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NETGEAR製品レビュー

「NETGEAR Insight」で簡単にクラウド管理できる小型でスマートなアクセスポイント

オフィス向けWi-Fi 6&メッシュ対応AP、ネットギア「WAX610」レビュー

2021年04月30日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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 「WAX610」は、ネットギアジャパンが2021年3月に国内発売したビジネス向け無線LANアクセスポイント(AP)だ。Wi-Fi 6(802.11ax)をサポートし、デュアルバンド合計で最大およそ1.8Gbpsの通信スピードをうたう。「NETGEAR Insight」によるクラウド経由でのリモート統合監視/管理や、LANケーブル敷設が難しい場所でのメッシュ接続による設置も可能だ。今回はこのWAX610の実機を入手したので、その特徴を見ていきたい。

ネットギアのAX1800 INSIGHT アプリ&クラウド ワイヤレスアクセスポイント「WAX610」

Wi-Fi 6とメッシュ接続に対応した最新のビジネス向けAP

 WAX610は、Wi-Fi 6対応のシンプルなビジネス向け無線LANアクセスポイントだ。中小規模のオフィスや学校、レストラン、カフェ、病院、ホテルといった設置場所に適する。定価は3万7950円で、公式オンラインストアでは2万7135円で販売されている(いずれも税込、本稿執筆時点の価格)。本体ハードウェアは5年間の無償交換保証が付属する。

 特徴はまず最新のWi-Fi 6規格対応だろう。最大1201+574MbpsのWi-Fiトラフィックに対応し、クライアントの同時接続数やアクセスポイントの高密度配置にも強みを持つ。WAX610の最大接続クライアント台数は200台(推奨接続数は70台)となっている。Wi-Fiセキュリティも最新のWPA3対応だ。

Wi-Fi 6は通信速度の向上だけでなく、より多台数のクライアント接続にも強みを持つ(画像はネットギアのWAX610紹介ビデオより)

 1Gbpsを超えるWi-Fiトラフィックに対応するために、WAX610のLANポートはマルチギガビット(2.5Gbps)対応となっている。マルチギガビットEthernetなので、敷設済みのカテゴリ5e/カテゴリ6ケーブルをそのまま使ってWAX610を設置することができる。マルチギガ対応の「GSM4210P」「MS510TXPP」といったスイッチからのPoE+給電(または別売電源アダプターの利用、消費電力15.3W)で、フルパフォーマンスの通信が可能だ。

 もうひとつの大きな特徴は、クラウド管理サービスのNETGEAR Insightへの対応だ。WAX610には1年間無料のInsightサブスクリプションが付属しており、ほかのInsight対応ネットワーク製品と同様にクラウド経由でのリモート監視/管理ができる。IT管理者にもリモートワークや在宅勤務が求められる現在、コストや手間をかけずにリモートから管理作業ができるのは非常に便利だろう。多数の拠点にあるネットワーク機器の一括監視にも最適だ。

NETGEAR Insightへ登録することで、クラウドを介してどこからでも稼働状況の監視や設定変更が可能になる

 また、メッシュWi-Fi機能であるインスタントメッシュにも対応しており、WAX610どうし、あるいはWAC540やWAC564といった既存モデルと無線バックホールで接続できる。LANケーブルが敷設できない場所でも、無線バックホール接続したWAX610を設置することでWi-Fiエリアを拡大することが可能だ。店舗や倉庫など、ケーブルを新たに敷設するのが難しい環境で活躍しそうだ。

 そのほか、最大8つの無線ネットワーク(SSID)に対応しており、それぞれのトラフィックをVLANで隔離できるため、オフィスのゲストWi-Fiや機密業務向けネットワーク、さらにはIoTデバイス専用ネットワークなどを容易に構築できる。

パワフルながらも「小さい&軽い」本体、Insightへの登録で簡単設置

 それでは実機に触れてみたい。コンパクトな箱を開けると、WAX610本体、マウントブラケット(2種)、天井/壁取り付け用ネジ/アンカー、インストールガイド、オンライン製品登録案内などが同梱されている。PoE+接続が前提となっているため、電源アダプターは別売りだ。

WAX610本体のほか壁/天井取り付け用のネジとマウント、インストールガイドなどが同梱されている

 実機を手にした最初の感想は「とにかく小さい、軽い」だ。本体サイズはおよそ161×161×33mmで、重量は412g。既存のWi-Fi 5(802.11ac)モデル、WAC510はおよそ197×197×37mm、556gなので、WAX610は性能をパワーアップさせつつコンパクト化を果たしている。これだけコンパクトであれば、たとえば店舗やホテルなどで壁や天井に取り付けても、あまり強く存在を主張することはないだろう。

本体は非常にコンパクト。比較のために一般的な長さのボールペンを置いてみた

 なお、WAC510やWAC540といった既存モデルとは異なり、本体裏面が樹脂製カバーではなくメタルカバーとなっている。これは本体をコンパクト化しつつ、Wi-Fi 6の高速なトラフィック処理を行うために放熱を良くする設計だと思われる。

本体裏面はメタルカバーになっている。「高温注意」のシールが貼ってあるが、基本的には壁や天井に取り付けて使用するため触れることはないはずだ

 WAX610はスタンドアロンモードでも動作するが、やはりほとんどの場合はNETGEAR Insightで一括管理するのが便利なはずだ。ほかのモデルと同様に、スマートフォンのInsightアプリで裏面の二次元バーコードをカメラ撮影し、ウィザードに従って設定を進めるだけで登録作業は完了する。ちなみに、Insightへの登録時にはオンライン製品登録も済んでしまうので“一石二鳥”の仕組みである。

スマートフォンアプリからInsightに登録。特に多台数のWAX610を導入する際には、すばやく効率的に登録作業ができて便利だろう

* * *

 Wi-Fi 6は、特に多数のクライアントが同時接続するオフィスや学校、ホテル、公共空間などでの利用に適した規格だ。今後数年間でWi-Fi 6対応クライアントがますます浸透してくることを考えると、現時点でWi-Fi 6対応アクセスポイントを選択、導入しておくのは有益だ。

 WAX610は本体価格がリーズナブルなうえ、マルチギガEthernetやインスタントメッシュへの対応により、ネットワークの再敷設も必要ない点もコストメリットを生むだろう。シンプルなモデルであるがゆえに、さまざまな導入場所で“使い勝手”が良さそうな製品だと感じた。

(提供:ネットギア)

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