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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第31回

圧倒的高性能で静かなMac StudioとStudio Displayを試す【西田 宗千佳】

2022年03月17日 22時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII

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底面。ロゴの周囲を吸気口が囲むようなデザインになっている

ボディの大半をエアフローに利用、パワフルでも圧倒的に静か

 一方で、より重要な点が2つある。Mac Studioが非常に静かである、ということと、排気がそこまで熱くない、ということだ。

 今回、ゲーミングPCはパワー優先の「TURBOモード」で使ったのだが、とにかくファンがうるさくなる。55dBと掃除機並みの騒音になる。MacBook Proはそこまで音を立てることはないが、M1 Pro搭載だと、フルパワーで動いたときの発熱はちょっと気になる。

Mac Studioのパッケージ。意外と大きく、ほぼ立方体だ

 それに対し、Mac Studioはほとんど音がしない。アクティビティモニタによればちゃんとフルパワーで動いているのに、甲高い音でファンが回ることはなかった。発熱も少なく、排気を触っても「ほんのり暖かい」くらいだった。これはおそらく、プロセッサーがなかなか発熱しにくいのに加え、相当に放熱効率もいいからだろう。

 例えばPlayStation 5は、大きなファンを使い静かな動作音を実現しているが、排気は相当に温かい。プロセッサーがそれだけ熱を発しており、それを逐次外へと逃がしているからだ。M1 Ultraも、プロセッサー規模からいえばフルパワーでは相当に熱を持っても不思議はないのだが、積極的にコアを休ませつつ熱もうまく逃すことで、大径ファンをゆっくり回して対応できているのではないか、と予想できる。

 実際、Mac Studioのボディは3分の2が放熱機構になっている。しかも、M1 Ultra搭載モデルは、ヒートシンクなどが「銅製」だという。M1 Max搭載モデルはアルミが中心で、重量がそれだけで900g違う。M1 Ultra搭載のMac Studioは3.6kgもあり、見た目に反してすごく重い。

背面。上3分の2が排熱口。その下にインターフェースが並ぶ

正面。Mac miniに似ているが高さは9.5cmまで増えた

 キーボードやマウスが付属せず、アルミボディというのはMac miniを思わせるのだが、実のところMac Studioは、「ハイパワーを快適に使うために再設計したMac mini」のような部分があるのだろう。

付属品は本体以外にはケーブルくらい。マウスやキーボードは別売だ

 ハイエンドMacのニーズとして、残るは「より拡張性のあるMac」。残るAppleシリコン版Mac Proはそういうものになりそうだが、そちらは小さく、机の上に置けるものである必然性はない。机の上で快適に、でもフルパワーを求めるプロ向けに作ったとすれば、Mac Studioは、とても納得のできる「ハイエンド」製品だ。

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