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AONIC 215/RMCE-TW2

第2世代のSHURE完全ワイヤレス、テレワークに便利になった

2021年09月07日 14時00分更新

文● ASCII

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マイナーチェンジとはいえ欲しかった改善も

 筆者は前世代モデル(RMCE-TW1)のユーザーでもあるので、その経験も踏まえて新製品の感想を述べる。大きな改良点は、ウェブ会議などを実施する際に両耳で音声を聴けるようになった点だ。

 細かい話になるが、Bluetoothには音楽用のプロファイルとヘッドセット用のプロファイルがあり、ヘッドセット用のプロファイルではマイクが使える代わりに伝送はモノラルになる。そのため従来版では片側のイヤホンからのみ音が出ていたが、新製品では左右同時に音を出すことで両耳で聴ける仕様にしたそうだ。片側だけをケースから取り出せば、片耳使用も可能で、左側、右側を問わない点も分かりやすい。

装着したところ

 マイクは合計4基(左右2基ずつ)搭載。ビームフォーミング技術で声に絞った集音ができる仕様になっている。テレワークの機会が増え、イヤホンを使った通話のニーズが高まっているので、嬉しい改善点と言えるだろう。ビームフォーミングに最適な取り付け角度を選ぶなどシュア独自のノウハウも取り入れているという。

 もうひとつのポイントとなるのが、外音取り込みした音声の自然さだ。ここは従来と変わらないが、アプリの設定で音楽再生を止めると自動で周囲の音を聴くモードにできる点はいい。デスク作業中に話しかけられたり、自宅にいても宅配便などに対応するケースは多いので、エクササイズなど外で使用するシーン以外でも有効だろう。

 RMCE-TW2は、シュアの中ではベーシックな製品である「SE215」との組み合わせも魅力的だが、SE846やAONIC 5/4/3など、他のシュア製イヤホンに交換してグレードアップしたり、音の違いを楽しむことができる。

 筆者は「E4c」で初めてシュアのイヤホンを長期間使用し、愛着を持っているので、特にAONIC 3との組み合わせに好感を持った。細身の筐体のため、SE215と装着感がだいぶ変わってしまうが、耳にしっくりくる形状になっているのも同じブランド同士の組み合わせだからこそとういう面がある。

AONIC 3は本体がかなり長いため、装着時の角度が少し変わる

 基本のチューニングとしては、シュアらしいフラットでモニター的な特性になっているが、ShurePlus PLAYアプリでEQ調整することで音の雰囲気を細かに調整できる。例えば、リスニングよりのチューニングにしたい場合は、低域を持ち上げたり、より高解像度なサウンドを求めるのであれば子音の聞こえに影響する高域(サ行であれば6~7kHz付近)を持ち上げるといった調整ができる。パラメトリックタイプのEQでかなり細かく調整できるほか、ゲイン幅も広く少々の持ち上げでは歪みや音割れが発生しない点も特徴だ。

プリセットされたEQの選択画面

パラメトリック式のかなり詳細な調整が可能だ。自分で最初から作るだけでなく、プリセットの微調整などもオススメ

 プリセットはシュアのエンジニアが推奨するものなので、基本はこれを利用して微調整を掛けるのがいいだろう。また、イヤホンはイヤーチップの選択によって低域の鳴りやかぶりなどに変化が出るので、付け替え時に調整するといったマニアックな使いこなしができる。プリセット数は本体側のメモリーが許す限り登録できるとのことだ。

AONIC 215 完全ワイヤレス高遮音性イヤホン(第2世代)のパッケージ構成

RMCE-TW2 完全ワイヤレス・セキュアフィット・アダプター(第2世代)のパッケージ構成

 RMCE-TW2の外見は従来とほぼ変わらないため、差を感じにくいかもしれないが、定評ある音質はそのままに細かな使い勝手が上がっている点はいい。ケースは大型であるぶん、大きめのイヤホンも収納できるスペースが確保されているので、お気に入りの有線イヤホンを完全ワイヤレス化したいといったニーズにも広く応えてくれそうだ。

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