ソニーは4月15日、サウンドバーの新製品「HT-S400」を発表した。発売は5月21日。実売4万2000円程度と手軽な価格帯でサブウーファー別筐体の2.1ch再生ができる製品。S-FORCE PROによるフロントサラウンド再生が可能。
左右に配置したX-Balanced Speaker Unitは52×100mmに大型化(HT-S350は52×90mm)。振動板面積の拡大によって迫力に加え、クリアな声の聞こえを実現したという。エッジ部分を改良して歪みも低減した。シンプルなリモコンが同梱し、本体ディスプレーも搭載。ブラビアのユーザーの場合は、クイック設定メニューに「シアターメニュー」が追加され、サウンドフィールド、ボイスモード、ナイトモード、サブウーファー音量などを変更できる。
本体サイズは幅900×奥行き88×高さ64mm。サブウーファーは160mm口径。アンプの出力は合計で260Wとなっている。実機のサウンドを短時間聞くことができたが、ブラビアのX85Jの内蔵スピーカーと比較して、中低域がリッチとなり、低域のビート感がズンズンと増す。高域の抜け感はそれほどでもないが、声の聞き取りやすさはかなり向上する。
ハイエンドサウンドバー向けのリアスピーカーも
また、既発売の「HT-A7000」と組み合わせて利用するリアスピーカー「SA-RS5」も投入。上方に向けたユニット(イネーブルドスピーカー)を持つ。独自技術の“360 Spatial Sound Mapping”を活用し、7.1.4chのファントムスピーカーを生成。実在感の高いサラウンド再生が可能となっている。
なお、HT-A7000はブラビアXR(2021年モデル以降)と組みあわせてセンターシンクという機能が利用できるが、360 Spatial Sound Mappingとは別処理になるという。SA-RS5はバッテリー内蔵となっており、フル充電で約10時間(10分の充電で90分間)の連続再生が可能。リスニング位置から等間隔でなくても自動で補正されるので、自由な位置に置いて楽しむことができる。
本体サイズは幅145×134×高さ250mm。90W×2のアンプを内蔵している。5月21日発売で実売価格は7万5000円前後になる見込み。
複数のスピーカーをコントロールし、仮想的なスピーカーを作っていくファントム再生の技術を用いたものではあるが、リア及び天井方向に音が鳴るため、リアルサラウンドと遜色のない音の動きや音の広さが感じ取れる。360 Spatial Sound Mappingはセパレートスピーカータイプの「HT-A9」に続く対応となるが、AVアンプなどを使ったシステムに比べてシンプルでありながら、それに迫る再生が可能となるので非常に魅力的だ。