今回、「マニアックな横浜を深掘りしたい!」という編集担当のアツい気持ちに「それならば」と引き受けた「1998年の横浜のまち」ページ。
横浜といえば、みなとみらいのイメージがありますし、誌面でもみなとみらいが中心になっているように見えるのですが、実は横浜は「それぞれのまちの特徴を生かした」まちづくり「都市デザイン」がモットー。まちの特徴を生かすように、まちづくりにはそれぞれ物語があります。誌面でも、「都市デザイン」の存在は切り離せませんでした。
そんななか、独自の進化を遂げてきたエリアが「横浜駅」。西口といえば、相鉄線。1998年に開業した「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」は、相模鉄道グループのフラッグシップホテルとして、横浜の玄関口である横浜駅西口に建てられました。横浜の主な外資系ホテルでは、「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」に続く2つめのホテルです。
1998年は新入社員だったというスタッフさんに伺ったところ、当時はホテルウエディングが主流で、レストランウエディングも流行り始めた時期でした。最上階のスカイレストラン「ベイ・ビュー」でレストランウエディングを行っていて、ウエディングを希望するお客も多く、年間で600組ほどの挙式・披露宴があったそう! スタッフは非常に多忙で、ホテルに泊まりこんで準備する日もあったとのこと。雑多な横浜駅にできたハイセンスな場所は、それほどの需要があったということですね。
確かに1998年以前の横浜駅西口は、夜は怖い繁華街というイメージだったと記憶しています。にぎやかではあったけれど、駅から少し離れれば、夜は少し治安が悪かった。しかし1998年以降、横浜駅の見え方はずいぶん変わったように思います。駅ビルが変わり、駅の百貨店は量販店やSCになり、若者から年配までが安心して楽しめる場所へ成長していきました。
周辺の街が日々変わり続けている姿は、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」の客室からも一望することができるそうです。
横浜の形もいろいろあるけれど、この企画から、そんなまちの個性の一角が伝わったらいいなと思います。
(「施設開業史から見る横浜のまち」担当=濱口真由美)