ヤマハは3月12日、ヤマハミュージックジャパンと開発・販売する「ボーカロイド教育版II for iPad」が、愛知県岡崎市のすべての小中学校に導入されたと発表した。自治体のすべての小中学校に同アプリが導入されるのは全国初。
岡崎市では、「岡崎版GIGAスクール構想」を独自に掲げており、岡崎市内の全小中学生およそ3万4000人分(小学校47校、中学校20校)のタブレット端末(iPad)と校内ネットワークの整備を2020年12月に完了し、児童生徒1人1台の環境を実現した。
そして今回、「より魅力的な学習ツールを」との岡崎市の教育への思いから、これら市内のすべての小中学校に整備されたiPadにボーカロイド教育版II for iPadがインストールされた。すでに一部の小中学校では、本教材の先行活用が始まっており、来年度より各校で順次本格的に活用が開始される予定。
ヤマハミュージックジャパンでは、こうした流れを受け、2021年2月から自治体や学校での一括導入に適した「スクール版ボーカロイド教育版II for iPad」の提供も開始している。
岡崎市立南中学校では、2年生の音楽科授業でボーカロイド教育版II for iPadを活用した創作学習を実施。17音の世界最短の文学である俳句に旋律を付けて楽曲を創作するという内容で、授業を担当した教師からは「ボーカロイドを活用することで音楽の得手・不得手に関係なく表現できるようになり、生徒一人一人の可能性が大きく広がったと感じた」との感想が寄せられたという。
ボーカロイド教育版II for iPadは、ヤマハ独自の歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」を用いたデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版」の最新版。思い浮かんだメロディーをブロックのように並べ、歌詞を入力していくことで直感的に「歌づくり」が可能。2020年4月より提供を開始した最新バージョンでは、2020年の小中学校の英語教育改革を受け、英語の歌づくりにも対応した。また、打楽器の音色も追加したことにより、小学校低学年からの活用も可能となり、対象学年の幅も広がった。