PCパーツの中でも買い替えが難しいPCケースだけに製品選びは慎重に
間違いのない買い物が不可欠な自作PCのPCケース 選び方のポイントをXPGの人気3モデルで解説!
PCケースは、自作PCの外観であり骨格だ。パーツをスマートに格納して、効率的に排熱するというのが役割というシンプルな存在だが、あまり考えることなしに購入してしまうと、大きすぎたり小さすぎたり、最悪の場合は使いたいパーツが入らない場合もある。
また、不満があっても廃棄したり、フリマアプリなどで売却するのは面倒な部分もあるため、購入前にしっかりチェックしておきたいところ。今回はADATAのゲーミングブランドXPGシリーズの主力ラインナップを例に見ながら、そのポイントを見ていこう。
PCケース選びのポイントは以下の6つ!
PCケース選びで抑えておきたいポイントをざっと挙げると、以下の6つの要素が挙げられる。
・PCケースのサイズ、対応フォームファクター
・搭載パーツのクリアランス
・ストレージ拡張性
・冷却性能
・ビジュアル要素(アドレッサブルRGB)
・フロントI/O
どれも重要ではあるのだが、特にしっかり確認しておかなければいけないのが、サイズと搭載パーツのクリアランス、ストレージ拡張性となる。いざ組み立てる段階になってパーツが入らないということになりかねないからだ。
今回とりあげるXPGのケースは3モデル
それぞれ個性的なビジュアルを持つ
今回取り上げるXPGのケースは、上位から「XPG CRUISER」「XPG DEFENDER PRO」「XPG STARKER AIR」の3製品。以下の写真を見てわかるとおりにビジュアルもそれぞれ個性的だが、冷却拡張性、クリアランスなどもそれぞれ異なる。ここからは上記の6ポイントから各製品をチェックしていこう。
XPG CRUISER | XPG DEFENDER PRO | XPG STARKER AIR | |
---|---|---|---|
サイズ | 234×466×493mm | 220×441×492mm | 215×400×465mm |
カラー | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
シャシー素材 | SPCC | SGCC | SPCC |
サイドパネル | 4mm 強化ガラス(2面) | 3mm 強化ガラス | 4mm 強化ガラス |
対応フォームファクター | E-ATX、CEB、EEB、ATX、Micro ATX、Mini-ITX | E-ATX、CEB、EEB、ATX、Micro ATX、Mini-ITX | ATX、Micro ATX、Mini-ITX |
拡張スロット数 | 7スロット(水平) 2スロット(垂直) |
7スロット(水平) 2スロット(垂直) |
7スロット(水平) 2スロット(垂直) |
ストレージベイ | 3.5/2.5インチ兼用×2 2.5インチ×2 |
3.5/2.5インチ兼用×2 2.5インチ×2 |
3.5/2.5インチ兼用×1 3.5インチ×1 2.5インチ×1 |
標準搭載ファン | フロント:120mm×3 (XPG VENTO 120 ARGB) |
フロント:120mm×2 (XPG VENTO 120 ARGB) リア:120mm×1 (XPG VENTO 120 ARGB) |
フロント:120mm×2 (XPG VENTO 120) リア:120mm×1 (XPG VENTO ARGB 120) |
搭載可能ファン | フロント:140mm×2/120mm×3 トップ:140/120mm×2 リア:140/120mm×1 |
フロント:140mm×2/120mm×3 トップ:140mm/120mm×2 リア:120mm×1 |
フロント:140mm×2/120mm×3 トップ:140mm/120mm×2 リア:120mm×1 |
搭載可能ラジエーター | フロント:360/280/240mm トップ:280/240/120mm リア:140/120mm |
フロント:360/280/240mm トップ:280/240/120mm リア:120mm |
フロント:360/280/240mm トップ:280/240/120mm リア:120mm |
フロントパネル | 強化ガラス | メッシュ | メッシュ |
CPUクーラー高 | 170mm | 170mm | 165mm |
拡張ボード長 | 350mm (縦置き時高さ27.3mm) |
380mm (縦置き時高さ27.3mm) |
350mm (縦置き時高さ24mm) |
電源ユニット奥行き | 180mm | 220mm | 160mm |
裏面配線幅 | 23.4mm | 18.1mm | 22.6mm |
端子 | USB 3.2 Gen 1 Type-C、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、マイク/ヘッドフォン端子×1、電源、ARGB制御 | USB 3.2 Gen1 Type-A×2、マイク/ヘッドフォン端子×1、電源、ARGB制御 | USB 3.2 Gen1 Type-A×2、マイク/ヘッドフォン端子×1、電源、ARGB制御 |
実売価格 | 約1万4000円 | 約1万2000円 | 約1万円 |
→Amazon.co.jpへのリンク(XPG CRUISER ブラックモデル)
→Amazon.co.jpへのリンク(XPG DEFENDER PRO ブラックモデル)
→Amazon.co.jpへのリンク(XPG STARKER AIR ブラックモデル)
ATXで十分か、さらに大型のマザーボードも意識するか
【サイズとフォームファクター】
PCケースとマザーボードの「フォームファクター」は、サイズやネジ穴の位置を定めた規格。利用するマザーボードのフォームファクターに対応したケースでないと、そもそもマザーボードを取り付けることができない。
今回紹介した中では、XPG CRUISERとXPG DEFENDER PROは、一般的なATXよりさらに大きなE-ATXやサーバー向けのCEB、EECまで対応しており、ハイエンドのマザーボードも取り付けできる。
また、同じE-ATX対応でも本体のサイズ自体は異なる。どちらもE-ATX対応としてはコンパクトなケースだが、特にXPG DEFENDER PROの本体サイズはATXまでのケース並であり、それでいながらE-ATXもサポートしているということが本製品の売りの1つだ。
一方、XPG STARKER AIRはATXまでの対応にとどまるが、その分、本体サイズはグッと小さい。ATXケースとしても特に奥行きが短い(XPG CRUISERの466mmに対して、400mm)のが特徴で、机に設置しても圧迫感が少なく扱いやすい。
サイズなど | XPG CRUISER | XPG DEFENDER PRO | XPG STARKER AIR |
---|---|---|---|
サイズ | 234×466×493mm | 220×441×492mm | 215×400×465mm |
カラー | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
シャシー素材 | SPCC | SGCC | SPCC |
対応フォームファクター | E-ATX、CEB、EEB、ATX、Micro ATX、Mini-ITX | E-ATX、CEB、EEB、ATX、Micro ATX、Mini-ITX | ATX、Micro ATX、Mini-ITX |
CPUクーラーやビデオカード、電源など
搭載パーツのサイズを決める【クリアランス】
PCパーツのサイズは各社間である程度の基準はあるが、マザーボードのフォームファクターのようにキッチリと決まっているわけではない。そのため主要パーツの搭載できるサイズの上限をあらかじめ確認しておく必要がある。
特に要確認ポイントは「CPUクーラーの高さ」「ビデオカードの長さ」「電源ユニットの奥行き」の3つ。ケーブルの配線は考慮されておらず、ギリギリだと作業がしにくいので、ある程度余裕を持って考えたほうがよい。
XPGの3モデルは、CPUクーラーやビデオカードについては特別大柄な製品以外は対応できるクリアランスが確保されているが(たとえばXPG STARKER AIRは165mmまでのCPUクーラー、350mmまでのビデオカードに対応可能)、電源ユニットのクリアランスは差がある。XPG STARKER AIRは本体の奥行が短いだけに160mmと、実質的には140mmの電源専用であることには注意が必要となる。
クリアランス | XPG CRUISER | XPG DEFENDER PRO | XPG STARKER AIR |
---|---|---|---|
CPUクーラー高 | 170mm | 170mm | 165mm |
拡張ボード長 | 350mm (縦置き時高さ27.3mm) |
380mm (縦置き時高さ27.3mm) |
350mm (縦置き時高さ24mm) |
電源ユニット奥行き | 180mm | 220mm | 160mm |
裏面配線幅 | 23.4mm | 18.1mm | 22.6mm |
【ストレージ拡張性】基本はユーザーの構成次第
光学ドライブやHDDは、以前よりは重要度低め?
SSDやHDD、光学ドライブなどのストレージの拡張性、つまり5インチベイ、3.5インチベイ、2.5インチベイがいくつあるかもチェックしておきたい。
近年のPCではマザーボードに直接取り付けるM.2 SSDがストレージの主流で、大容量が必要な場合でもNASやUSBでの外付けという選択肢もある。ストレージベイが多いケースは当然サイズが大きくなったり、内部が少し窮屈になるといった弊害もある。多ければよいというものではないが、なければ搭載できないので、そこは各ユーザー次第となる。
XPGシリーズの3モデルはいずれも光学ドライブ用の5インチベイは省いている。そのことで本体サイズを小型化して、内部もすっきりとさせている。2.5インチベイや3.5インチベイは2~3台程度と必要最小限。現代的な内容と言える。
ストレージ | XPG CRUISER | XPG DEFENDER PRO | XPG STARKER AIR |
---|---|---|---|
ベイ | 3.5/2.5インチ兼用×2 2.5インチ×2 |
3.5/2.5インチ兼用×2 2.5インチ×2 |
3.5/2.5インチ兼用×1 3.5インチ×1 2.5インチ×1 |