トラッキングを許可しなくても
アプリは不自由なく使えるのか?
ユーザーとしては端末の機能やサービスを快適に利用するために、トラッキング設定をどのように選択すれば「正解」なのかが気になるところかもしれない。例えばトラッキングを許可しないと、一部使えなくなるアプリの機能やサービスが発生することはないのだろうか。この点についてアップルは独自の「App Store Reviewガイドライン」の中で、「Appにトラッキングしないように要求」を選んでもアプリの機能を制限なく使えるようにするよう規定を設けている。
ソーシャルメディアのアカウントを使ってアプリにサインインした場合、そのソーシャルメディアの企業はアプリ内でユーザーの行動を自由にトラッキングできてしまうのだろうか。この場合も、ユーザーがアプリのプライバシー設定から「Appにトラッキングしないように要求」を選択していれば、アプリは広告のために他社のアプリやウェブサイトを横断してユーザーをトラッキングしたり、情報を外部の第三者に共有することができないようになっているようだ。
アプリのデベロッパーは、ユーザーに「トラッキングを許可してほしい理由」をメッセージ画面等に表示して丁寧に説明することもできる。ただし、この場合もデータの使用方法をユーザーに対して明確に伝えることが求められる。
次期OSをインストールすると、以前からよく使っているアプリがデベロッパーのApp Tracking Transparencyへの対応が遅れることにより使えなくなるような不便はないのだろうか。アップルはOSのアップデート後は、デベロッパーがユーザーの許可を得ることなくトラッキングができなくなるというだけで、ユーザーがアプリを使えなくなる心配はないと説明している。
そもそもApp Storeの製品ページに記載されているプライバシー情報が正確なものであると信頼を寄せても大丈夫なのだろうか。
アップルはApp Storeの年齢制限指定と同様に、プライバシーに関する方針はデベロッパーが自主的に報告しているものだとしつつ、デベロッパーの提出した情報が不正確であることが判明した場合は、即座に正確な情報を記載するように働きかけるとしている。
また、ユーザーがいったん「Appにトラッキングしないように要求」を選んだ後は、本当にトラッキングされていない保証はあるのだろうか。アップルはデベロッパーがアプリを提出する際に同意するポリシーによってこれを義務付けており、不正なトラッキングが判明した場合はデベロッパーに是正を促し、それでも従わない場合はアプリをApp Storeから削除する対処を取るという。