モーション機能はとても静か
モーション機能の使用感は想像以上に快適だ。回転動作がとにかく静かなので抵抗感なく使える。動画や音楽コンテンツを再生中でも、ディスプレイの上部前後に合わせて4基を内蔵するマイクがユーザーの呼びかけに鋭く反応する。筆者が試した限りでは反応の速さ、画面の向きの正確さにも不満はない。正しい動作ができたかどうか、デバイスの方からユーザーに時折フィードバックを求めてくる。答えを返しながらチューニングを繰り返せば、次第にもっと精度も上がるのだろう。
ブラシレスモーターの搭載により、350度水平方向へ静かにターンする。
Echo Show 10のディスプレイが回転する範囲であることを忘れて、近くに他のデバイスやモノをうっかり置き忘れてしまうこともあるだろう。本体に内蔵するセンサーが反応して回転を止めてくれる機能を搭載しているが、軽いガラスのコップなどはデバイスの力が勝って押しのけてしまうこともある。なるべく周囲にスペースを確保できる場所に本機を設置することをおすすめしたい。
モーション機能の回転範囲に障害物があった場合はディスプレイが一時停止してアラートを画面に表示する。
内蔵カメラで人物の動きを追いかける
モーション機能は声に反応するだけでなく、内蔵カメラも使ってユーザーの位置を判定する。カメラで「人」を見分ける際には形や色など複数のデータポイントをキャプチャ、変換した情報を参照するそうだ。
二人のユーザーが交互に呼びかけても、モーション機能は声の聞こえる方向を正確に把握した。カメラが複数の人物を捉えた場合、手前側にいる人物にフォーカスを合わせるという。部屋の明るさが少し落ちると、カメラには暗視機能や赤外線を使ったフォーカス合わせの機能などがないため、モーション機能の精度がやや落ちることがあった。
カメラが捉えた人物の画像など、モーション機能に関連するデータはすべてEcho Show 10の端末上でのみ処理・保存される。アマゾンのサーバーに送信・保存することはないという。モーション機能やカメラを使いたくない場合はそれぞれデバイスで設定をオフにもできる。
Echo Show 10にはスマホのAlexaアプリを使ってデバイスの内蔵カメラにアクセスして、遠隔地から家族が不在の自宅を見守ることができる機能がある。防犯のため、あるいはペットを見守るためなどに役立ちそうな機能だが、ひとつ気になる点があるとすれば、ディスプレイの上下方向の角度変更が手動でしかできないことだろうか。カメラには広角レンズが搭載されているため、十分広い範囲が写せるのだが、次期製品でもし可能ならば上下方向の角度変更も遠隔操作できるようにしたい。