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MWCのドコモブースを国内で再現! 海外に売り込みたい5Gテクノロジーがズラリ

2021年06月30日 12時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII

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 ドコモは、スペイン・バルセロナで6月28日~7月1日まで開催中のMWC Barcelona 2021にオンライン出展。あわせて東京都内では、プレス向けにオンライン出展の内容が公開されました。

 展示内容は5Gについてがメイン。5Gの特徴である大容量・低遅延・多接続を使った遠隔操作などの実験や、「つまむアンテナ」など通信環境の改善技術についてが展示されています。

山王パークタワーのドコモ本社からMWC Barcelona 2021にオンライン出展

5G×BodySharingを活用した
遠隔カヤックシステム

 まずは5Gを利用した遠隔操作の実験として、カヤックの操縦を体験できるブース。H2L社のユーザーがキャラクター、ロボット、他社の身体とさまざまな感覚を共有できる「BodySharing技術」が使われています。

 ブースにはカヤックのパドル操作ができる装置と、船体の揺れを再現できるシートが用意され、ユーザーはVR HMDを装着します。パドル操作をすると、その情報がカヤック型のリモートロボットへと転送され操縦可能。さらにカヤックからの映像や船体の動きなどが、フィードバックされてくるため、リアルな体験として感じられます。

「BodySharing技術」を使ったバーチャルカヤック操縦システム

左が体験しているユーザーに映し出されている映像で、右がカヤック型のリモートロボット

VR空間に複数人で接続できる
ABALシステム

 同じくVR HMDを使ったソリューションとして展示されていたのが「ABALシステム」。多階層のVR空間に複数人が同時接続可能で、2Dビデオによる外部との通話機能がポイントとなっています。

ABALシステムの概要

複数人が同時に同じVR空間で楽しめる

 展示ブースでは実際に4人の参加者とひとりのガイドが、VR HMDを装着して参加。360度で撮影されたライブ会場の映像や、ショッピングなどが楽しめるようになっていた。実際のエリアは数メートル四方ながら、階層をわけることで、狭い空間でもいろいろなコンテンツを楽しめるようになっています。

ブースで使用されていたVR HMD

5GオープンRANの海外展開

 ドコモは5Gの商用ネットワークで、RAN(無線ネットワーク)のオープン化を実現しています。このオープンRANと、海外通信キャリアへ最適な無線アクセスネットワークをパッケージ化して提供する取り組みとして紹介しています。

オープンRAN導入実績のタイムライン

 親局をソフトウェアによって仮想化したvRAN(仮想無線アクセスネットワーク)にも取り組んでおり、2021年下期からは、海外通信キャリアがvRAN検証環境を海外からも利用できるようになるとのことで、海外キャリアがドコモのオープンRANをより導入しやすい環境が整います。

2021年後半からはvRAN検証環境を海外からも利用可能に

5Gクロスボーダー基盤を活用した遠隔作業支援

 海外への渡航が厳しい状況の昨今、国際遠隔作業の支援取り組みとして、5Gクロスボーダー基盤を使ったソリューションを展示。専用ネットワークとそれぞれの国での5Gネットワークをつなぐことで、低遅延かつ高品質な映像と音声を使っての遠隔作業ができます。

ドコモの5Gと海外通信キャリアの5Gを専用回線で接続

 ブースではタイとつないで、国際遠隔作業を実演。MR HMDを使って視覚情報を送受信できるだけでなく、リアルタイムで作業手順などを指示するデモが行われました。

左がタイからの映像で、右が展示会場での映像

リアルタイムで遅延泣く遠隔作業ができていた

ローカル5Gとソリューションのグローバル展開(5GEC)

 海外に拠点を持つ企業向けとして、ローカル5Gとソリューションをセットに提供する取り組みも紹介。O-RAN(オープンRAN)を採用することで、世界各国のRUベンダー装置との接続が可能で、国ごとの周波数差異を吸収できるのがポイントです。

すでに国内ではファナックや日立などで実証実験が行なわれている

5G evolution & 6Gに向けて

 通信環境の改善技術の展示は、「5G evolution & 6Gに向けて」というブースにまとめられており、高高度を自動で飛行する無人飛行機基地局「HAPS」や、窓面に到達した電波を集約して、約200倍程度まで増幅し屋内エリアの拡大に活用できる「メタサーフェスレンズ」などを紹介しています。

無人飛行基地局HAPSを使ったエリア展開

窓ガラスを使って電波の集約と増幅ができる「メタサーフェスレンズ」

 特にフィーチャーして紹介されていたのが、誘電体導波路を別伝導体でつまむことで、簡単かつ自由に通信エリア化できる「つまむアンテナ」です。

「つまむアンテナ」のデモブースで、右で撮影した映像を左のディスプレーへ無線で配信している

 ブースでは実際に誘電体導波路を使った実験を実施。リアルアイムで撮影した映像を2mほど先の受信機へ60GHz帯の電波で送信。その状態で鉄板を使った電波遮蔽を行うと映像は止まってしまうが、誘電体導波路に別伝導体をセットした洗濯ばさみをセットすると、そこから電波が供給されるため、映像が再生されるというもの。

鉄の電波遮蔽板で閉じると、左のディスプレーの映像が止まる

別伝導体のついた洗濯ばさみをさすと、そこから電波が吹き、映像が再び流れるようになった

 5Gで使われる高周波数帯は、ちょっとした障害物があっても電波が遮断されてしまうので、この「つまむアンテナ」を使うことで、状況にあわせたエリア整備ができるわけです。

 これらの展示は下記URLより一般にも公開されているので、興味のある人はチェックしてみましょう!

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