シャープは6月8日、カラーマネージメント機能を持つ32V型8Kディスプレー「8M-B32C1」を発表した。価格はオープンプライス。予想実売価格は190万円台後半(税別)。発売は6月下旬を予定している。当初月産台数は150台。
HDRと8Kの両方に対応したカラーマネージメントディスプレーは業界初とする。従来の8Kテレビ(ディスプレー)はコンテンツの視聴を主目的としているのに対し、8K映像の制作をターゲットにした製品となる。詳細は公表されていないが、国産パネルを使用。シャープはこれまでデジタルサイネージや電子黒板といった法人向けのディスプレイ事業とテレビ事業部が別個に分かれていたが、組織的にも一体化し、それぞれの技術やノウハウを持ち寄った製品ができたとする。
市場では昨年7月に8K撮影やHDRに対応したフルサイズミラーレスが登場した。クリエイター向けのディスプレーとしては27~34型モデルが主流で高解像度化・高画質化、高付加価値化が訴求されているが、解像度は4Kになっている。一方、8K映像の制作では解像度だけでなく、輝度/コントラスト比の高さも求められる。こういった背景を踏まえて開発した製品だ。市場では2枚の4Kパネルを重ねたマスターモニターなども存在するが、1枚パネルで実現した製品である点も特徴だ。
カラーマネージメントディスプレーに求められる機能としてシャープは、(1)細やかな階調表示、(2)正しい色域の表示、(3)色むらや輝度むらがないこと、(4)一定の表示品質を保てることを挙げている。これらを踏まえつつ、高精細な写真の撮影/編集、デザイン/印刷、動画撮影/編集、教育/研究などの用途に使える製品として仕様を決めた。