外部ファイル入出力機能とエラーチェックでますます拡がるkintoneの可能性
早く提案したい!ジョイゾーが語る「krewData」の気になる新機能
2021年10月28日 09時00分更新
アプリをまたいだデータ連携、教育ツールにも使えるkrewData
大谷:krewDataって、ユーザーの立場からするとどうでしたか?
笹川:まあ面白かったですね。プログラムを書かないとできないようなことが、Excelと関数がちょっとできる程度の私でできてしまうんですから。kintoneのアプリをまたいでデータを出力するみたいことが簡単にできるので、はまっていました。なんかずっといじってました。
大谷:krewDataは、どういったところが刺さったんですか?
笹川:kintoneってどうしてもアプリを分けてデータを持たざるを得ないところがあります。一定のステータスを超えたらとか、属性が違うとか、さまざまな理由で。でも、予実とか、集計値を見たいとか、まとめたい場面ってけっこうあるんです。今まではCSVで出力して、ピボットテーブルを使って集計していたので、結局Excelが必要。せっかくkintoneにしたので、見たいものが見られないので、ずっとモヤモヤしていました。
もちろん、カスタマイズすればできるのですが、前の職場は新規事業だったので、予算もとれないし、そもそも要件がどんどん変わるんです。だから、せっかくカスタマイズしても、翌月には使わなくなっているレベルです。でも、krewDataなら、アプリをまたいで必要なデータを出力できるし、状況が変化しても自分で直せます。変化に強いのは現場にとってはありがたいです。
大谷:琴絵さんにとって、krewDataの魅力ってどんなどころなんでしょうか?
四宮:krewDataのすごいところは、まさに(笹川)マイちゃんがエンジニアとして独り立ちしたところに現れています。
マイちゃんも最初krewDataをいじり始めた頃は、同じような処理を別々のところでやっていたり、フローがあまりすっきりしていなかったんです。でも、そのフローをレビューして作り直していくうちに、マイちゃんもプログラムで書くところのデータ処理を覚えていくんです。最終的にはシステム全体をフローとして設計できるようになるので、プログラミングの勉強にもすごくいいんですよ。
大谷:教育ツールという観点は全然なかったです。
四宮:kintoneは確かにノーコードで開発できますが、システム全体をフローとして設計できないと、どんなにkrewDataが良い製品でも使いこなせないし、パフォーマンスも劣化してしまいます。でも、krewDataを使えば、そういう無駄な処理を入れないようにするための勘所をつかんでくれる。krewDataを学ぶと新人は早く育つと感じています。コードを覚えるよりも、しっかりしたデータ処理に関する知識を学べている。
その点、私はむしろkrewDataの設計は見られるけど、設定はできません。コードも書けない、設定はできない、設計だけできるやつに成り下がったのですが(笑)、それでもいいなと。みんながやりたいことをkrewDataでできて、より高度なことをやりたいと思ったら、コードを学べばいい。だからジョイゾーにとってkrewDataのメリットって、システム39のエンジニアが育つスピードが上がるということです。これは間違いないと思っています。
大谷:コード書かないで済むからといって、すぐにシステム作れるわけじゃないですからね。
四宮:ノーコードって確かにコードを書かないで済みますが、設計が不要になるわけじゃないんです。きちんとした設計がないとノーコードツールも活きてこない。そこがわからないと結果使えないものができてしまう。ユーザーはもちろんそうですが、krewDataを使うわれわれも理解しなければならない。その点、エコシステム39を1年間やってきて限界点もわかったので、ノーコードでできること、その先の開発でやるべきことはだいぶ見極めできたと思います。
大谷:興味深いのですが、どこらへんが限界点になるんでしょうか?
四宮:うーん。krewDataって設計次第ではなんでもできてしまうんです。だから、曼荼羅みたいな巨大な設計図になり、結局カスタマイズの方がシンプルだったねという案件も出だしています。1年間の学びとして、「krewDataでもできるけど、ここまでしかやらない」という線引きが必要になっています。そこが課題ですね。
もう1つはkrewDataのバッチ処理のスケジュールって、一番安価な料金プランだと3回です。予算の関係で、なんとか1回のスケジュールに処理を詰め込もうとすると、どうしても複雑化ししてしまいます。ここらへんもジョイゾーとしてはノウハウをため込んできてますね。