子どもにSNSアカウントを知られてしまい……
「子どもたちが検索サービスで(まだ知らないほうがよい物事を)知ってしまうリスク」をご存知だろうか。スマホの所持開始年齢が低年齢化し、スマホやタブレットなどを日常的に利用する子どもは多い。「知らないことは検索する」ことが当たり前となっており、それによって新たなリスクが生まれている。子どもにおける検索によるリスクについて解説したい。
子どもがある程度の年齢になると、保護者からの「子どもが(親である自分の)名前を検索していた」という報告が増える。「SNSアカウントも見つかって、投稿も見られてしまった。コメントでふざけているのも見られた。もうえらそうな顔はできない」。
親が子どものSNSアカウントを探せる以上、子どもが親のSNSアカウントを探すのも当たり前のことだ。子どもに対して、「親や先生が見ても大丈夫なことを投稿するようにしよう」と言っているが、同様に親も「子どもが見ても大丈夫なことを投稿すべき」なのだ。
検索すれば何でもわかる。検索がトラブルの入り口にも
過去に炎上を起こした小学生がいる。炎上の理由となったのは、配信内でプレイしていたゲームを違法ダウンロードしていたためだった。彼は、検索で違法ダウンロードの方法を入手、実行していた。違法ダウンロードがいけないという実感はほとんどなく、やり方が見つかったから実行してしまった、ということのようだ。
「検索すれば大体何でも見つかる」と、ある小学生は言う。「調べ学習でも使うし、調べてわからないことは聞けば教えてもらえると思う」。Q&Aサービスで自分が知りたい質問を見つけて回答を参考にすることも多いそうだ。Q&Aサービスには、「保護者の制限を破って課金する方法」「数学の問題の答え」など、子どもからの質問が多く寄せられており、そのような質問を回答する大人もいる状態だ。
ある学校で、子どもの自傷行為について聞いた。早い子は小学生の頃から始め、癖になってしまうという。「すっきりする行為」などの言葉で検索すると、「自傷行為」についてのブログなどが上位に表示された状態で見つかる。このような行動で「自傷行為=すっきりする行為」と考えて手を出してしまう子がいるのだという。
検索サービスでの検索はとても便利だ。一方で、子どもによくない情報を教えてしまう可能性もあることは知っておくべきだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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