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第11世代Coreプロセッサー搭載の2021年春モデルを最速レビュー!

テレワークの頼れる味方「レッツノート SV1」の実力を徹底検証

2021年01月26日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●村野晃一(ASCII)

提供: パナソニック

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各種ベンチマークで実性能をチェック!
グラフィック性能の高さに驚く

 今回テスト機として使用したのは、Web直販モデルとなるカスタマイズレッツノート プレミアムエディションの「CF-SV1DRJQP」。CPUにCore i7-1165G7、メモリー32GB、SSD 256GBを搭載した、光学式ドライブ搭載モデルだ。

 まずは気になるCPU性能から。ベンチマークソフトには、CGレンダリング速度からCPU性能を計算し、独自スコアで評価してくれる「CINEBENCH R20」を使用した。このスコアが高ければ高いほど、性能が高いということになる。

 なおすでに「CINEBENCH R23」が登場しており古いバージョンとなるが、手元の過去データと比べるために、あえてこのバージョンを使用している。

「CINEBENCH R20」の結果。すべてのコアを使ったスコアとなるCPUは2170pts、シングルスレッド性能となるCPU(Single Core)は581ptsという結果に

 結果は見ての通りだが、これだけ見てもどのくらいの性能なのかわかる人は少ないだろう。そこで、以前計測したSV9(Core i7-10810U)と、SV8(Core i7-8565U)の結果も合わせたものが、下のグラフとなる。

世代を重ねるごとに、順調に性能アップしていっている様子がわかるグラフとなった。冷却性能がしっかりと高められていないと、これほどの性能上昇はないだろう

 Core i7-1165G7を搭載したSV1が過去モデルを大きく上回り、性能が上昇している様子がうかがえる。とくに注目したいのが、シングルスレッド性能だ。従来モデルでは460pts台しかなかったものが、一気に581ptsと大きくスコアを伸ばしている。

 スコアだけ見れば、「順調に高性能化したんだな」という感想となるのだが、CPUの詳細をよく見てみると驚くことがある。それは、SV9のCore i7-10810Uが6コア12スレッドなのに対し、SV1のCore i7-1165G7では4コア8スレッドへとコア数が減少していることだ。

 単純に考えれば、コア数が減れば性能が落ちるはずなのだが……結果はすでに見ての通り、逆にスコアは上昇している。これは、シングルスレッド性能の向上による性能の底上げ、そして、高性能CPUクーラーによって高クロック動作が可能になったことによるものだ。

 「コア数=性能の高さ」と考えがちだが、世代の異なるCPUであれば、この思い込みは当てにならないというのがよくわかる結果となっていた。

 続いて、比較対象がないため参考までだが、「CINEBENCH R23」の結果も紹介しておこう。CINEBENCH R20と同じで、CGレンダリング性能からCPU性能をスコアで評価してくれるというものだが、大きく異なるのがそのテスト内容。CINEBENCH R20では1回だけのレンダリングだったが、CINEBENCH R23では、約10分間CGレンダリングを続けた結果からの評価となっている。

 つまり、最大性能ならCINEBENCH R20、長時間実行時の性能ならCINEBENCH R23の結果を見比べるといいだろう。

 なお、CINEBENCH R20とはスコアの計算方法が異なり、単純な比較はできない。

参考までに、CINEBENCH R23の結果はこちら。CPUは5465pts、CPU(Single Core)は1514ptsというスコアになっていた

 続いてグラフィック性能を見ていこう。内蔵GPUとはいえ、インテル® iRIS Xeグラフィックスへと進化しているだけに、どこまで性能が出るのか気になるところ。

パームレスト部に貼られたインテル®第11世代CoreとiRIS Xeグラフィックス搭載ロゴ

 まずは軽いものとして、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」で試してみた結果がこちらだ。設定は、グラフィック設定「最高品質」、解像度「1920×1080」、表示方法「フルスクリーン」としている。つまり、一番重たい設定だ。

ドラゴンクエストXのベンチマーク結果は、スコアが13359。評価は「すごく快適」というものになった

 元々軽いベンチマークソフトで、第10世代以前のCPU内蔵グラフィックでも十分遊べるほどだったので当然だが、評価は「すごく快適」。動作に何の問題もない。

 続いて、もう少し重たいものとして、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を試してみよう。DirectX 11を使うベンチマークソフトで、ゲーミングPCであれば高画質でも遊べるものの、CPU内蔵のGPUでは、かなり軽めの設定にしなければ動作が難しいものとなる。

 設定は「1920×1080」「最高品質」「フルスクリーン」で、プリセットを使った中では最も動作が重たくなるものとした。

スコアーは4464で、評価は「快適」。1920×1080ドットの高解像度でも、しっかりと遊べる評価だ

 結果は見ての通りで、「快適」という評価となった。シーンによっては若干重たくなる部分も出てきてしまうものの、MMOやシミュレーションなどでは問題にはならないだろう。さすがに、一瞬の判断遅れが負けに繋がるFPSは厳しいものの、それでも画質を落とせば遊べるレベルとなっている。

 従来のCPU内蔵GPUでは、画質も解像度も落としてようやくなんとか遊べるというレベルだっただけに、iRIS Xeグラフィックスの強さが実感できる結果だ。

 さらに重たいベンチマークではどうなるか、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」も試してみよう。DirectX 12を使ったベンチマークソフトで、高画質設定だとエントリークラスのゲーミングPCでも動作が厳しいくらいに重たいものとなる。

 さすがに画質を高くするのは無謀だと思い、まずはデフォルトの「標準品質」「1920×1080」「フルスクリーン」で試してみたところ、スコアは2408、評価は「重い」というものになった。さすがにこのクラスのゲームになると、画質を上げなくても遊べるレベルではなかった。

 では、解像度を下げるとどうなのかと思い、「1280×720」へと落としてみたのがこちらだ。

画質は標準品質のまま解像度を1280×720へと落とせば、スコアは3670で評価は「普通」となった

 結果は「普通」という評価で、何とか遊べるようになっていた。もちろん快適とは程遠いが、さらに画質を下げれば、もう少しマシになりそうだ。

 いくら内蔵GPUが高速になったといっても、専用のGPUを搭載するPCでも苦戦するゲームを快適に遊ぼうとするのは無謀だったようだ。とはいえ、従来なら動かすだけでやっとというものを、画質と解像度を落とすとはいえ、曲がりなりにも遊べるレベルまでもってこれたというのは大きな進化だ。

 性能チェックでもうひとつ、体感性能を大きく左右するSSDの速度も見てみよう。こちらは「CrystalDiskMark」を使い、シーケンシャルからランダムまで、リード、ライト性能をチェックした。

SSDの速度は、シーケンシャルリードで約3.5GB/s、ライトで約2.3GB/sと高速で、文句なしに快適に使える

 結果は見ての通りで、シーケンシャル性能が2GB/sを大きく超え、巨大ファイルのコピーなども短時間で行えることがわかる。また、ランダム性能もかなり高速で、OSやソフトの起動で待たされる心配もない。

 CPUだけでなくグラフィック性能も高くなり、更にストレージも高速となれば、ストレスなく使えるのは間違いない。

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