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超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第16回

MacBook Pro 14インチは「クリエイティブへのエントリー」レベルを大きく引き上げた

2021年10月28日 10時00分更新

文● 本田雅一 編集● ASCII

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高いダイナミックレンジと正確なホワイトバランスがもたらす
本当に欲しいディスプレー

 基本となるSoCでも十分に高性能であるため、あとはGPU性能やメディアエンジンの数などでモデルを選べばいいと思うが、そこまでの高性能はいらない。M1でも充分だという人をとりこにするのがミニLEDバックライトを用いたLiquid Retina XDR Displayだ。

 1000ニトまでは全画素でリニアに表現可能で。さらにピーク値で1600ニトまでブーストできる1000分割ローカルディミングの液晶は、HDRコンテンツを極めて忠実に表示できる。

ピーク値で1600ニトまで出せるディスプレーを搭載する

ProMotionにも対応した

 このディスプレーが優れているのは、環境を検出するセンサーとの連動で、その場に合った見え味を自動的に、しかも的確に調整してくれることだ。照明環境に合わせてDisplay-P3の色域と最大1600ニトの輝度範囲で、的確な色再現と階調表現をしてくてるため、本機を持ち込んでいる環境に合った見え味を提供してくれる。

 実体験しなければ解りにくいだろうが、このノウハウ(明るさ、色温度センサーとの連動)は、ディスプレーのスペック以上に感心したところだ。限られた環境であれば、正しい映像表現をある程度追い込むことはできる。

 たとえば新しいMacBook Proのディスプレーでは「リファレンスモード」が搭載され、設定でプリセットを切り替えることで、さまざまな映像規格の特性をシミュレートできる。たとえばBt.709、DCI-P3のリファレンスに合わせた設定をメニューひとつで切り替えできる。その中にはPQカーブに対応するHDRコンテンツ向けのものも有る。

 ではこれ(P3 - ST.2084)とデフォルトである「Apple XDR Displayモード」の違いは何か? というと、リファレンスモードは規格上の絶対値で表示するため評価環境のみを想定しているのに対して、デフォルトではどんな環境でも(可能な限り)近いイメージで見せることにある。

 リファレンスモードでHDRビデオを選び、暗室でSTEMと呼ばれるハリウッド映画スタジオなどで使われる評価用映像を表示させてみたが、よく調整された業務用モニターに近い品質、正確性であることを確認できた。

 その上でApple XDR Displayモードに切り替えると、少しばかり暗部が持ち上がり見通しが良くなる。正確な評価用モードとは言えないが、そこから明るい部屋に移動しても見え味は大きく変わらず、照明の色温度にも追従していく。

 このディスプレーがあれば、映像製作に関わる作業のうちある程度の範囲ならば、スタジオの外でも作業ができるだろう。あるいは映像撮影の現場であれば、ロケ先で撮影後、夕方にはMacBook Proでラッシュ映像を確認しつつ、絵作りの基本方針などを立てることが可能だと思う。

 最近はディスプレーで写真鑑賞することを意識して、静止画でHDRを記録するHDRフォトが撮影できるカメラもあるが、そうしたHDRフォトを編集する上でも、フィールドに出た先でさまざまなトライができるはずだ。

 ちなみに狭額縁ベゼル化とともにカメラ部がノッチになったことも話題だが、使っていて気になることはなかった。全画面化するとこのノッチの下までが画面範囲となり、メニュー表示時だけノッチ部にメニューが現れる。

 このあたりの振る舞いはOSの機能とも連動しており、ノッチの存在が作業するときに違和感をもたらすことはないと思う。

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