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ASCII Power Review ― 第118回

ソニー「α1」実機レビュー = ついに発売となったフルサイズミラーレスの最上位カメラを実写してみた -倶楽部情報局

2021年03月22日 18時00分更新

文● ASCII倶楽部編集部

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 本日は、ASCII倶楽部の人気記事「ソニー「α1」実機レビュー = ついに発売となったフルサイズミラーレスの最上位カメラを実写してみた」を紹介します。


 ソニーからフルサイズミラーレス機のフラッグシップモデル「α1」が登場した。有効5010万画素で最高秒30コマの連写が可能と、高解像度と高速性能を併せ持つ驚きのハイスペックを実現している。

 さらに堅牢性を強化したボディーやシャッターなどプロの使用を意識した造りである。8K30Pに4K120Pと動画撮影もぬかりなく、まさにフルサイズミラーレスの最高峰のカメラだ。現在本格的にαユーザーになりつつある自身にとっても気になる一台なので、購入に至るべきか悩みながらチェックしていこう。

量販店価格はボディーのみ88万円。キヤノンやニコンのフラッグシップモデルと同等の価格帯はαシリーズ初だ。(装着しているレンズは「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」9万8180円)

毎秒30コマ連写を試す
電子シャッターのユガミは!?

 まず気になるのは、連写速度だ。最高速の秒30コマで連写撮影をするためには当然電子シャッターになるが、それ以外にもシャッタースピードや記録形式の設定、使用するレンズが対応しているかによって違いがあり、条件によっては最高秒20コマもしくは秒15コマになる。なおメカシャッターでも最高秒10コマの連写が可能だ。

 条件を整えて実際に撮影してみると、電子シャッターの静寂な動作感や、撮影時でもファインダー像を確認し続けられるブラックアウトフリーの視認性、そして粘り強く追い続けるAF追従が頼もしく、普段動いている被写体を撮影する機会が少ない自分でも、写真が上手くなったように錯覚してくる。

 そして、これだけ軽快に連写ができるのに、撮影した画像は5010万画素と高解像度なのにも驚き。多少被写体が小さく写っても、十分トリミングで対応できるのはありがたい。

Exifデータを見ると確かに1秒間に30枚連写していたのがわかる。AFも電車のような規則的な被写体なら心配は皆無。使用レンズFE100-400mmF4.5-56・絞り6.3・シャッタースピード1/2000秒・ISO感度320・ホワイトバランスオート。

飛んでいるカモメにもしっかりとAFが追従してくれる。撮影した写真をカメラ内でトリミングしたが、高解像度だけあって羽毛の質感が手にとるようにわかる。使用レンズFE100-400mmF4.5-56・絞り6.3・シャッタースピード1/1600秒・ISO感度400・ホワイトバランスオート。

水飛沫などの動きも高速連写なら簡単に撮ることができる。撮影時から大胆にトリミングしたが、約16MB相当と十分なサイズ。使用レンズFE100-400mmF4.5-56・絞り6.3・シャッタースピード1/1600秒・ISO感度400・ホワイトバランスオート。

 もちろん電子シャッターの欠点である動体歪みを防ぐ「アンチディストーションシャッター」を搭載している。メカシャッターと比較してみたが、ほぼ遜色なく写すことができた。

電子シャッター(写真上)でもほとんど歪みはなく、メカシャッター(写真下)を比較しても区別はつかない。使用レンズFE24-105mmF4・絞り5.6・シャッタースピード1/2000秒・ISO感度400・ホワイトバランスオート。

 秒30コマ連写中のシャッター音は電子音になるが、心地よい音色で撮っていて快適。もちろん全くの無音で撮影することも可能だ。

 AFも秀逸で、被写体が人物や動物、鳥なら瞳AFに対応し、認識さえすればスムーズに追従してくれる。この点ではすでに一眼レフのAFを超えたといっても過言ではないだろう。

 高解像度で連写をしても画像処理の高速化と余裕のあるバッファで連続撮影枚数も十分に保持してくれる。試しにUHS-1 U1(書込速度80MB/s程度)と、それほど高速とは言えないSDカードで撮影してみたが、JPEG最高画質では134枚、圧縮RAWとの同時記録でも107枚まで連写速度を保ったまま撮影することができた。

 撮影後の書き込み処理中もメニューの操作などは可能で、バッファが開放され次第続けて撮影することができる。もちろん高速性能を最大に活かすにはUHS-2のSDカードやCFexpressを使用するのがベストだろうが、一般的なSDカードでも十分に高速連写が楽しめるのはコスト面でもうれしいポイントだ。

フルサイズミラーレスのαシリーズ登場と同時に発売された「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」。やや逆光でハレを喰いやすなど今では少し設計の古さを感じさせるが、最新の「α1」と組み合わせても、ピント部の解像感や印象的なボケはまだまだ健在。絞りF1.8・シャッタースピード1/2000秒・ISO感度100・ホワイトバランスオート。

使用レンズFE55mmF1.8・絞りF1.8・シャッタースピード1/2000秒・ISO感度100・ホワイトバランスオート。

使用レンズFE55mmF1.8・絞りF2・シャッタースピード1/80秒・ISO感度1600・ホワイトバランスオート。

重さを感じないデザイン
新設計のメカシャッターの感触は?

 これだけのスペックを誇ってもボディーは従来モデル「α9Ⅱ」と同等のサイズ。重量は59グラムほど増加しているが、手にして重くなったと感じることはない。

ボディーサイズは128.9(W) x 96.9(H) x 80.8(D)mm、重量は「α9Ⅱ」と比べると高さ3.5㎜、重量はメディア・バッテリー込みで約737g。奥行3.3㎜、重量59gほど微増。

 デザインや操作ボタン類も同じで、ロゴが無いと見分けられないほど。新鮮味には欠けるが、従来モデルからの乗り換えや併用を考えると、操作系は統一されているほうが望ましい。

 操作面で変更になったのは背面液晶のメニュー画面である。「α7SⅢ」から採用された縦のタブから横に細分化された項目に移行する方式で、複数の設定を把握しやすいのが特徴である。さらにタッチ操作にも対応。旧モデルのメニュー画面と比べると初めは戸惑うかもしれないが、慣れれば目的の設定まで素早く辿り着くことができる。

ボタンやダイヤルなどは「α9Ⅱ」と同じ配置。グリップのサイズや形状は握りやすくホールド感は優秀。

グリップは中指が収まる位置に大きな窪みを設けられ、そのおかげでしっかりと握れる。

上面左肩にはドライブとAFモードの専用ダイヤルを備える。メニュー画面からの操作よりも素早く変更ができ、一目で現在の設定が確認できる。

背面のボタン類も「α9Ⅱ」から変わり無し。メニューは「α7SⅢ」で採用された新しい画面に変更されている。

背面のフォーカスセレクターは触り心地はよいが、もう少しクリック感が欲しいところ。

縦に分類されたタブから横に向かい細分化される新しいメニュー画面。タッチ操作が可能なったのも嬉しい。

 メディアはSD UHS-Ⅱ対応に加え、より高速なCFexpress Type Aも使用可能なデュアルスロット。とはいえCFexpress Type Aは128GBで2万円前後とコスト面で導入にはまだまだ敷居が高い。

SD UHS-ⅡとCFexpress Type Aに対応するのでスロットの幅は広め。

 端子類は有線LANやシンクロターミナル、フルサイズのHDMIなどを搭載したプロ仕様だ。USB Type-Cによる充電/給電はPDにも対応している。実際に充電してみるとバッテリー空から満充電まで約2時間と、付属のAC充電器と同様の時間で充電することができた。

側面の充実した端子類。カバーしっかりと閉じることができるの、防滴防塵の面でも安心だ。

高解像度で高速連写ではパワーを食うはずだが、従来機と同じバッテリーで動作してくれるのは大変助かる。

モバイルバッテリーで充電や給電が可能。デジカメではまだ数少ないPDに対応している。

 高速連写仕様のフラッグシップモデルでは専用の大型バッテリーを採用することもあるが、「α1」は「α7RⅢ」以降と共通の「NP-FZ-100」を採用している。撮影可能枚数は公称値430枚と他モデルより少なくなってはいるが、前モデルユーザーならバッテリーを使い回せるのはメリットだ。

 EVFは944万ドットと高精細で撮影倍率も0.9倍と像も大きい。またフレームレートは最高240fpsまで設定することができ、流し撮りで高速に動く撮影像でも滑らかに表示してくれる。

EVFのフレームレートを「より高速」に設定すると、撮影倍率は縮小されるが240fpsに設定することができる。また撮影倍率はメガネをかけていても像がケラれないよう縮小表示することも可能。

 新機能として電源OFF時にシャッター幕が降りる機能を搭載。レンズ交換時に撮像素子にゴミが付着するのを防いでくれるのはとてもありがたい。

電源OFF時にシャッター幕が閉じて撮像素子を保護してくれる。ただしメーカーからは余計な光がシャッター幕に入らないように、保管時は必ずレンズキャップを装着するなどの注意喚起がなされている。

 個人的に一番気に入ったのが新しくなったメカシャッターの挙動。振動が少なく上品なシャッター音で従来機よりワンランク上の高級感がある。

 ストロボの同調速度も最高1/400秒まで高速化。さらに電子シャッターでも専用ストロボを使用すれば1/200秒で同調が可能になった点も見逃せない。試してみたところハイスピードシンクロにも対応していた(あまり高速のシャッタースピードでは従来機の先幕電子シャッター使用時と同様に露出ムラが発生する)。日中シンクロなどストロボを多用する人にとっては待望の進化だ。

撮影した画像のクオリティは?
高感度耐性はどこまでいける?


 続きは「ソニー「α1」実機レビュー = ついに発売となったフルサイズミラーレスの最上位カメラを実写してみた」でお楽しみください。

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