【プロバスケットボール選手がゲーム配信!】③ シェーファー アヴィ 幸樹選手に聞く「プロバスケ」と「ゲーム」の2つの好きを叶える方法
提供: シーホース三河
プロバスケットボール選手として、B.LEAGUEのシーホース三河、さらには日本代表として活動しつつ、プライベートの時間を利用してYouTubeでゲーム配信をしているシェーファー アヴィ 幸樹選手。
シェーファー選手がなぜゲーム配信を始めたのかを深掘りしていく本連載記事も、いよいよラスト。1回目はゲームとの関わり[第1回記事]、そして2回目はゲーム配信を始めたきっかけ[第2回記事]をお聞きしてきた。
3回目となる今回は、シェーファー選手のパーソナルな部分のお話を聞きつつ、プロバスケット選手として、そしてゲーム配信者としてのこれからの目標などを直撃する。
シェーファー アヴィ 幸樹プロフィール
1998年生まれ。兵庫県出身。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれる。ポジションはパワーフォワード/センター。高校2年生で本格的にバスケットボールを始め、わずか1年でU18トップエンデバーに招集される。
2017年、八村塁選手らとともにU19ワールドカップに出場し、歴代最高の10位に。高校卒業後はアメリカに渡り、NCAA1部のジョージア工科大学へ入学。2018年に大学を休学し、アルバルク東京でプレー。
2019年に滋賀レイクスターズに期限付き移籍。同年のワールドカップに八村選手とともに最年少で出場。2020年にシーホース三河に加入し、主軸として活躍する。
「アヴィのゲーム部屋」YouTube URL:
https://www.youtube.com/channel/UCba4d07R4n1eUU8QrMOyrTA
シェーファー選手が幼いころから続けてきた事とは?
――シェーファー選手は、小さいころ、どんなお子さんだったんでしょうか?
シェーファー選手:メチャメチャ騒いでましたね。手がつけられないくらい暴れていたみたいです。アメリカの方の御祖母ちゃんが、僕があまりにも騒ぎすぎて止まらないので、病院で診てもらった方がいいのではないかと心配したくらいでした。その反動からか、今はかなり落ち着いたみたいですけど(笑)。
――昔から今まで続けている事はありますか?
シェーファー選手:ゲームは小さいころからやっていて、今も続いていますね。あとは、何かしら身体を動かす事はしていますね。前回のインタビューでも言いましたが、小さいころはサッカーをしていましたし、高校3年間はずっと武道をしていました。
――スポーツなどをしていると、ゲームで遊ぶ時間を作るのは中々大変ではなかったですか?
シェーファー選手:今もそうですが、ゲームをする時間はありますね。運動をしていたら体は疲れますけど、だから余計にゲームは体を動かさないからって感じで遊んでいました(笑)。もちろん小さいころは制限もされていたので、そんなに長時間遊んでいたわけではなかったですけど。
試合では自分の中に常に情報を入れておくようにする
――プロのバスケ選手の道を選んだ時をはじめ、決断に迫られる事があると思いますが、そういった時は自分で決めるのでしょうか? それとも、周りに相談しますか?
シェーファー選手:メチャクチャ相談しますね。僕は家族といろいろな話をするんですよ。仲が良いというか、常に家族とコミュニケーションを取るようにしています。例えば来年の事だったり、何か決める時は親や兄弟に相談します。
実は僕、すごく優柔不断なんですよ(笑)。中々自分で決断できないところがあるので、わりと周りに意見を求めがちです。
――それはバスケやゲームにおいてもですか?
シェーファー選手:バスケや日本のワールドカップの時は、事前にいろいろな人の話を聞いて、自分の中に常に情報を入れておくようにしていますね。それを基に、試合中に決断をするようにしています。
ゲームは、メチャクチャ調べます(笑)。もちろん自分で攻略していくっていうのはあるんですけど、わからない事があるとしっかり調べて、頭に入れてプレーしますね。
――座右の銘はありますか?
シェーファー選手:座右の銘っていうほどではないんですけど、御祖母ちゃんがよく言っていた「You are better than you think you are」 ですね。日本語訳すると、「あなたはあなたが思っているよりも優れている」っていう意味なんですけど。
自分自身バスケを始めたのが遅くて、自信が持てない事が多いんですね。御祖母ちゃんからそういう風に言われて、極力意識して、自分は自分が思っているよりも良い選手なんだ、自分が思っているよりもできる人なんだと自分に言い聞かせています。と言いつつも、今でも中々自信がつかないですけど(笑)。
――尊敬する人はいらっしゃいますか?
シェーファー選手:尊敬する人は、両親ですね。家族仲が良いと言いましたが、家族が良好な関係にあるのは両親のおかげです。いろいろな経験をさせてもらっていますし、恵まれて育ってきたと思っているのですごく感謝しています。
あと、最終的に自分が決めた選択に100%同意してくれるというか、背中を押してくれるんです。それこそ、僕がプロになった時がそうでした。大学を休学してプロになったんですけど、親からしたら大学は卒業してほしいって気持ちがあったと思うんです。
それを何回も話しあって、最初は抵抗があったと思うんですけど、最終的には僕がプロに行きたいという気持ちを理解してくれて。逆に、最後は親の方がプロに行った方がいいと背中を押してくれたんです。すごく感謝しています。
チームメンバーとの交流は自分らしくを大切に
――次はバスケについてお聞かせください。現在所属しているシーホース三河は、どういったチームですか?
シェーファー選手:オフェンス力が魅力のチームですね。去年はシューター陣が揃っていてわかりやすかったと思います。今年は展開の速いバスケを意識してやっていて去年とは違うタイプになっているんですけど、ダバンテ・ガードナーを筆頭に得点能力の高い選手がたくさんいて、どこからでも点を取れるという面白さはあると思います。
あとは、優大(西田優大選手)や亮伍さん(角野亮伍選手)が入ってチームが若返って。みんな楽しくやっていて、ベンチもすごく賑やかなので、ファンから見ても面白いチームだと思いますよ。
――これまでもよく聞かれている話だと思いますが、東京オリンピックに出場された感想を教えてください。
シェーファー選手:チームとして望んでいた結果にならなかったので、僕としては悔しさが残る大会でした。ただ、自分としてはずっと目指してきた東京五輪だったので、その場に立てて、試合に出られた事が思い出というか、一生忘れられない出来事になりました。
自分にとってすごく大きな大会だったので、悔しい戦いではあったんですけど、すごくいい大会だったと胸を張って言えますね。
――普段の試合とは雰囲気が違ったりしましたか?
シェーファー選手:戦っている選手たちがNBA選手だったり、みんな第一線で活躍している世界レベルの選手ばかりなので、すごい次元の高い戦いを体験できました。そういう中でプレーするのは、普段の試合とは全然違いましたね。
あと、それぞれの選手が国を背負ってプレーしているので、1試合1試合に懸ける思いが違うんですよ。普段の試合よりも緊張感のレベルも違いました。
――チームには年齢の違う選手や外国の選手がいると思いますが、コミュニケーションで気を使っている事はありますか?
シェーファー選手:自分の素をしっかり出すようにしています。あと、相手の人柄も見るようにしていますね。人によってはコミュニケーションを取るのが苦手な方もいますし、それによって接し方を考えます。でも、基本的には年が離れていても積極的に話かけて、自分らしくコミュニケーションを取る事を大事にしていますね。
運やチャンスを掴めるように意識して叶えた2つの夢
――バスケとゲーム配信と好きな事を突き詰めている印象があるのですが、これらを叶えるためにやっている事、やってきた事を教えてください。
シェーファー選手:ゲーム配信に関しては好きな事をやっているだけですけど、バスケのおかげでそれができているという面もあって。自分としては今でも運がよかったと思っているんです。体格に恵まれて、U18に絶妙なタイミングで入れて……。
また、オリンピックも1年延期になって、その間トレーニングができましたし、年齢的にも良い年で挑戦できました。Bリーグができて盛り上がってきているところでプロに入れて、そういうタイミングがスムーズにいったんですね。
自分としてはその運というか、チャンスがあった時に掴めるように意識はしています。だから、その場その場で自分がやれる事を一生懸命やるっていう事をしてきました。
あと僕は周りの環境をすごく大事にしていて。アメリカにいた高校のころは試合がほとんどできなくて、プロに入ってもあまり試合に出られなかったんですけど、ステップを踏んでいく中で、毎回どんどん自分にあったレベルの環境に進んで行けました。
そういった良い環境にいたからこそ自分がどんどん成長できたので、自分をもっと良い環境に置けるようにという事も意識してきました。
――プロバスケットボール選手としてのこれからの目標は?
シェーファー選手:プロ選手になるきっかけだったり、バスケを本気でやっていこうと思ったきっかけがU18日本代表に選ばれた事だったので、日本代表でプレーするというのが大きくありますね。自分の目標としては、“日本代表の欠かせないビッグマンになる”ですね!
ただ、自分としてはまだ足りないところがたくさんあるので、そのために自分を追い込んで、より良い環境に行けるように、自分が一番いい選手になれるように、そこを意識していきたいと思っています。いずれは海外に挑戦したい気持ちもありますね。
ゲーム配信での目標はいかがでしょう?
シェーファー選手:ゲーム配信は、ファンとコミュニティーを設けたいという事で始めたので、これだけの登録者を目指しているといったような明確な目標はありません。
ただ、自分がゲーム好きだというのはちょっとずつ知っていただけてきていると思うんですけど、シェーファー=ゲーム、ゲームのバスケ選手=シェーファーになるくらいイメージができあがったらいいなと思います。そうする事で、ゲーム配信のコミュニティーも自然とより良いものになっていくと思いますし。
あと、僕は他の方のゲーム配信をよく観るんですね。いつか配信者の方とコラボレーションができたら嬉しいなと思います。
――ちなみに、今、気になっているゲームがあったら教えていただけますか?
シェーファー選手:『モンスターハンターライズ:サンブレイク』ですね。メチャクチャ楽しみです。
――ちょうどオフシーズンの発売(6月30日)ですね。
シェーファー選手:はい。ただ、代表があったりすると、バスケも忙しくなりそうですけど。それでも、楽しみでしょうがないですね。
――では最後になりますが、読者に向けて、ご自身のこれからのバスケのプレーとゲーム配信でそれぞれ見てほしいところを教えてください。
シェーファー選手:まずゲーム配信は、ファンとのコミュニケーションの場として設けているので、僕はただゲームを楽しんで、それをファンの方に見てもらえたらいいなと思っています。
もちろん、視聴者の方たちと一緒にできる事も考えているので、その時はぜひ参加していただきたいですね。また、今はバスケの質問がほとんどですし、質問が多くて答えるのが難しい時もあるんですけど、それはそれで楽しんでいます。気軽に参加してもらえれば嬉しいです。
バスケにおいては、今回、代表の事だったり、今シーズンの自分のパフォーマンスだったり、いろいろ自分の中で悶々と考えるところもあって。あらためて自分がこれからどういう選手になりたいのか、自分にとって何が必要なのか、すごく考える時間ばっかりだったんですね。
自分に足りないものもたくさんあって、その中でどれが重要なのかを考えていて、それを自分としても一個一個意識していますし、自分がもっと上に行けるはずだとも思っているので、ちゃんとそこを磨いて頑張っていこうと思っています。
Bリーグのパフォーマンスであったり、これからの代表のパフォーマンスを見ていただければわかると思いますので、ぜひチェックしてください。
――ありがとうございました。
ご自身の幼いころの事、ご家族との事、これからの目標、チームメンバーとのコミュニケーションなど、さまざまな事をシェーファー選手にお答えいただいた。プロバスケットボール選手としてはもちろん、ゲーム配信者として、シェーファー選手の今後の躍進に期待できる事が、彼の言葉から感じられただろう。
本記事でシェーファー選手に興味を持った方は、彼のYouTubeチャンネルを視聴して、チャンネル登録してみてはいかがだろうか。
シーホース三河とは
シーホース三河は、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム。ホームタウンは、愛知県刈谷市。メインカラーはシーホースブルー。チーム名の「シーホース」はタツノオトシゴの英名から名付けられた。
さらに「タツ」=「龍」は 三河の雄・徳川家康の居城を龍城と言い、加えて創部以降チームを応援し続けたアイシン精機の豊田稔名誉相談役が1916年の辰年生まれだった事にも由来する。
(提供:シーホース三河)