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AI天気で性能をチェック、エアフロー効率が高く安定動作

Ubuntu 18.04を採用しXeonとRTX 3090搭載、ディープラーニングに最適なPC「DEEP-TXAB-XW21-XAX」を試す!

2021年06月08日 11時00分更新

文● 株式会社Spectee CDO 岩井清彦 編集●八尋/ASCII

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Ubuntu 18.04採用

 ソフトウェアについて紹介していこう。DEEP-TXAB-XW21-XAXは、OSにUbuntuという有名なディストリビューションのLinuxがデフォルトで採用されている。Ubuntuは、Debian系のディストリビューションであるため、事例も豊富で、日本語の情報も豊富なため安心できる。また、基本的にはOSも日本語化されているので、戸惑うことも少ない。

 Ubuntuはパッケージシステムにaptを採用しており、aptは非常に豊富なソフトウェア資産があるので、ディープラーニング以外の用途のソフトウェアも簡単に導入できる。

 プリインストールされているOSはUbuntu 18.04だった。現在の最新バージョンは21.04が出たばかりで、長期サポートがあるOSとしては1つ前のものとなる。18.04は、通常で2023年まで、長期サポート契約で2028年まで、セキュリティーパッチなどのサポートがある。

 ここで少しなぜOSがLinuxであるかを説明しておこう。Windowsは一般的なOSであるため、主に見た目の機能が豊富である。マルチタスク機能もGUIに最適化されており、その機能にCPUやGPUの計算リソースを多用している。そして、開発環境であったり、Pythonなどの各種言語のコンパイラやインタープリターがデフォルトではインストールされていないため、それをインストールしたりする手間が多い。

 また、Windowsサーバーもあるが、一般的に使用されているWebサーバーとも親和性が高くないため、Web APIなどを作成しにくいというのが理由としてある。もちろん、Windowsは有償OSであるため、価格優位性を考慮してとの理由もあるだろう。

複雑な設定なしで最新の開発環境が使える「NGC (NVIDIA GPU Cloud)」にも対応

 そして、特筆すべき点としては、Docker(NVIDIA-Docker)およびCUDAコアがすでにプリインストールされていることだ。Dockerはあらゆる環境の仮想化を実現するソフトウェアで、PCの環境を汚さずにすみ、かつ、ネイティブの速度が出せる優れた環境である。

 NVIDIA-Dockerは、NVIDIA製のGPUをDocker仮想環境から直接使用できるDockerだ。CUDAはNVIDIAのGPUを計算リソースとして使用するためのミドルウエアで、ディープラーニングには必須のソフトウェアだ。CUDAは11.1がプリインストールされていた。ディープラーニング環境を構築するのは少々面倒なので、これらがすでにプリインストールされているのは、開発環境を構築しなくてもいいのでとてもうれしい。

「ailia AI showcase」をバンドル

 そのほか、「ailia AI showcase」というソフトウェアがバンドルされているとのこと。特筆すべき点としては、Unityとの連携が可能ということだろう。しかし、時間の関係上、こちらのレビューは割愛させていただく。もし別の機会にレビューをすることができるのであれば、このSDKを使い、簡単なディープラーニングモデルも作ってみたいところだ。

 では、実際に軽く使ってみた使用感を紹介する。今回試したのは、一昨年少し話題となった、AI天気。AI天気は、お天気カメラに写っている人の服装を半袖か長袖かなどを判定し、その日の気温状態をお伝えするものだ。これも主に、ディープラーニングのオブジェクト認識で行なっており、その準備や解析、ラーニングなどで多くの計算リソースを使う。

AI天気実行中のコマンドライン

解析結果

 こういった作業は、計算リソースを多く使うディープラーニングを多用するため、GPUがどうしても必要になる。DEEP-TXAB-XW21-XAXは、RTX3090が搭載されているため、計算が遅くなり待ち時間が長くなることもなく、快適に使用できる。そして、もう1つ特筆すべき点としてあるのが、メインメモリーが32Gも搭載されていることだ。これにより、スワップの発生がほぼなくなり、全てのプロセスがオンメモリーで動作するため、超高速に作業ができる。

 上述のAI天気処理を試してみたが、快適に解析を行なってくれた。しかも驚いたことに、GeForceの温度がそれほどあがらないのだ。おそらく、エアフローがとてもいいため、温度があがりにくいのだと思われる。

ディープラーニング実行時の温度

 ただし、マルチモーダルなどのディープラーニングではメモリーは32GBだと足りないと思われるので、この点については強化したほうがいいかもしれない。また、BERTといったとくに大きいネットワークでGPUメモリーを大量に使うディープラーニングについては、より高い性能のGPUが必要となるだろう。

 なお、DEEP-TXAB-XW21-XAXにはデフォルトOSのリカバリーメディアとしてUSBメモリーが付属している。Windowsであればリカバリーメディアやメディアを自分で作成するツールが付属し、自分でリカバリーメディアを作るなどが一般的だ。しかし、Linuxについては、こういったリカバリーメディアが付属しているマシンを少なくとも私はほかで見たことがない。

 しかしこれはとてもうれしい。なぜかというと、開発マシンとして使用する場合は、とくに、ソフトウェア環境が汚れてしまい、動作させることができなかったり、必要なソフトウェアをインストールできなくなったりしてしまうということがよくあり、その度にOSの再セットアップから行ない、必要なソフトウェアを順次入れていくのはとても面倒で時間のかかる作業だからだ。

 これらの時間を短縮し、最低限ディープラーニングが動作する環境を、リカバリーメディアで復旧する手段が用意されているのは、開発者の心理としてはとても大きい。

 まとめると、DEEP-TXAB-XW21-XAXでは以下のようになる。

快適にできること
普段の事務作業
scikit-learnなどを使用した解析処理
OpenCVなどを使った画像処理
画像処理ソフトを使った重い画像処理
一般的なディープラーニング
3Dレンダリング
GPUを多用するビデオエンコード処理

工夫でしだいでできること(メモリーを強化)
メモリーを多く消費するマルチモーダルなどのディープラーニング

できないこと
BERTのようにのとくに大きいネットワークで、GPUメモリーを大量に使うディープラーニング

 一部のAI研究では上位のTeslaを使う必要があるだろうが、AI案件の7~8割はこのマシンで十分にカバーできる。DEEP-TXAB-XW21-XAXは非常にパフォーマンスが高く、コストを抑えられるマシンであると感じた。

 ディープラーニングをこれからやろうとしている、あるいは開発マシンとして、通常のディープラーニング実行マシンとしてうってつけだろう。

(提供:ユニットコム)

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