オンライン授業はモチベーションを保つのが難しい
コロナ禍では、オンライン授業となった学校や塾も多かった。感染防止の観点からは安心だが、オンライン学習にはどのような課題があるのか。保護者を対象としたイー・ラーニング研究所調べの「2021年:子どものやる気とオンライン教育に関する意識調査」(2021年11月)を見てみよう。
「コロナ禍で勉強に関する子どものモチベーションを保つのが難しいと思いますか」という質問に対しては、約9割が「はい」と回答。理由は、「一人で学習するから」が最多であり、「他の誘惑が多いから」「成果が見えにくいから」「学習の意味を自分で見つけないといけないから」なども多かった。
対面授業とは違い、1人で管理しながら学ぶため、オンライン学習ではモチベーションが最大の課題となっている。
また「子どもが自分自身で計画を立てるのは難しいと思いますか」という問いに対しては、8割が「はい」と回答。「特に親が関与すべき子どもの学習はどれだと思いますか」という問いに対しても、学習塾や家庭教師はお任せの学習で問題ないと思っている一方で、オンライン学習は群を抜いて多くなった。
保護者が望むサポートは?
なお、オンライン学習で望ましいサポートについては、成果の視覚化、学習計画の立案、親による進捗管理を希望する声が多かった。
対面の場合、時間や場所などの制約が大きいが、そもそも教師の目があり、周囲の子どもたちも学習に取り組んでいるなど、学習に集中しやすい環境となっている。「一人では勉強する気になれないので、塾の自習室に行っている」と、ある小学生は言う。「オンライン授業は友だちもいないし、やる気にならない」。
一方オンライン学習は、時間や場所などが自由になる反面、モチベーション維持に課題が多い。成果を見えやすくしたり、保護者が進捗管理などすることで、モチベーションを保ちながら学習に向かうことができそうだ。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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