Gogolookは2月9日、「世界の詐欺レポート2020」を発表した。同社が提供する迷惑電話対策アプリ「Whoscall」では、詐欺電話および詐欺SMS(詐欺メッセージ)2.8億件を含む、延べ65億件以上の未登録番号からの電話着信とSMSを識別したという。
とくに新型コロナウイルス感染症の流行に便乗した詐欺グループの活動が活発化し、2020年には年間2.8億件以上の詐欺電話と詐欺SMSを阻止したという。この数字は2019年と比較すると190%に増加しており、SMSによる詐欺の増加率が8割を占める結果となっている。詐欺SMSには危険なリンクが挿入されてうかつにリンク先にアクセスしてアカウントやパスワードを入力してしまうスミッシングが増加している。
同社では、WhoscallにてSMS識別の技術開発を始め、日本では2020年に「SMSアシスタント」(iOS版)をリリース。SMSへのフィルタリングを可能としている。Whoscallは台湾発のスマホアプリで、全世界で利用されているが、日本における詐欺電話・迷惑電話の報告件数・報告率は世界平均の2.3倍もの報告率があるとしている。
調査によると、「+674(ナウル共和国)」から始まる見慣れない番号からの着信による詐欺や、実在しない国番号からの着信による詐欺など国際電話にまつわる事件も多く起きている。詐欺グループは通信規制が比較的緩い海外に拠点を置き、インターネットを介して発信できるIP電話を利用し、電話番号を偽造しながら詐欺電話をかけるという手口を使っている。また、時期的にはゴールデンウイークや年末年始の大型連休前に詐欺が増える傾向があるのが分かったという。