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ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第12回

Azureのセキュリティを実現している「多層防御」や「共同責任」を知る

Azureのセキュリティで知っておきたいこと、対策の基礎【前編】

2021年01月20日 08時00分更新

文● 椎名 泰之/FIXER ●編集 大塚/TECH.ASCII.jp

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共同責任(責任共有)モデルとは

 Azureに限らず、パブリッククラウドサービスを利用するうえでは「セキュリティの共同責任モデル(責任共有モデル)」を知っておくことも不可欠です。これは、ユーザーとクラウドプロバイダーとの間で、セキュリティ対策について「どう責任分担するか」を取り決めるもので、サービスタイプごと、多層防御の層ごとに設定されます。

 マイクロソフトのクラウドサービスでは、ユーザーの責任範囲を次のように定めています。IaaSとPaaS(Azure)、SaaS(Microsoft 365など)では、それぞれ責任範囲が違う点にも注意してください。

共同責任の概要と管理範囲

 たとえば一番左のオンプレミス(自社運用)では、物理インフラのセキュリティ対策まですべてユーザー企業側の責任範囲です。このオンプレミスシステムをIaaS(Azure)に移行することで、物理インフラのセキュリティ責任はマイクロソフト側に移り、ユーザー側の管理負担が減ることになります。

 ただし、IaaSを利用しても、OSより上の層については引き続きユーザー側の責任範囲です。たとえば「OSのセキュリティパッチ適用」「ネットワークのアクセス制御設定」「アカウントとアクセス権限の管理」といった対策は、ユーザー側で実施しなければなりません。PaaSやSaaSでも同様で、ユーザー側の責任と対策は軽減されるものの、すべてをクラウドプロバイダーに“丸投げ”できるものではないことを理解しておきましょう。

* * *

 以上、今回の前編記事ではAzureにおけるセキュリティ概念の基礎を学びました。次回の後編記事ではハンズオンを行い、実際にAzureでどのように情報を保護すればよいのかをご紹介します!

■今回のポイントまとめ!

  • Azureのリソースやデータは多重のセキュリティ層で保護(多層防御)されており、セキュリティ脅威から強固に守られている
  • セキュリティに関するサービスは多数用意されているので、シチュエーションに合わせて適宜使い分けましょう
  • 責任共有モデルとは、Azureユーザーとマイクロソフトの間でセキュリティ対策の責任を分担すること

FIXER Inc. 椎名 泰之

社会人1年目の出来立てほやほやエンジニア。環境構築が大好物で、嫌いなものはMerge Conflict。仕事を始めても結局ゲームはやめられないらしい……。

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