0歳児と4歳児の保護者をしています盛田諒ですこんにちは。子どもの口ぐせが「YouTube見たい」になりつつあり心配な昨今ですが、最近の調査結果を見ると「4歳児にタブレットなんて与えた日にゃ動画漬けになるんじゃねーか」という心配は徐々に過去のものになりつつあるようです。
●子どもが興味を持っているものがわかる
アマゾンは5月26日、20〜40代の親600人を対象とした「子どものデジタルデバイス利用と子育てに関する調査」の結果を発表。未就学児の保護者の7割近くが「もともと子どもにデジタルデバイスを渡すことは懐疑的だったが、渡すと良い気づきがあった」と回答しているそうです。
良い気づきとは何か。Amazonデバイス事業本部 Fire タブレット・Kindle・アクセサリー事業部の清水 文弥事業部長によれば「学ぶときの集中力とか、飽きずに使い続けられるといったこと。あとは子どもたちが自ら新しい発見をする、興味が広がっていくというところもありました」。
アマゾンが2年前から国内展開しているFireタブレットキッズモデルは、子どもが自ら発見する力を養うことが目的の1つだったということ。具体的にはサブスクリプションサービス「Amazon Kids+」の中で、プログラミング関連のコンテンツを充実させたり、スポーツに興味をもつ子どものために野球関連の書籍を充実させ、子どもの興味を深堀りできるようにしてきたそうです。
調査の中で、ある未就学児の保護者は「深海に興味を持つようになり、自分で色々検索したりして知識を深めていった。深海図鑑なども買って本も読むようになったし、魚や蟹の絵を描くようになった」と回答していました。タブレットが興味の入り口になったことがうかがえます。
Amazon Kids+はもともと子どもにタブレットを渡すとき何をさせればいいのかわからないという保護者のため設計されているところがあるサービス。子どもに有害ではないコンテンツを集め、ペアレンタルコントロールで有害なサイトにつながることもなし。アマゾンと保護者が作った子どもが安全に遊べる庭のような環境の中、子どもが「冒険」するという作りになっています。
そしてその中では、子どもだけではなく親も「発見」があると言います。
「子どもが何に興味があるのかを探させながら、子どもは何が好きなのかということを保護者自身が発見する。そんなお手伝いができるんじゃないかと」(清水事業部長)
●GIGAスクール構想でタブレットに動き
調査では、親が子どもにタブレットを渡すことに積極的になっているようにも見えます。調査によれば、子どもに渡しているデバイスを「タブレット」と回答した人は32.7%。「ゲーム機」の31.9%より高く、2019年の20.8%よりも10ポイント以上高い数字になっているそうです。
COVID-19で外に出づらい中、家で遊べるおもちゃとしてのタブレットを子どもに与えたいという需要に加えて、背景にあるのはGIGAスクール構想。
文科省調査によれば、今年度内に生徒一人一台端末の整備をする自治体は99%に達する予定。小学校でプログラミングが必修化されるなど、子どもたちがデジタルにふれる機会が増えています。しかし自宅では、デジタルデバイスに夢中になるあまり、勉強や他の時間をおろそかにしないよう、子どもに与えても安心できる端末を求める傾向が目立っています。
中日新聞は5月1日、「学校のタブレット『家ではゲーム機』 小中学生配備端末に“抜け道”」という記事を報じていました。プログラミングアプリでほかのユーザーが作ったゲームをひたすらやっているという話です。そこから作る方に興味をもてば教材ですが、興味をもたなければただのゲーム機。どんなタブレットなら与えてよいかということは親の頭を悩ませています。
子ども向けのタブレットとして広く知られているのはベネッセの「チャレンジタッチ」。進研ゼミのタブレット教材で、幼児向けの教育用タブレットとしてはメジャーな存在です。「古くなったiPadを渡しても延々とYouTubeを見てしまうだけ、それならタブレット教材をおもちゃにすればお勉強もできて一石二鳥ね」という親のずるい心をくすぐる設計になっています。
その点、アマゾンのFire HD タブレットキッズモデルは、あくまでもAmazon Kids+を使うという目的のもと、やろうとすればYouTubeもインターネットも見られるという端末。iPadのような一般的タブレットと、チャレンジタッチのようなタブレット教材のちょうど中間にあたるような仕様で、「どちらにも使えて便利ね」と、これもやはり親のずるい心をくすぐる設計になっています。
ちなみにGIGAスクール構想で配布されている端末の多くはChrome OS。今年からAmazon Kids+はChrome OSにも対応し、機種によってはChrome端末で使えるようになっています。今後、自治体によってはAmazon Kids+をインストール可能にする動きも出てくるかもしれません。
●3〜4歳児がタブレットを使うのは当たり前に
2年前、8インチから始まったFireタブレットキッズモデルシリーズは、7インチ、8インチ、11インチへと種類を増やし、今年の新型「Fire HD 10キッズモデル」はメモリ3GBにスペックアップ。2年前はアプリの動きがもっさり重くなる場面もありましたが、新型はそんなストレスも減りそうです。またディスプレーの輝度とコントラストが高まり、より明るい画面になっているので、「よく見えない」と子どもが目を近づけてしまうことも少なくなっていそうです。
タブレットもゲーム機も、あらゆるデバイスが「子どもの教育に使える」と訴える時代。3〜4歳児がタブレットを使うのはもう当たり前の光景になりつつあります。幼児期からタブレットを与えたことで「良い気づき」を得た親と、そうではない親の違いもだんだんと大きくなっていきそうです。
子どもにタブレットをどう渡すか、結局は子どもの性格にあわせて考える話なんだろうと思うのですが、さてうちの4歳児はどうしたもんですかね。Fireタブレット片手に考えてみます。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。4歳児と0歳児の保護者。アスキーキッズで「ほぼほぼ育児」「ベビもの」連載。Facebookでおたより募集中。
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