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日常の健康管理に心肺機能測定を活かせるアップデート

アップル、Apple Watchに「新しい心肺機能測定」アップデートで提供開始

2020年12月15日 03時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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日・週・月・年単位で最大酸素摂取量の推移がわかる

アップデートにより計測可能範囲を拡大
同年代・同性の人の平均値と比べられる

 watchOS 7.2以降、iOS 14.3以降のデバイスを組み合わせると、最大酸素摂取量が低レベルの場合でもApple Watchを使って記録できるようになり、またユーザーの心肺機能がどのレベルにあるのか、時系列に沿って変化してきた値をグラフで見たり、iPhoneのヘルスケアアプリの画面にユーザーと同年代・同性の人の平均を集めたデータを表示して相対比較も可能になる。

 ヘルスケアアプリからあらかじめユーザーの年齢/性別/伸長・体重/服用している薬などのIDを登録することで、体格や生活習慣の違いによっても生じる誤差を最小限に抑えながらユーザーの心肺機能レベルの高低、ならびに平均値からの上下差が正確に分類される。

 最大酸素摂取量のレベルが下がった時に、Apple WatchやiPhoneに通知を知らせてくれる機能も追加される。おおよその指標としてレベルが「20以下」になると、最大酸素摂取量が「低い状態」に分類され一度通知が送られる。そのまま4ヵ月に渡って状態が変わらない場合には再度通知が届く。ユーザーは健康状態を改善するために運動を継続する習慣を心がけたり、または専門機関に相談するなどの対策が講じられるだろう。

最大酸素摂取量が低レベルのまま続くとアラートを知らせてくれる

Apple Watchに表示されるアラート画面のイメージ

心肺機能は日々、体を動かすことで高められる

 Apple Watchにより記録されるユーザーの最大酸素摂取量のデータは、ほかのフィットネスデータと同様にiPhoneのヘルスケアアプリの中に高度に暗号化された形でセキュアに保存される。ユーザーの許可なしにほかのユーザー、またはアップルに情報が共有されることはない。米Appleのヘルス担当上級副社長、サンバル・デサイ博士は「Appleでは人々がiPhoneやApple Watchを使って自分の健康を積極的に管理できるようにしたいと考えています。同時に、ユーザーの情報のプライバシーは完全に配慮され、ユーザーだけが見ることができるようにすべきだと信じています。このようにしてAppleのデバイスを皆さんの健康の本当の意味でのパートナーとして使えることになります。」と、新機能のプレス発表にコメントを寄せている。

 心肺機能のレベルが低い状態が続くと、年齢を重ねた際に健康へのリスクが高くなる傾向にあるという。心肺機能は、日々体を動かすことを続ければ改善が見込めるものだ。Apple WatchとiPhoneによりコンディションを手軽に可視化できれば、毎日の運動を続けるモチベーションにもなり得るだろう。

 心肺機能の強化は、体脂肪を燃焼させてカロリーを効率よく消費できるトレーニング方法として脚光を浴びる「高強度インターバルトレーニング:High-Intensity Interval Training」が有効とされているようだ。その人に最適なトレーニング強度、あるいは頻度で実践することが望ましいので、効率よく効果的をあげたい場合は一度近くのスポーツジムやトレーニング施設などに相談するといいだろう。

 ただ、心肺機能はハードでストイックなトレーニングを続けなければ改善できないものではない。アップルのデサイ博士も「心肺機能は必ずしもマラソンを走るような方だけでなく、誰にとっても有用な測定値になります。最大酸素摂取量を活用することができることを、エリートアスリートだけでなく、日常的に運動する方が活用できるように一般的にすること。私たちが期待しているのはこの点です。」とコメントの中で述べている。

 過度なトレーニングはケガの元にもなり得るし、あまり披露が蓄積すると逆効果だ。無理のない範囲で続けられる習慣をApple Watchの新機能も活用しながら身に着けたい。

 

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