超薄型化のM2搭載MacBook AirにiOS 16登場! 「WWDC22」特集 第25回
28時間使える「M2搭載MacBook Pro 13インチ」超高効率ノートブックの誕生【実機レビュー】
2022年06月22日 22時00分更新
先日のWWDCの基調講演ではM2チップ搭載Macが2機種発表された。そのうちMacBook Pro 13インチモデルを発売前に試用することができたので、ファーストインプレッションを中心にレビューをお伝えする。
SoC以外はほとんどまったく同一仕様の超保守的なアップデート
2022年6月のWWDCの基調講演で最初に紹介されたM2チップ搭載Macは、ここで取り上げるMacBook Proではなく、もう一方のMacBook Airだった。そのため多くの人は、主にMacBook Airの方に注意を惹かれ、MacBook Proの印象は薄かったことだろう。実際にMacBook Airの紹介には、CM風のプロモーションビデオも含めて7分15秒ほどの時間が割かれていた。それは全体で1時間50分にも満たない基調講演の中では、かなりの長さと言える。
それに比べるとこのMacBook Pro 13インチは、正直に言って付け足しのような扱いだったことは否定できない。実際にMacBook Pro 13インチの紹介に費やされた時間は、わずかに1分20秒ほどでしかなかった。これでは、多くの人の印象に残らないどころか、新しいMacBook Pro 13インチがどのような特長を備えた製品なのか、ざっと把握することすら難しかったはず。
しかし、そうした扱いも無理のないことかもしれない。なぜなら新しいMacBook Pro 13インチは、SoCとしてM2を採用したことを除けば、2020年の秋に登場したM1チップ搭載モデルと、ほぼ同一のマシンだからだ。少なくともSoC以外にスペック上の違いはほとんどない。つまり基調講演でM2チップの特長を紹介した後では、「このM2を搭載したMacBook Pro 13インチモデルも出ます」と言えば、すんでしまうような話だったとも考えられる。そして多くの人は、MacBook Pro 13インチの前に紹介されたMacBook Airと印象が被ってしまったということもあるだろう。
新しいMacBook Airには新世代のMacBookとしての設計が施されていたのに対し、今回のMacBook Pro 13インチは、はっきり言って旧態然としたものであることに気付かなかった人も少なくないかもしれない。昨年秋に登場した14インチや16インチのMacBook Proと比べても、時代が逆戻りしたようなスタイルの製品となっている。今回の新しいAirと被ってしまった印象を払拭するため、MacBook AirにあってMacBook Proにない主なものを挙げておこう。
・ディスプレイ上部のノッチ
・MagSafe電源コネクター
・Liquid Retinaディスプレイ
・4スピーカーサウンドシステム
こうして挙げてみるとディスプレイのノッチについては、ないほうがいいと感じるかもしれないが、他はむしろMacBook Airが羨ましく感じられるだろう。さらに細かく見れば、両者とも「指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ」を装備するが、MacBook Pro 13インチの方にだけ「高い信号対雑音比」という形容が付いているので、内蔵マイクの性能はMacBook Pro 13インチの方が高そうだ。
その半面、ディスプレイ上部の内蔵カメラは、MacBook Airが1080pを実現しているのに対し、MacBook Pro 13インチは720pのままとなっている。このあたりは、ノッチの採用によってカメラ用に広いスペースを確保できたMacBook Airだからこそ実現できたスペックと言えるかもしれない。
逆にMacBook Airになくて、MacBook Pro 13インチにだけある主なものはTouch Barくらいだ。これは、昨年の14インチ、16インチモデルには採用されておらず、てっきり廃止されたものとばかり思っていた人も多かっただろう。それが新しいMacBook Pro 13インチモデルで「復活」したのは驚きだった。慣れれば、映像や音声など、タイムラインが絡むようなデータの編集に威力を発揮するのは確かで、Touch Barの装備は歓迎だという人も少なくないはず。
これだけ書いても、本当にSoC以外は1年半前のM1搭載モデルと同じなのか、半信半疑という人もいるかもしれない。そこで念のため、1年半前のM1搭載モデルと、今回のM2搭載モデルの主要なスペックを比較しておこう。
これは、当然ながらスペックが同じ部分を選んで書き出したわけではない。異なるのは、最大メモリが16GBから24GBになったことを含めて、M1とM2の違いによるものだけだ。それ以外の部分では、細かな数字に至るまで、スペックは同一と言える。ただし、本体以外の部分でM1、M2には直接関係のない細かな違いもあるが、それについては後述しよう。
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