抑制するための新たな機能をリリースしている。

おわりに

 子供たちはInstagram上で友達とつながり、同じような考えを持つ人と交流したり、最新のトレンドをキャッチしたりしている。また、日々起こることを発信したり、話題の商品を買ったりするなどしてInstagramを利用するだろうが、どのような状況であってもプライバシーとセキュリティを後回しにしてはならない。

 アプリを慎重に使用するよう、子供たちに促すことを検討してほしい。例えば、2021年12月のブログ記事によると、Instagramは定期的に画面から離れる時間を設けるよう、子供たちに促している。また、古いコンテンツや「いいね」、コメントを一括削除できる機能により、デジタルフットプリント(ネット上の足跡)を管理できるようになった。さらに、2022年3月には、はじめてペアレンタルコントロールの機能が提供され、子供たちがどのくらいの時間をアプリに費やしているかを確認でき、保護者が制限時間を設定できるようにようになった。

 オンライン上で子供たちが直面する危険や、ツールによって危険を避ける方法について学ぶため、Safer Kids Onlineを参照してほしい。

[引用・出典元]
Instagram and teens: A quick guide for parents to keep their kids safe by Amer Owaida 4 Jan 2022 - 11:30 AM
https://www.welivesecurity.com/2022/01/04/instagram-teens-quick-guide-parents/