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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第147回

中国の仮想通貨規制、背後には電力危機も

2021年10月04日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 中国が、仮想通貨(暗号資産)に関連する全ての取引を違法とすると発表した。

 2021年9月24日、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行がこの方針を発表すると、ビットコインやイーサリアムなど主要仮想通貨の価格は一時的に急落した。

 しかし、「暴落」と呼べるほどの下げ幅には至らず、10月1日朝の時点でビットコイン価格は480万円台まで戻している。

 今回、中国の当局が禁止としたのは、全仮想通貨の取引とマイニングだ。ほぼ全面的な「仮想通貨禁止令」と受け止められている。

 一見すると、「仮想通貨、大丈夫か」と思ってしまうニュースだが、市場の反応は冷静だった。

 中国当局は、これまでにも類似する規制を、少なくとも2013年と2017年にも打ち出しているからだろう。「7回目」の規制強化とカウントしているリサーチ会社もあるようだ。

中国政府の本気度は高い

 市場は落ち着きを取り戻しているものの、中国政府の本気度はこれまで以上に高そうだ。

 今回の動きには、中央銀行だけでなく、金融当局などの10機関が加わり、中国の域内から「仮想通貨を根絶する」(9月25日のロイター)構えと受け止められている。

 とくに、中国国外の事業者であっても、中国人が仮想通貨取引所など取引に関連するプラットフォームを提供すること自体が違法とされる。

 マイニングについても、当局の1つが、中国全土を対象に大がかりな取り締まりを開始すると明言している。

 現在、中国は深刻な電力不足に直面している。一部の地域では、家庭向けの電力供給が停止されたり、工場は減産を強いられている。

 このタイミングでのマイニング規制は、大量の電力を消費するマイニングを取り締まることで、政府側の失策から目をそらそうとする狙いもあると考えられる。

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