甘い言葉に惑わされず、マスク着用や手洗い・うがいを続けよう
「ワクチン優先接種予約」を騙る詐欺メッセージに要注意
2020年12月24日 07時00分更新
・新型コロナウイルスのワクチン実用化にめどが立ち始めた。
・悪意ある人たちが「優先的に接種できる」「治験に参加可能」などと偽り、あなたの個人情報や金銭を盗もうと画策する恐れあり。
・治験参加や優先接種はまずあり得ない。甘い言葉に惑わされず、マスク着用や手洗い・うがいを続けよう。
2020年を象徴する単語は……
この時期になると、世界各地の出版社や団体から「今年の単語」を発表した旨のニュースが届きます。たいていはその国で起きた象徴的な出来事を表わす単語が挙げられ、それぞれのお国事情を垣間見ることができるはずなのですが、今年はどうも事情が違うようです。
アメリカのメリアム・ウェブスター辞典が選んだのは感染症の世界的大流行を指す「Pandemic(パンデミック)」、イギリスのコリンズ辞典は都市封鎖を意味する「Lockdown(ロックダウン)」、そして日本でおなじみの新語・流行語大賞は「3密」と、単語自体は異なるものの、いずれも新型コロナウイルスに関連した単語を選んでいます。まさに世界全体がコロナ禍に巻き込まれた年だったと言えるでしょう。
しかし、終わりが見えないと思われたウイルスとの戦いにも光が見えてきました。感染を防止する最良の手段、ワクチンの実用化にめどが立ち始めたのです。一般的に、該当するウイルスのワクチンを接種することで、感染防止ないし感染時の症状を抑える効果が期待できます。すでに日本政府は各国の製薬会社と交渉し、ワクチン供給に関する合意を得ているようです。
ひとまずは一安心、と言いたいところですが油断は禁物です。悪意ある人たちはこのワクチンをエサにあなたを罠にかけようと企んでいます。
「治験参加」「優先予約」――甘い言葉は全部嘘!
あるとき、あなたのスマートフォンにメッセージが届くかもしれません。内容は、「治験参加者急募。新型コロナウイルスのワクチンを誰よりも早く打てます。応募はこちらから」「海外直輸入! ワクチン購入の優先予約を開始します。このURLから早い者勝ちです」あるいは「インフルエンザの予防接種、今なら優先的に接種可能。予約は下記URLより」といったものが考えられます。
ご家族に高齢者や乳幼児がいる人は「千載一遇の機会!」とばかりにURLをタップしてしまうかもしれませんが、ちょっと待ってください。これらはすべて、あなたを騙す偽メッセージです。連絡先を書いたところで治験には参加できませんし、クレジットカード情報などを書き込んでしまうと、優先購入どころか悪用されかねません。
まず治験参加者を不特定多数へのメッセージで募ることはあり得ません。直輸入も現実的ではないうえ、そもそも個人購入できるものではありません。また、インフルエンザの予防接種も予約殺到しているようですから、あえて病院が優先予約をアピールする必要はないはずです。
皆、喉から手が出るほど欲しいワクチンですが、厚生労働省からの発表をみる限り、日本での接種開始はまだしばらくかかりそうです。治験目的の接種もごく一部の人に限られるでしょうから、我々が早々に接種できる可能性は低いと考えるのが自然です。
悪意ある人たちは、常に我々の弱みに付け込んできます。悪魔のささやきに惑わされず、もうしばらくはソーシャルディスタンスを保ちながらマスク着用とうがい・手洗いを心掛けましょう。明けない夜はありません。
この連載の記事
-
第96回
sponsored
あなたを騙す「危ないURL」が動画サイトで増殖中! ウイルス感染の恐れも -
第95回
sponsored
突然ウイルス感染報告と電話番号が! それは偽警告です -
第94回
sponsored
診断系サービスは楽しいけれど……SNS乗っ取りに注意 -
第93回
sponsored
インフラ会社を装ったサイバー攻撃はAndroidスマホと日本人が標的だった! -
第92回
sponsored
意外!? 高齢者もアダルト情報のワンクリック詐欺に注意 -
第91回
sponsored
偽の『dカード』利用停止メールに要注意。クレカを乗っ取られる恐れあり -
第90回
sponsored
詐欺に私たちがコロっと騙されてしまう理由は3つのKにアリ! -
第89回
sponsored
Wi-Fiは「鍵マーク」付を選んで使いましょう! 安全に通信できます -
第88回
sponsored
スマホに延々と『ウイルス発見!』の通知が届き続ける!? -
第87回
sponsored
きっぷを買おうと思ったら個人情報を盗まれた!? -
第86回
デジタル
「水道料金を割引」「滞納で給水停止」……水道局を名乗る偽者に要注意 - この連載の一覧へ