今回は、地震が発生した際に地盤が液体状になる現象である「液状化現象」をテーマに、お家でできる実験をご紹介します。この液状化現象が引き起こす被害は、揺れや津波による被害と比べるとあまり知られていないのが現状とされています※1。
今回ご紹介する実験では、ペットボトル、砂、水、マップピンという身近なものを使って液状化現象を何度もお試しいただくことができます。本実験の実践を通して、少しでも子どもたちが防災について触れるきっかけになりますと幸いです。
■自己紹介
科学のお姉さん/Science Entertainerこと五十嵐美樹(@igamiki0319)です。国内外問わず科学実験教室や特技のダンスを活かしたサイエンスショーを開催し、子ども達が科学の一端に触れるきっかけを創っています。
本連載では、商業施設などのオープンな場での科学実験教室やサイエンスショーで、子どもたちからの人気が高かった実験や工作を、お家で簡単にチャレンジしていただけるようようアレンジしご紹介しています。
液状化現象とは?
液状化現象とは、地震によって地面が液体のように振る舞う現象のこと※1。これによって比重の大きい構造物が埋もれたり、倒れたり、地中の比重の小さい構造物(下水管やマンホールなど)が浮き上がったりします。では実際にどのような現象なのか、実験していきましょう。
ペットボトルを使った液状化現象実験
【用意するもの】
・ペットボトル
・珪砂(けいさ)
・マップピン
・水
実験その1. 水でマップピンは浮かび上がるのか?
【実験の手順】
まずは、空のペットボトルに水を1/3程度入れて、その中に複数個のマップピンを入れ、フタをします。そして、そのときのマップピンの様子を観察します。マップピンは、水の中で沈むのか、浮くのか、ペットボトルに衝撃を与えたら何か変化があるのかなどをよく確認します。
今回使用したマップピンは、写真のとおり、水よりも比重が大きく水には浮かないことが確認できました。比重とは、密度(単位体積当たり質量)と、基準となる標準物質の密度との比のことです。ここでは、マップピンと水の密度を実際に比べてみることで、さらに学習を深めたり、自由研究でまとめやすくなったりします。
たとえば、マップピンの密度は、計量カップなどでマップピンを入れる前と後の水位の変化から体積を求め、質量から割れば求めることができます※2。そして、水の密度と比べて、計算したマップピンの密度の方が本当に大きくなるのかを調べることができます。
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