ソフトバンクと東京海洋大学、水中の2台の遠隔操作ロボットに光無線通信経由で別々の指示を同時に与えてそれぞれをリアルタイムに制御する実証実験に成功
2022年04月22日 16時30分更新
ソフトバンクと国立大学法人東京海洋大学(以下:東京海洋大学)の後藤慎平助教らの研究チームは4月22日、水中の2台の遠隔操作ロボット(ROV:Remotely Operated Vehicle)に光無線通信経由で別々の指示を同時に与え、それぞれをリアルタイムに制御する実証実験に成功したと発表した。
本実証実験は、Beyond 5Gによる海の産業革命を目指して、画像処理技術、精密制御技術および可視光無線通信技術を活用した、複数の対象を自律的に追尾する画像認識トラッキング技術による1対多接続の水中光無線通信システムを開発して実施。
3台の水中光無線通信機(親機1台、子機2台)同士が、自動で捕捉・追尾し合って1対多接続の通信を確立・維持している状態で、子機となる水中光無線通信装置に接続された2台のROVをリアルタイムに遠隔操作する実証実験に成功したのは、世界で初めてだという。
1対多接続の光無線通信を可能とするトラッキング技術によって、水中ロボットによる作業の自由度は大きく向上するとしている。
今後、このトラッキング技術によって、水中ロボットの群制御による効率的な海洋資源管理や水中設備点検、海氷下などでの水中ロボットによる測位など、海の次世代モビリティーへの利活用、有人の潜水艇間のコミュニケーションなど水中航走体全般の利活用に係る新たな市場の創出が期待されるという。
なお、本実証実験の詳細はこちらから確認できる。