「食事」要素が大きなウェイトを占めるダンジョン探索RPG

石でも虫でも喰らってやる!“異食”のサバイバルRPG『屍喰らいの冒険メシ』は予想以上に硬派なゲーム

2022年01月28日 13時00分更新

文● Zenon/ASCII

人は選ぶが、ハマれば“当たり”と言える作品【まとめ】

 発売前の印象はカジュアル系ダンジョンRPGと思っていたが、プレイしてみると意外に硬派なゲームシステムだと感じた。

 カロリーと水分、時間経過と食材の鮮度といったリソース管理から、さまざまな効果がランダムで付く武器防具のハクスラ要素、主人公が死ぬと容赦なくレベル&所持品リセットなどなど、たっぷりと時間をかけてキャラ強化・ダンジョン攻略していく要素がこれでもかと詰まっている。1階層ごとのダンジョンがランダム生成で、飽きが来にくい点は◎。

 また、バトル面でもそれこそ同社の「魔界戦記ディスガイア」シリーズのように、“普通ならやらないこと”を試してみると、意外な効果を発揮する場面もあった。それをかんがみても、非常にプレイヤーの試行錯誤欲を駆り立てる作品だと言える。

時間経過で腐ったり痛んだりした食材は、調理する場合は大概マイナスな料理にしかならない邪魔なアイテムだが、“敵に食べさせる”コマンドを使うことで戦局を有利にできる

 難易度はイージー、ノーマル、ハード、ナイトメアの4段階で、ゲーム開始時および拠点で任意に変更できる。難しいゲームが苦手な人は迷うことなくイージーを選択しよう。このゲーム、雑魚敵相手で普通に死ぬから!

ノーマルとナイトメアの比較。難易度を上げると装備品もいいものが出やすくなるので、それを利用して装備集めはナイトメア、進めるのはイージーと使い分けるスタイルもアリだ

 ちなみに「料理人」は調理の上手さを示すスキルレベルが上がりやすく、いい効果の料理を作りやすいという特徴がある。冒険メシは本作の根幹をなすシステムなので、重視したい場合4人のうち1人は料理人を入れておくといい。

初期グレードは白だが、グレードが上がると緑色のアイコンに変化。食べた際の効果が上がるので、食材の量と相談して狙っていこう(いい食材を積むほどグレードが上がりやすい)

 やや気になったのは、ストーリー性の薄さだろうか。作品自体が「もし冒険者がダンジョンで遭難したら」という状況の“生々しさ”を重視したものだと感じるので、キャラクター同士の友情! 恋愛! 裏切り! といったドラマチックな盛り上がりは望むべくもない気がする。

第10層クリア時に表示される誰かの記録文章。一応ストーリーは用意されているようだが……?

 とはいえ、ゲームシステムはシビアかつ独創的で、いくらでも時間が吸い取られるドハマりゲーの類であることは間違いない。パン1個で満腹になる某武器商人が不思議なダンジョンに挑むゲームにハマっていた人や、アイテム界に潜って最強の武器を黙々と育てていたような人なら、存分に本作を楽しめるだろう。

 このレビューを読んで少しでも気になった人は、まず無料の体験版(Switch/PS4で配信中)から本作に触れてみてほしい。正直かなり人は選ぶ作品だと思うので、そこから奥深い「冒険メシ」の沼へどっぷり浸かることになるかどうかは、キミ次第だ。

それでは、アマンダのいい表情で本レビューを締めたいと思う。
守りたい、この笑顔

 

【ゲーム情報】

タイトル:屍喰らいの冒険メシ
ジャンル:サバイバルシミュレーションRPG
販売:日本一ソフトウェア
キャラクターデザイン:原田たけひと氏
プラットフォーム:PlayStation 4/Nintendo Switch
発売日:発売中(2022年1月27日)
価格:7678円(パッケージ版/ダウンロード版)
プレイ人数:1人
CERO:D(17歳以上対象)

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