ゾーホージャパンは6月29日、東京と大阪の2ヵ所に自社データセンターを開設し、国内ビジネスを強化すると発表した。国内データセンターでのデータ保管を強く求める金融機関や政府機関、地方自治体などのセキュリティー要件に対応し、企業・組織向けのクラウドソフトウェア「Zohoソリューション」、IT運用管理ソフトウェア「ManageEngineソリューション(クラウド版)」の日本でのさらなる拡販を図る。
ビジネスだけでなく人々の生活にまでデジタル技術の活用が浸透してきた一方で、個人情報の取扱いやデータ漏洩の問題が深刻化し、さらには政府によるセキュリティー評価制度の策定もあり、デジタル化によって活用されるデータがどこに保管され、どのように管理されているのかに注目が集まっている。
同社はプライバシー保護を最優先にサービスを提供してきており、トラッキングサービスをはじめとした第三者がZohoおよびManageEngineサービスの利用行動をモニタリングすることを許容せず、いかなる方法でもユーザーのデータを外部に渡さないことをプライバシーへの取り組みとして掲げてきた。
ManageEngineソリューションでは、オンプレミス版を含めると既に68%の都道府県自治体での導入実績があり、官公庁や金融機関でも多数導入されている。今後は、ZohoソリューションおよびManageEngineソリューション(クラウド版)についても要望に応える必要があるとして、日本国内に新規データセンターを開設することを決定した。
日本にデータセンターを開設することで、個人情報保護法に配慮し、データを国内で保管・管理するという要件に対応するだけでなく、レイテンシー(遅延)を最小限に抑え、より高品質なサービスを提供することが可能としている。また、東京と大阪に拠点を分散することにより、自然災害時のBCP(事業継続計画)を考慮した運用にも対応する。
多くの企業・組織は、各サービスを個別に契約するのではなく、運用管理の面からも幅広いポートフォリオを持つ単一のベンダーいわゆるワンストップ型を好む傾向があるという。また、新型コロナウイルスの拡大により、クラウドのようなデジタル技術の導入がさらに加速された。同社は、今後も企業規模を問わず幅広いユーザーに、多様なクラウド・ソフトウェア・ポートフォリオを提供していくとしている。