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「Virtual Azure Base」始動記念イベント、全国Azure Baseが特色や地域DXの取り組みも紹介

「Azure Base Spring Fest 2021」開催、バーチャル会場でワイガヤ

2021年04月05日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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各地のAzure Baseではどんなことができる? 全国をつないだ「Azure Base Summit」

 続いて「全国Azure Base Summit」が行われた。日本マイクロソフト Azureビジネス本部の森中彦人氏が進行役を務め、全国8カ所のAzure Baseを展開するパートナー企業が参加。さまざまな質問に答えるかたちで進められた。なおAzure Baseは、計画されている12カ所のうちすでに11カ所がオープン。東京・代官山、大阪、佐賀の3拠点はは日本マイクロソフトが直接運営するが、そのほかの拠点はパートナーが地域のニーズに合わせて運営し、それぞれに特徴を持った活動を行っている。

全国のAzure Baseをバーチャルでつないだ「全国Azure Base Summit」。メインMCを務めたフリーアナウンサーの馬場典子氏(前列右から2人目)、スペシャルMCを務めた声優の古谷徹氏(前列右端)も参加した

 まずは「Azure Baseは誰でも使うことができるのか」という質問が読み上げられた。これについては、Azure Sapporo Base(札幌)を運営するHAJエンパワーメントの箭原圭氏は「誰でも利用できる」と回答した。Sapporo Baseの場合、会員はコワーキングスペースを1時間500円(1日最大料金は1500円)、イベントスペースを1時間3000円で利用できる。

 またAzure Ise Base(伊勢)を運営するEBILABの小田島春樹氏は、Ise Baseは宿泊ができるので「合宿研修にも使える」と説明。「Teams Live Studioも併設しており、泊まって、働けて、稼げる拠点になる」と述べた。なお、EBI LABは地元で100年続く食堂を経営するゑびやの子会社だ。

 「Azure Baseは各地域でどんなことを実現できるのか」という質問には、Azure Yokkaichi Base(四日市)を展開するFIXERの荒井隆徳氏が回答。Yokkaichi Baseでは、プログラミング経験のない人でも企業のデジタル化に貢献できるようスキルアップ支援を行っており、四日市市と高度IT人材育成にかかる連携協定を結び、四日市市民にもクラウドアプリ開発講座を提供し、地域のDXを支援していると答えた。

 またAzure Hiroshima Base(広島)を運営するデータキュービックの福重美樹氏は、Hiroshima Baseでは地元企業にMicrosoft 365の導入支援を行う女性中心のチームを組織化していると紹介した。「地域DXの推進を支援するための体制を整えている。AI導入などの専門的なテクノロジーの支援も行っていく」(福重氏)。データキュービックは地方銀行を展開する山口フィナンシャルグループの子会社だ。

 3つめの質問は「各地域におけるDXの進展について」。Azure Kanazawa Base(金沢)を運営するシステムサポートの今村哲也氏は、「金沢市と包括連携協定を締結して庁内のDXを推進しており、まずは教育支援からスタートしている」と語った。さらに、北陸地方の企業に対してデータ分析ソリューション、IoTソリューションの情報発信も行っていくという。Azure Hiroshima Baseの福重氏は、グループ内の3つの銀行においてTeamsを活用した非対面営業を実践しており、2020年10月までは2.3%だったWeb面談率が2021年2月には44%まで上昇したと述べた。さらに、地域企業400社にクラウドサービスを導入している。

各地方のパートナーが運営するAzure Baseはそれぞれの特色、テーマを持っている

 各拠点の特徴を語る「うちのAzure Base自慢!」も披露された。Azure Yokkaichi Baseの荒井氏は、人工芝の上にテントやキャンピング用品が配置され、屋内グランピング空間としてリラックスしながら施設を活用できること、Azureのシステム開発運用を手がけてきた実績とノウハウを生かしたトレーニングを提供できることを挙げた。

 Azure Sapporo Baseの箭原氏は、入居するビルには札幌イノベーションラボや札幌市立大学のAIラボラトリも拠点があり、「産官学の交流が盛んで、刺激を受けやすい」とコメント。Azure Hiroshima Baseの福重氏は、地域アーティストやAIアーティストとの連携や作品展示を行っており、「地域価値向上会社を目指して、地域から新たなビジネスを創出したい」と語った。

 「Azure Base同士のコラボレーションは」という質問については、Azure Okinawa Base(沖縄)を運営しているリンク&ビジブルの藤江正樹氏が、「Okinawa Baseのある沖縄市コザには、常に新しい文化を受け入れる風土がある。さまざまな拠点と連携したい」とコメントした。すでにAzure Okinawa BaseとAzure Ise Baseで共同セミナーを計画しているという。

 「開発者向けのブレイクアウトセッションにAzure Baseを利用できるか」については、Azure Kobe Base(神戸)を運営する神戸デジタル・ラボの村岡正和氏が「大歓迎」だと答えた。関西地域では以前から「Azure Tech Lab」という勉強会イベントを開催しており、500人を超えるコミュニティになっているという。

 さらに、Azure Fukuoka Base(福岡)を運営するオルターブースの小島淳氏も、「超短期実装ハッカソンやアジャイル開発、スクラム開発のノウハウをハンズオン形式で体験できるAzure Light-upを、多い時には月5回ほど開催している実績がある。ぜひ、どんどんブレイクアウトセッションを開催してほしい。オフラインだけでなく、オンラインでも利用してほしい」と述べた。

 「Azure Baseでは具体的にはどんなトレーニングをしているのか」という質問には、日本マイクロソフトの森中氏が回答。「代官山で開催しているセミナーやハッカソンを地方にライブ中継するといったことも行っている。さらに、Azureの資格試験向けのトレーニングの配信なども積極化したい」と語った。

 最後は「Azure Baseでの取り組みは座学のようなものになるのか」という質問だった。Azure Fukuoka Baseの小島氏は、「座学も行うが、一緒に手を動かして、開発をするスタイルにしている。モブプログラミングの手法を用いて、Azureに触ったことがない人から、超エキスパートまでが一緒に参加する仕組みをオンライン上で実現している」と回答した。

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