ディスプレーを使用する際、通常は50~60㎝ほど離れて全体を観るが、細部を確認する際は約25~30cmまで近づくため、両方で使いやすい32V型とした。2枚重ねなどはせず単一パネルで解像度7680×4320画素を実現。画素ピッチは約280ppiあり、印刷物(300dpi程度)を手元でみても画素が見えないのと同様に高精細だ。バックライトは直下型LEDでエリア数は非公開だがエリア制御する。ピーク輝度は1000cd/m2、全白で800cd/m2。コントラスト比は最大100万:1(ダイナミック拡張モード2または3)、1300:1(モード1の場合)。HDRはHLG方式(10bit)とPQ方式(12bit)の2種類に対応し、放送とネット配信両方のHDR規格に対応できる。
Rec.2020カバー率85%/Aodbe RGBカバー率100%と同カテゴリーでは最高水準。カラーモードはBT.2100(HLG)、同PQなど8種類を切り替えられる。パネル表面にはグレア処理を施しているが、理由としてノングレア処理で表面を拡散させるとハレーションなどの影響が出やすいためだという。
キャリブレーション用に搭載した「Sharp Advanced UCCT」技術はデジタルサイネージなど、マルチディスプレーの商品開発で培った技術だ。複数枚の画面を並べて大画面にした場合でも、色や輝度の変化やバラつきをなくせる。RGBの入力信号に対する表示特性を細かいエリアで測定し、色度・輝度のハイブリッド補正をする。ドット・バイ・ドットの補正に加えて、エリア補正で均一化を図る。ハードウェアキャリブレーションにも対応。Windows用の「SHARP Display Calibration Utility」を使って現在の表示特性や、経年劣化による輝度や色合いのズレを補正できる。
映像編集時には輝度クリッピングの確認機能が便利だ。OSDメニューで呼び出すと、映像内で白とびしている部分を示す。色域外警告は従来のディスプレーでは色再現できない部分をグレー表示できる。撮影時にはピントの合っている場所を強調し、意図した場所にピントが合っているかを確認できるピーキング機能が使える。フォルスカラーは輝度レベルごとに異なる色で映像を表示し、HDR映像の輝度レベルやSDR映像の露出レベルが適切かどうかを確認できる。ほかにも、マーカーを使って映像のセンターや4:3などの有効エリアが分かったり、モノクロ映像や青信号のみ(ブルーオンリー)の映像を表示し、ノイズ成分の確認に利用できる機能を持つ。
接続はHDMI 2.1の場合ケーブル1本、HDMI 2.0の場合は4本のケーブルが必要。それぞれに合わせた入力端子を持つ。ほかに4K用のHDMI入力が1系統、DisplayPortが1系統。本体サイズは幅751×奥行き260×高さ540mm(スタンド有、概算値)で、重量は約19.2kg。
シャープでは既存のB2B関連の商流に加え、個人向け販売も検討。また、グループのDynabookと連携してGPUボックスなどと組み合わせたソリューション提案も進めていく考え。