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NCプログラミングの完全自動化を実現

GIGABYTEのノートPCとAIソフト「ARUMCODE1」が金属加工の生産性を大きく向上させる

文●藤原達矢(アバンギャルド) 編集●ASCII

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 石川県金沢市に本社を持つアルム株式会社は、自動車や半導体関連の自動化設備やODM開発のソフトウェアを提供する企業として2006年に創業。日本のみならず東南アジアやヨーロッパの工場向けにサービスを提供している。

 そのアルムでは、多品種少量生産による生産性の低下や人手不足などに悩む金属加工業界向けのソフトウェアとして、2021年9月に加工プログラムをAIによって完全自動化できる「ARUMCODE1」を発表した。また、ARUMCODE1の動作推奨マシンとして、GIGABYTEのノートPC「AERO 15 OLED KD-72JP623SR」(以下:AERO 15 OLED)を選定。さらに、コンピューター専門商社のアプライド(アプライド株式会社:福岡県福岡市)と共同で、専用のワークステーションも開発している。

 本記事では、ARUMCODE1を開発した代表取締役CEOの平山京幸氏と、ソフト開発グループゼネラルマネージャーの村上聡氏を取材。ARUMCODE1を開発した背景や、動作推奨マシンの選定理由、作業の自動化が遅れている金属加工業業界の展望などを聞いた。

アルム株式会社では、開発した「ARUMCODE1」をユーザーが利用するためのマシンとして、GIGABYTEの「AERO 15 OLED KD-72JP623SR」を導入した

アプライドと共同で、ARUMCODE1の動作推奨ワークステーションも開発している

約76分かかるNCプログラミングが3分で完了
人手不要な自動化によりマシンの稼働率も大幅にアップ

アルム株式会社 代表取締役CEO 平山京幸氏(以下、敬称略)

――御社が開発したARUMCODE1はどのようなソフトでしょうか?

【平山】 はい。ARUMCODE1は、部品の加工に必要な「NCプログラム」と呼ばれる専用のプログラムをAIで完全自動化するソフトウェアです。現状、自動車や携帯電話などのさまざまな製品で使われている金属部品や樹脂部品の加工は、「マシニングセンター」と呼ばれる工作機械で行ないます。そのマシニングセンターを制御するためには、部品の図面データを元にNCプログラムを用意する必要がありますが、この道10年以上の職人さんが長い時間をかけて開発する属人的なものといわれてきました。

金属部品や樹脂部品などを加工するには、NCプログラムが必要になる

 現状の金属加工業界では、CAMや対話式のソフトウェアでNCプログラミングを支援しています。しかし、それらを使ったとしても、部品の価格に占めるNCプログラミングの割合は約50%といわれているように、非常に人的リソースやコストがかかるという問題があります。そのため、この部分をできるだけ削減して自動化できないかと考え、7年前からARUMCODE1を開発してきました。

 従来は、図面データをソフトウェアに読み込んで、職人さんがどのような部品かを確認したり、使用する工具や切削条件などの加工に必要な情報をプログラミングしたりしていましたが、ARUMCODE1では、図面を読み込むだけで自動的にNCプログラムが完成し、マシニングセンターに転送すると加工がスタートします。

 子会社の株式会社オーエスイー(秋田県秋田市)で、2019年8月から実証実験を行なっていますが、人の手で操作すると約76分かかるNCプログラミングが、ARUMCODE1だと約3分で完了し、およそ96%の短縮に成功しました。さらに、ARUMCODE1は数百枚の図面データでも一括で読み込ませれば、自動的に切り替えてプログラミングしてくれるため、夜帰る前に読み込ませておけば、朝にはNCプログラムが完成してすぐに加工を始められるため、マシンの稼働率も飛躍的にアップしました。

ARUMCODE1をインストールしたAERO 15 OLED。ARUMCODE1は、2021年にグッドデザイン賞、2022年に総務大臣賞を受賞している

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