超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第22回
新MacBook Proレビュー
新MacBook Proは「Macノートブック」におけるプロ仕様の再定義
2022年01月03日 12時00分更新
実用本位に回帰したキーボード
キーボードについては、スペック上は相変わらず「Magic Keyboard」となっていて、メインのキーについては特に変更はないように見える。しかし、これまでMacBook Proのアイコン的な存在だったTouch Barを廃止し、単なるファンクションキーに変更したことで、実際にディスプレーを開いて使用状態にした際の印象は、かなり異なるものとなった。
これまで盛んに利便性を宣伝してきた見た目も華やかな機能を、なぜ今回廃止したのかについては、納得できる説明がなされていないような気がする。簡単に言えば、おそらくユーザーやデベロッパーの評判が、アップルが期待するほど芳しくなかったということなのだろう。
そもそもTouch Barは、Macの画面自体をタッチ式にして、ポイティングデバイスの1つとして活用する代わりに、表示とタッチ機能の両方を備えた別のデバイスで置き換えたものだろう。それによるメリットは確かにある。1つには、メインの画面に手を触れる必要がないので、ディスプレー表面が手の脂で汚れる心配がない。また、キーボードのホームポジションから大きく離れずにタッチ操作が可能なので、腕の疲労を軽減できる。そして、ファンクションキーに多様な機能を動的に割り振ることができるので、特にショートカット的な操作性が向上する。といったあたりがすぐに思い浮かぶ。
逆に特に大きなデメリットはないようにも思える。強いて挙げるとすれば、ファンクションキーをブラインドタッチするのが難しくなることだろう。コンテキスト(アプリ使用中の場面)によって、Touch Barの表示内容が変化し、同じ場所を押した際の機能も一定ではなくなるからだ。
筆者自身は、ファンクションキーをブラインドタッチするような使い方はほとんどしない。それでも、Touch Barを操作するために、必ず画面から目を離さなければならないのは負担に感じていたのは確かだ。新しいMacBook Proのファンクションキーは、Touch Bar以前のモデル、あるいはMacBook Airが採用している横長のハーフハイトのキートップではなく、アルファベットキーなど、一般のキーと同じ正方形に近いものとなった。それを考えると、やはりファンクションキーをタッチタイプする人のことを考慮した変更なのではないかと思えてくる。
ファンクションキーは、キーボードの右上に配置されたTouch IDセンサーを兼ねた大きめの電源ボタンともほぼ同サイズとなっているため、デザイン的にもすっきりしている。
Magic Keyboardのタイピング感覚は、やはりノートブックのキーボードとしては最高ランクに属するもの。一般的なノートブックのキーボードに比べると、タッチが硬いと感じる人もいるかもしれないが、普段デスクトップ用のストロークの深いキーボードを使っている人でも違和感なくタイプできる、ほどよい硬さと言える。
キーボードに関して、以前からやや疑問なのは、なぜ逆T字型配列の矢印キーにこだわる必要があるのかということ。フルサイズの矢印キーが配置できるなら、もちろんそれでいいのだが、上下だけでなく、左右の矢印キーをハーフハイトにしてまで、逆T字型にする必要があるのだろうか。使用頻度が高いと思われる左右の矢印キーは、フルハイトの方が操作しやすい。Touch Bar搭載以前、Magic Keyboardになる前のMacBook Proでは、上下だけがハーフハイトで、左右はフルハイトの、いわばH型配列の矢印キーだった。Touch Barを廃止して、フルハイトのファンクションキーを装備したのだから、矢印キーも元に戻して欲しかったというのが正直なところだ。
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