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各支部が抱える課題、生き残りのために積み上げてきた工夫がわかる!

コロナ禍でターニングポイントを迎えた地方支部を活性化させるには?

2021年04月20日 07時00分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ

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コアメンバー育成はどの支部でも共通の課題、学生支部や初心者支部が入口になり得るか?

平野:そもそも勉強会コミュニティに参加するカルチャーの温度差が、地方と東京では大きく違います「勉強会に参加します」「行っておいで」って会社で言えるような空気感がありません。地方エンジニア、企業にカルチャーを浸透させたいです。どうすればできるのかわからないけど、どうにかしたいと思っています。

松田:会社内で理解を得らえないと浮いちゃうんですよね。風土の問題ってことは、地域色もあるかもしれません。

加藤:金沢でも同じ課題を抱えてますね。都会にはそういう文化があるけど地方にはない、これは何の違いによるものでしょうか。

地方では、勉強会に参加するカルチャー自体が育っていない?

松田:もしかしたら、地域にひもづかない学生支部には答があるかもしれません。外舘さんどうですか。

外舘::学生支部も同じような悩みを抱えています。JAWS-UGや技術系のコミュニティに対する認知度が、社会人よりも低いんです。学生にどうやってJAWS-UGを知ってもらうのかが課題ですね。コアメンバーの人数保つことが難しいというのも、似ています。

私もこの春に卒業するのですが、社会人になるとともに支部を卒業していくので入れ替わりが激しいです。コアメンバーを継続してやってもらえないので、新規メンバーを育てるのが大変です。

メンバーの入れ替わりの激しさに悩む学生支部、しかしメンバー固定化よりいいという意見も

松田:定期的にメンバーが替わっていくのは、学生支部特有の課題ですね。

加藤:でも、いいことだと思いますよ。逆に僕らはメンバーが固定されちゃって、10年同じことやってたりしますから。それなら新しい人が入る方がいいですよね。

平野:地方支部ってメンバーが入れ替わらずに、平均年齢が上がっていくんですよね。どんどん新しい人にトライしてもらいたいので、学生支部がうまく回るよう応援します。

加藤:学生支部を卒業したら、就職先の地方のJAWS-UGに入るっていう、学生支部から地方支部に人を送り込むようなつながりができると嬉しいですね。

松田:確かに、学生支部や初心者支部から地域支部に移ってきてくれると嬉しいです。

平野:学生にぜひJAWS-UGに入ってもらいたいって思うのは、社会人と接点ができて、就職前に社会人の裏側を聞けるっていうこともあります。表から見てもわからなかったけど、あの会社の中はこうなんだなとか。小さくてよく知らなかった会社だけど、こういう魅力があるんだなとか。私が学生のときにそういう接点があったら、もっと違う人生を歩んでいたかなって思うんです。そういう点もアピールして集めてもらいたいですね。

松田:さてここでアンケートです。オフラインイベントとオンラインイベント、どっちがいいですか?

加藤:それをオンラインイベントで聞いちゃうんですか(笑)

松田:アンケート結果は……半数以上が「どっちも良い」ですね。4名の方、今日が初めてのイベントとのこと。

加藤:初めてのイベントがJAWS DAYS 2021って、レベル高いね!

話が盛り上がりすぎてタイムオーバー、続きは各地方支部を訪ねてでも聞きたい!

松田:では次に、海外UGの取り組みの紹介をさせていただきたいと思います。re:Invent 2020で、GLOBAL AWS USERGROUP LEADERS WORKSHOPというのが開催されました。英語はまったくしゃべれないけど、怖い物見たさで参加してみました。Chimeで行われたワークショップで、実際に出ていた話題を紹介します。

「どうやってスポンサーを見つけるか?」という質問に対しては、「スポンサーを見つけるのは難しい」がみんなの答えでした。日本だけじゃないんだなと。

「どうやって告知しているか?」というお題では、告知はLinkedInやFacebookなどのSNS、メーリングリストなどを活用すると。ほかのコミュニティとのコラボイベントも重視しているようです。オンラインに振っていくと、地元の交流会の告知は難しくなるようですね。

この辺りについて、AWS Community Day Kanazawaの経験を加藤さんからお話しいただけますか?

加藤:AWS Community Day Kanazawaのときはスポンサーを見つけるために、どういう協力をしてくれたらどういう見返りがあるか、ということをちゃんとまとめて、企業を1社1社回って説いていきました。AWSを使ってキラキラした仕事をやっている会社は都会にしかないと思われています。でもこういうイベントに協賛してスポンサーセッションで登壇してもらえば、地方でもちゃんとAWSやってる会社があるんだと、学生やエンジニアに知ってもらえます。

実はAWS使ってるんだよって会社は、リクルーティングにつながるし、社名を出すことができるのはいいねってことでスポンサーになってくれました。宣伝の方法については、勉強会を開催するのはほぼ公営施設なので、そこにチラシを置いてもらったりですね。AWS Community Day Kanazawa以外のイベントではFacebook、Twitterに公式アカウントを作ってオンラインメディアを活用しています。

小倉:石川県の企業だけをスポンサーにしたんですか?

加藤:そんなことはありません。お願いしたのは石川だけじゃなくて、隣県の福井やさらに隣の長野からも、登壇スポンサーとして来てもらったりしました。

小倉:東京の会社はどうでした?

加藤:それが難しいところでして。本当はそういった方々にも登壇してもらいたかったのですが、知り合いがいるところ以外、東京の企業へのリーチは難しいです。あくまでも金沢中心にやっていることを打ち出した方が地方の人が来るかなという考えもあり、そちらを打ち出しました。

スポンサー探しは地域を越えて、海外でも課題として挙げられていた

小倉:JAWS FESTA SAPPOROはもう5回目か6回目のJAWS FESTAだったのでメジャーなイベントに育っていて、募集開始からすぐにスポンサー応募がいっぱいきて逆に困ったくらいです。できるだけ地元企業にスポンサーになってもらいたいという気持ちもあって、地元企業は安い金額で協賛できるよう配慮しました。

加藤:FESTAっていう看板が大きいと。ということは、全国規模になるまで諦めずにやっていくってことが大事なのかもしれませんね。AWS Community Dayは第1回でしたから。

平野:JAWS FESTA FUKUOKAも、全国からの応募ですぐにスポンサー枠は埋まりました。同じ事を大分でやったら大変だろうなと思いましたね。小倉さんの言うように地方枠と東京枠を分けて、大きいお金は東京に出してもらって、もう一方で地方の企業もスポンサーになりやすい仕組みをつくるというのはいい案だと思います。

松田:では次に「多様で包括的なUGの構築」という話題にうつりたいと思います。海外では多彩な人にリーチしたいという話があって、学生や障害のある方々、子どもを持つ親にもリーチしたい、より身近なものにするにはどうすべきかという話もありました。大学と連携も大きな話題でしたし、コーディングする女性を呼びたいという意見も出ていました。ということでここは外舘さん、ご意見をいただけたらなと。

画面外から:あと2分です。

松田:えっ!外舘さん、巻きでお願いします。

外館:大学との連携はひとつの手だと思います。ただ、学生支部ではそれをやったことがありません。大学側は外部コミュニティの告知や勧誘を好ましく思っていなくて、支援してもらえないんです。メーリングリストで流してもらったりすることもできません。できることは、知り合いに地道に声をかけることくらいです。

松田:地元はクチコミがすべてという印象がありますが、学生も同じなんですね。支部活動をどうやって継続するかというのはどの支部でも課題ですね。

小倉:定期開催し続けることと、支部や運営メンバーのファンを増やして、この人が登壇するから行きたいって思ってもらうことが大切なのかなと思います。オンラインでも地元の人に登壇してもらうこと。地元の人が登壇すれば地元の人が使っているとわかるので、それがいいのかなと。

松田:といったところですみません、時間がここまでになってしまいました! 続きはAsk the speakerや懇親会で!

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