今回のオスス麺は、青梅市の河辺駅から少し歩いた奥多摩街道沿いにある二郎インスパイア系のお店「らーめん 男盛」。
昨今、色々な二郎インスパイア系がありますが、この「男盛」は他の二郎インスパイア系や直系二郎とは違った方向性の拘りがあり、単なる“真似”とは違ったオリジナリティや熱意が感じられ、常連さんに愛されるお店となっています。
ご主人は、元々は大型トレーラーや観光バスのドライバーとして働いていたそうですが、2011年の東日本大震災によって職を失い、それを機に「大好きなラーメンの店を出そう」と決意し、二郎インスパイア系チェーンの人気店「らーめん バリ男」で修業した後、2013年3月1日に埼玉県狭山市の入曽にて、念願であった自身のラーメン店「らーめん 男盛」をオープンさせました。
2015年12月17日には新狭山に2号店をオープンさせ、そちらのお店は2016年5月4日から「博多長浜らーめん 博多麺」としてリニューアルした後、同年12月6日に「豚丼専門店 木ノ下」へと再リニューアル。
この「博多麺」も「男盛」と同様に、毎日スープを継ぎ足していく「呼び戻し製法」で作られた濃厚で豚骨の風味を楽しめる白湯豚骨スープに、低加水の極細麺を合わせた本格派の味わいでした。
その後、入曽の「らーめん 男盛」は一旦閉店し、2019年2月6日に移転という形で青梅市河辺町にてオープンし、多摩地区のラーメン店の仲間入りをしました!
オープン当日は、100食を無料提供するという大サービスで長蛇の列が出来ました。
ただ、普通のお店と違い、無料提供の100食が終了後もそれで終わりではなく、味玉サービスという形で夜営業も続けるという様子を見て、「お客さんを大切にするお店」という印象を強く感じました。
今はスッキリしていますが、オープン当初は初めての人でも分かりやすいように、お店のルールやボリュームの多さなどが表記されていました。
これに関しては賛否両論あったようですが、二郎系というローカルルールがあるお店は初めて入る際に不安があるので、店頭に注文の仕方やルールが明記されているのは凄く親切だなと個人的に感じていました。
実際、お店に入ってみても殺伐とした感じはなく、帰り際には「忘れ物ないようにね~」「気をつけてね~」「いつもありがとうございます!」など、一人ひとりのお客さんに然り気ない一言をかけるといった人情味が感じられ、「また来たいな」と思わせてくれます。
メニューの主軸となる「ラーメン」は、いわゆる二郎インスパイア系のガッツリ系ラーメン!
注文時に聞かれるニンニク・ヤサイ・アブラの無料トッピングの量により、そのボリュームやジャンクさは大きく変わります!
お店の一番のウリは?とご主人に伺ってみると、「チャーシューとスープで悩むところですが、スープですかね!」との返答をいただきました。
博多豚骨ラーメンで使われる「呼び戻し製法」で炊く豚骨スープは、漂う豚骨の風味や濃厚さを楽しめる本格派の白湯豚骨で、一般的な二郎インスパイア系のスープとは明らかに一線を画すもの。私はこのスープに惹かれて何度も足を運ぶようになりました!
自家製麺はしていないものの、麺への拘りも強く感じられ、菅野製麺所に特注した男盛専用の極太麺を使用しています。
そして同じものをずっと使うのではなく試行錯誤を繰り返し、昨年冬から1年ちょっとの間は日清製粉の小麦粉「傾奇者」を使用した麺でしたが、今年6月からは二郎系の麺の代名詞とも言える小麦粉「オーション」を使用した麺となり、より豊かな風味やワシワシとした食感を楽しめるようになりました。
チャーシューも絶品!
二郎系では凄く美味しいチャーシューに当たった時に「神豚」という表現をしますが、この「男盛」では常にその「神豚」を食べられると言っても過言でない位で、トロットロに柔らかくて旨味たっぷりな味わいを楽しむ事が出来ます!
チャーシューを増量したい場合は1枚から追加可能なので、「豚マシ」もオススメ!
味玉も絶品で、ねっとりとゼリー状になった黄身にタレの味がしっかりと染みこんだ濃厚な味わい!
風味高く旨味たっぷりなピリ辛ダレを和えた笹切りの白ネギがトッピングされる「ピリ辛ネギ」も、ファンの間では評判が高いです!
「つけ麺」は、ラーメンと同じ濃厚な豚骨スープをベースにしながらも、ほのかに酸味が加わる事で味が締まり、濃いめの醤油でガツンとしたパンチが感じられ、細かな背脂とコロコロとした粗めの背脂が合わさる事でコクとこってり感が加味されたインパクトのある味わい!
特製の唐辛子によって、ピリッとした辛味や豊かな風味でアクセントを付けてくれて、麺の味わいを引き立ててくれます!
100円で「味噌ラーメン変身」の食券を買い足すと、「ラーメン」が「味噌ラーメン」となって出てきます。
味噌の味と風味をしっかりと感じられ、スープのどっしりとした濃厚さと背脂のこってり感が良い感じに合わさり、円やかなコクと旨味をたっぷり感じられます。「ラーメン」よりも強い味付けになっているので、ガツンとパンチがある味が好きな方には特にオススメ!
「最強油麺」は、いわゆる汁なしタイプの油そば。
味付け自体は意外とサラッとして優しい甘味を感じるものですが、たっぷりかけられた粗めの背脂の濃厚な旨味やコク、こってり感も加わって、ジャンクさを楽しめる味わいに仕上がっています!
ご主人は創作意欲も高く、限定メニューや限定トッピングなども時々提供しています。
「横浜家系ラーメン」は、青梅移転オープン当初に提供していたメニューで現在は販売していませんが、家系的な感じではあるけれど家系とは違った、「男盛」のオリジナリティをふんだんに感じる事の出来る面白い一杯でした。
人気が高く、時々提供される「マー油」トッピング。
芳ばしい焦がしニンニクの風味を楽しめ、ビター感をやや強めに効かせた黒マー油は、こってりスープとの相性が抜群に良く、食欲が掻き立てられて一気に食べてしまう惹きの強い一杯になります!
過去に何度か提供している「背アブラ豚骨魚介ラーメン」は、一般的な濃厚豚骨魚介とは全く違ったもので、お馴染みの濃厚な豚骨スープに節系の風味が然り気なく加味され、仕上げに振りかけられた魚粉によってガツンとした風味を楽しめる感じのもの。あくまでも主役は「背脂豚骨醤油」で、そこに魚介テイストのアクセントが加わった一杯でした!
今年の2月頃、期間限定のテイクアウト用メニューとして開発された「背油ソース焼きそば」は、当時店内で食べることも出来ました。オーソドックスな焼きそばの味わいをベースに、麺の甘味を感じられる極太麺と背脂の旨味が合わさる事によって「男盛」らしさを出した特徴的な一皿でした!
閉店してしまった新狭山「博多麺」の「博多長浜ラーメン」も、期間限定で復活しました!
この豚骨スープに惚れ込んでしまった私は、短い期間の限定でしたが2回も食べに行ってしまいました。
「新型コロナウイルスをキッカケにテイクアウトなど、飲食店のあり方が変わりつつありますが、やはり店内で出来立てを食べてもらいたい」というのがご主人の素直な気持ちで、「そのために、しっかりとした感染予防対策を取り、お客様にも理解していただき、安心して食べられるお店にしていきたいです」と、今後の抱負を語ってくれました。
実際に早い段階からマスク着用の徹底、席間を広く取りパーティションを立てて換気もしっかり、各種キャッシュレス決済にも対応しているので余計な所に手を触れる事もないなど、万全のコロナ対策をされているので安心して食べに行くことが出来ます。
このコロナ禍が落ち着き、先が見えたら支店を増やす事などを考えていきたいという気持ちもあるそうなので、今後も楽しみですね!
「らーめん 男盛」は、単にボリュームがあるだけでなく、本場博多豚骨ばりの濃厚な豚骨スープを楽しめる“スープが主役”のガッツリ系ラーメンで、二郎系初心者でも安心して美味しく食べられるオススメのお店です!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッターをご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
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