今回は、身近な飲み物を使って野菜や果物のDNAを簡単に取り出す方法をご紹介します。オレンジジュースや青汁、野菜ジュースやトマトジュースなどの身近な飲み物に“あること”をするだけで、生物が遺伝情報を伝えるDNAを取り出すことができるのです。
筆者自身も中学生の頃に、自分の頬の内側の細胞からDNAを抽出する実験をしたことがあり、実験を通してDNAというものを身近に感じた記憶があります。今回の実験で使用するものは手に入りやすく手順も簡単なので、ぜひいろいろな飲み物で実験していただき、子どもたちの思い出となりましたら嬉しいです。もちろん自由研究などにもおすすめです。それでは今日もレッツサイエンス!
■自己紹介
サイエンスエンターテイナーの五十嵐美樹(twitter:@igamiki0319)です。国内外問わず科学実験教室や特技のダンスを活かしたサイエンスショーを開催し、子ども達が科学の一端に触れるきっかけを創っています。
本連載では、商業施設などのオープンな場での科学実験教室やサイエンスショーで、子どもたちからの人気が高かった実験や工作や科学にまつわる情報をご紹介しています。
■用意するもの
・プラスチックカップ(透明)
・割り箸
・無水エタノール ※薬局やネットでお買い求めいただけます。
・実験してみたい野菜・果物ジュース
※今回は、以下4つのジュースにて実験を行ないました。
-Dole® オレンジ 100%(※果汁100%、雪印メグミルク株式会社)
-ごくごく飲める!毎日1杯の青汁(※国産青汁原料100%:確認、株式会社伊藤園)
-野菜一日これ一本(※野菜汁100%、カゴメ株式会社)
-理想のトマト(※トマト100%、株式会社伊藤園)
■実験手順
1. 野菜・果汁ジュースをプラスチックカップに注ぎます。まずは、Dole® オレンジ 100%(※果汁100%、雪印メグミルク株式会社)で実験してみます。
2. プラスチックコップの内側に割り箸を当てて、割り箸に伝わせながらゆっくりと無水エタノールを入れます。ジュースと同じ分量になるくらいまで、混ざらないように慎重に入れてください。入れたら、どんなことが起こるかよく観察してください。
3. そのままの状態で動かさずにしばらく観察します。あとから入れた無水エタノールの層に白っぽいモヤモヤしたかたまりが浮いてきます。
白いモヤモヤしたかたまりは何か?
DNAは水に溶けやすく、エタノールに溶けにくいという性質を持っていることから、エタノールを入れたときに浮かび上がってきたものがDNAを含むものであると推測することができます[1]。
今回取り出したもののなかにDNAが含まれているかどうかは、酢酸オルセインによって赤く染まるかということや、メチレンブルーによって青色に染まるかということを実験することで確かめることもできます[2]。その他、ご家庭では扱えないような薬品でも実験できますが、これは大人になってからのお楽しみとなりますね。
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