クリエイティブ以外の用途でも十分活用できるスペック

第11世代Core+Iris Xe搭載! 画像処理も動画処理もサクサク快適な14型モバイルノートPC「DAIV 4P」

文●周防克弥 編集●市川/ASCII

提供: マウスコンピューター

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

快適な画像処理が可能! Intel Iris Xe グラフィックスでもバッチリOK

 ベンチマークテストの結果を見ると、グラフィックがやはりネックになっているのがわかる。内蔵グラフィックを使用しているため、ある程度の制限はかかってしまうのは仕方がないが、意外にいろいろできそうというのが素直な感想だ。そこで、実際にクリエイティブ系の作業を行ない、実用性を確認してみようと思う。

 実作業を行なうアプリは「Adobe Photoshop Lightroom Classic(バージョン10.3)」、「Adobe Photoshop(バージョン22.4.2)」、「Adobe Premiere Pro(バージョン15.2.0)」の3つだ。これらのソフトは筆者が常用的に使用しているものだ。普段の作業に近い作業を実際に行ない、(若干主観も混ざるが)使用感をチェックする。

●Photoshop Lightroom Classic

 まずは、デジタルカメラユーザーなら知らない人はいないであろう、Photoshop Lightroom Classicから。こちらは定番中の定番というべき現像ソフトで、デジタルカメラで撮影したRAWデータの画像変換、撮影した画像データの整理・セレクト、補正や修正が可能だ。今回は2400万画素のデジタルカメラで撮影した500枚のRAWデータを、PSD(16bit)形式とJPEG(最高画質)形式で書き出すのに必要な時間の測定と、補正作業の様子をチェックしてみた。

 画像書き出し時には一切の補正を加えず、撮影したままの状態で書き出しを行なっている。実際にあれこれ手を加えると処理時間はもっとかかると思うので、参考までにしてほしい。ちなみに、書き出す元ファイルのRAWデータ500枚の総容量は約13GB。今回書き出したPSD(16bit)形式のファイル1枚は約140MBで、500枚の総容量は67GB。JPEG(最高画質)形式のファイル1枚は約9~20MB程度で、500枚の総容量は約6.4GBになる。

 計測した結果、PSD(16bit)形式への書き出し時間は約7分5秒、JPEG(最高画質)形式への書き出し時間は約7分15秒だった。これは1~2世代前のモバイルCore i7のハイエンドクラスの性能と同等か、ちょっと速いくらいだ。書き出し時にGPUの補助は入らないので、単純にCPUの性能が高いということだろう。

CPUの使用率は100%に張り付いているが、クロックは3.50GHzくらいまでしか上昇しない

 続いて、Lightroom Classicでの作業中の様子もチェックした。書き出しにGPUはあまり使用しないが、補正や修正作業ではプレビュー作成にGPUの機能を利用する項目もある。シャープネス処理の負荷を見ると主にCPUが処理を行なっているのが確認できる。シャープネス処理中は画面の一部を拡大しながら適用量を調整するが、画面内で動きがあるのはシャープネスのかかり具合が変化するだけで大きな画面書き換えはない。

 GPUへの負荷は低めと思われていたが、それでもシャープネスのかかり具合の書き換えだけでも10%近く動作しているので、プレビュー表示作成にはGPUの機能を利用している可能性もある。

シャープネス処理の負荷をチェック。タスクマネージャーを見ると、CPUが処理を行なっていることがわかる

 画像を拡大して細部のチェックを行なう作業は、プロカメラマンにとって日常茶飯事。ほぼすべての画像を100%以上に拡大表示し、画面内を隈なくチェックするが、拡大表示のスクロールではGPUへの負荷が上がる。

補正作業の様子をタスクマネージャーで確認、作業内容次第でCPUとGPUの負荷に差がでる

 Lightroom Classicでの作業のほとんどがこの拡大表示でのチェックといってよく、性能が微妙だった場合は作業効率が極端に悪くなってしまう。何でもいいから内蔵グラフィックというわけではなく、場合によってはディスクリートGPUがほしいと思う瞬間もなくはない。

 ところが、DAIV 4PのIntel Iris Xe グラフィクスではそんな感じにはならず、内蔵グラフィックで処理をしていると意識しないで作業ができた。これならディスクリートGPUなくてもいいんじゃないかと思えるほどだった。

●Photoshop

 次はPhotoshopをチェック。これも知らない人はいないと思えるほど定番の画像編集ソフトだ。RAWデータからの画像書き出しもできるが、基本的にはレタッチや補正がメイン。Photoshopの場合、GPUの機能は一部のフィルターでプレビュー作成時に利用する程度で、あまり負荷は高くない。

チルトシフトは後処理で背景ぼかしを作ったり効果を大きくしたりできる機能で、プレビュー作成ではGPUが大きく影響する。ボケ具合を変えるだけでもGPUの負荷は高くなる反面、処理は高速だ

画面の書き換え時には、当然ながらGPU負荷が上がる

 フィルターや補正、変形などは適用量を細かく調整し、その効果を確認しつつ作業を進めていく。プレビュー確認時に重要なのが画面の書き換え速度と反映速度だ。このあたりはGPUの効果が大きく、性能の良いディスクリートGPUがほしくなる原因でもある。以前のIntel UHD グラフィックスでは作業の支障が出るほどではないにしろ、若干の書き換えの遅さが気になることが多かった。だが、Intel Iris Xe グラフィックスではほぼ気にならずに作業が可能であった。

 ゲームベンチでも感じたことだが、モバイルノートパソコンでよく採用されているGeForce MX250や350よりも処理速度は速く感じる。作業内容次第ではあるものの、Intel Iris Xe グラフィックスでも十分イケそうだ。