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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第50回

「ごろごろチキンのバターチキンカレー」復活です:

松屋のバターチキンが本場っぽくないとしてもそれはそれで十分なのだ

2021年07月08日 17時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「ごろごろチキンのバターチキンカレー」
松屋
690円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/210706.html

人気のバターチキンが再来

 バターチキンカレーというのは、残り物の鶏肉をバターやトマトグレイビーソースなどと混ぜることで生まれたそうで、いうなれば「残り物アレンジ」的なカレーだそうです。現地では「ムルグマカニ」と呼ぶそうですね。

 そんなカレーですが、日本の「インドカレー店」では定番のメニュー。バターチキンを注文して、店員さんに「バタチキ?」と注文を確認された方も多いでしょう。

 そんなバターチキン、日本の牛丼チェーンの中でも屈指のカレー好きである松屋が見逃すはずもありません。7月6日から「ごろごろチキンのバターチキンカレー」を発売しております。

 松屋フーズのカレー専門店・マイカリー食堂の人気メニュー「バターチキンカレー」を松屋流にアレンジし、“バタチキ”として毎年の定番となった大ヒット商品です。今年はバター風味をアップさせ、より味わい深く仕上がっているとうたいます。

 価格は690円。持ち帰り可(持ち帰りにみそ汁は付きません)。生野菜セットも用意され、発売を記念し7月20日10時まではライス大盛り無料。

日本で独自の進化を遂げたバターチキン

テイクアウトすると、ますます「バターチキン」感が薄い見た目になります

 毎回発売されるたびに記事を書いているので「またか」と思われるかもしれませんが、松屋のバターチキン、おいしいですよ。これだけでは編集者としてはマイナス100点のコメントなのでもう少し補足します。

 まず、最初に言っておきたいのは、「本場の味!」という感じではないです。ちょっと味は濃いのですが、インド料理のそれではない。主張が強いというのか……抽象的な表現で申し訳ないですが、まろやかというよりは角が立っている、松屋の定食のテイストです。

 その一方で、バターの風味が増したということで、例年に比べて、多少まろやかになった気がしますね。すると不思議なことに、トマトの酸味が逆に際立ってくる。このバランスの取り方は、ごはんが進むというカレーになっているという点で、正解だと思います。

バターの風味が増してトマトの酸味もアップ(したように感じる)

 そして、ごろごろチキンというだけあって、鶏肉が大きい。バターチキンのそれというよりは、いつもの定食のチキンをそのまま放り込んだ感じで、まあ、バターチキンの発祥を考えれば、これはこれで正解といってもいいのかな……。

チキンのサイズも大きいのがうれしい

 いわゆる「本場のバターチキン」ではないかもしれない。まあ、バターチキンといってもレシピはそれぞれですから、安易に「これは本場の味とは違う!」と言い切るのも不誠実かもしれません。かくいう自分も、インドのデリーあたりでカレーを食べたことはないわけですから。

 それはそれとして、バターのコク、トマトの酸味をきちんと感じられるカレーになっています。いわゆる「家庭の味」ではないし、牛丼チェーンのカレーとしてはめずらしい味わい。そんなカレーが手軽に食べられるところに、松屋のバターチキンの価値があると思います。肉のサイズも大きくてボリューミーですしね。

こういうカレーとしてアリ

 インドカレーの専門店に追いつき追い越す、というよりは、日本で独自の進化を遂げたバターチキン、ということなのでしょう。チェーンで食べられるカレーとしてクオリティーが高い、それで十分ではないかしら……と思うわけです。ちょっと変わったカレーを、しかも手軽に食べたいなら、有力な選択肢になると思います。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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