意外とGPU負荷が重かった「Timeless Paradox VR」
続いてはRPG「Timeless Paradox VR」で試してみよう。Oculus Quest 2のコントローラではやや移動(特に方向転換)がやりにくい印象を受けたが、描画そのものはスムーズだった。
テストシーンは一見シンプルな描画のようだが、Beat Saverのプレイ動画やBONEWORKSよりもGPUフレームタイムは長め。4.5〜5.2msあたりをウロウロしていた。とはいえ13.9msのボーダーラインからは遠く離れているので、これもまたGPUパワーには十分な余裕があるといえる。
こちらもVRAM消費量は6GB程度。これならVRAMが16GBもあるRX 6800 XTにとって楽勝すぎる負荷といえるだろう。
重量級「Half-Life: Alyx」はRX 6800 XT向き?
続いては重量級VRタイトルである「Half-Life: Alyx」で試してみた。画質は最高設定で検証している。
重量級VRタイトルだけあってHalf-Life: Alyxのフレームタイムは非常に長め。今回の検証シーンでは9~11msあたりを変動しているが、時おり12msを超えることもある。72fpsを維持するためのフレームタイム13.9ms以下はクリアしているので問題はないといえるが、今後90Hz対応になった時は少々レンダースケールを低くして描画負荷を抑えるか、画質を意図的に下げた方がよいだろう。
Half-Life: AlyxのVRAM消費量を見ると10GB弱と、今回検証したゲームの中では最も多い。起動時にVRAM不足で警告が出るが、この消費量ならそのままスルーしても問題ないようだ。
「VRChat」でも余裕の動作
最後に「VRChat」で試してみた。このゲームは参加するアバターやワールドの作り込みで負荷がかなり変動するため、今回の検証は“こんな程度のこともあった”程度に考えていただきたい。ちなみに今回人の多いところで検証しようと思い立ったものの、いざ行ってみるとやたら英語で話しかける参加者に追い回されてしまい、すこし落ち着いた所に逃げざるを得なかった。
VRChatのGPU負荷はHalf-Life: Alyxに次いで高い。今回の検証では9〜10msあたりで変動しているが、突然スパイクのように20ms前後まで跳ね上がる時もあった。ほぼ同じタイミングでCPUのフレームタイムも激しく上昇しているので、どちらかといえばCPUパワーに原因があるといえる。CPU負荷は45〜50%と高いので、ある程度Ryzen 5 5600Xの余力は残っている状態で処理できているようだ。
今回の検証におけるVRAM消費量はちょうど8GB。他のアバターやワールドの作りによってはもっと増える可能性もある。
まとめ:「G-GEAR GA7A-X204/XT2」なら
Oculus Quest 2のVRシステムも快適そのもの
以上簡単ではあるが、「G-GEAR GA7A-X204/XT2」と「Oculus Quest 2」を組み合わせたVRシステムの検証は終了だ。4Kや8Kでゲームを遊ぶのでない限り、普通のPCゲームではあまりVRAMの搭載量を気にすることがなかった人でも、VR(特にVRChat)を始めると途端にVRAMを重視し始める。実際RX 6800 XTの16GBを使い切るようなシチュエーションには出会えなかったものの、Half-Life: AlyxやBeat Saverでは10GB近く消費していたことが観測できた。
その意味でRX 6800 XTは“心の余裕”を持つという点で非常に良いチョイスといえるだろう。「G-GEAR GA7A-X204/XT2」のスペックがあれば、Oculus Quest 2のVRどころか、VIVE Cosmos等の本格的VRでも快適な動作が期待できる。過去の事例からAMD系はUSB周りが弱いという評判があるが、Ryzen 5000シリーズとASRock製の「X570 Steel Legend」ならその心配も不要だろう。ハイパワーゲーミングPCが欲しい人でもVRを快適に遊びたい人でも安心してオススメできるPCといえる。
(提供:TSUKUMO)