モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第26回
そこまで“マシマシ”だろうかという疑問はあるものの:
ペヤングのキャベツが増えたところで、人生が変わるわけではないけれど
2020年11月19日 17時00分更新
「ペヤング ソースやきそば マシマシキャベツ」
まるか食品
205円(税別)
http://www.peyoung.co.jp/products/1771/
キャベツ“だけ”多いペヤング
漫画やドラマなどで、女性が髪を切ったことになかなか気づかず、男性が責められる、というシーンはおなじみですよね。ちょっと古いかな。ちなみに筆者は坊主頭なので、そんなことはないと思いきや、最近は編集部員とのリモート会議で「あれ、バリカン当てました?」と気づかれるようになりました。
ぱっと見るだけでは気づかなくても、よく観察するとわかることもある。シャーロック・ホームズではありませんが、"You see, but you do not observe. The distinction is clear."(君は見ている、でも観察していない、その違いは明らかだ)とはよくいったものです。一方で、見るだけであまりにも明らかなこともあるわけで。
まるか食品は「ペヤング ソースやきそば マシマシキャベツ」(以下、マシマシキャベツ)を11月16日から発売しました。
ペヤング ソースやきそばの具材としておなじみのキャベツをたっぷりと使用した商品。キャベツの使用量は通常の4倍だそうです。内容量141g、205円(税別)。
まるか食品は今年3月に「ペヤング ソースやきそば超大盛」のキャベツを5倍に増量した、「ペヤング 超大盛やきそばマシマシキャベツ」を発売。今回は“超大盛”ではなく気軽に食べられる通常サイズです。
さっそく作っていきましょう。とはいっても、普通のペヤングと同じで、淡々と作るだけなのですけれども……。容器の形状がやや深いのは、キャベツのサイズを考慮しているのでしょうか。その分だけお湯が必要だから、みたいな。
かやくを見れば一目瞭然、キャベツが多いですね。とはいえ、「マシマシだー!」とテンションが上がるほど、膨大な量が入っているようには見えない。お湯を吸えば膨らむのでしょうか?
まずは湯切りしてみます。すると、確かに、キャベツの量が多いことがわかります。
この写真を見るとキャベツが容器の半分を占めているように見えますが、そうではありません。キャベツの量が多いのですが、麺よりは軽いため、ていねいに湯切りをすると、容器を傾けた際に、麺が下側(湯を切る側)に集まり、容器の上側に隙間ができます。そこにキャベツが貯まるのです。
というわけで、湯切りをした段階では多く感じますが、ペヤングはソースを入れて混ぜるもの。混ぜてみないとわかりません。
混ぜてみましたが、どうでしょう。普通のペヤングよりはキャベツが多いです。でも、マシマシでしょうか。どう思います……?
言うほどマシマシだろうかという疑問
味のコメントですが、わりとむずかしいですよね。だってペヤングなので……。「キャベツが多いペヤングです」と書くと一行で終わってしまう。麺もソースも同じですし。
やはり問題は、キャベツの量でしょうか。確かに多いのですが、「マシマシ」というには、ちょっと足りないかもしれない。その分だけ、甘味を強く感じるような気もしますが、そこまで違うかといわれると……。
大盛にすれば4000kcal超え、辛口にすれば食べ切れないほど辛くする傾向のまるか食品にしては、真っ当なぐらい普通の量で、拍子抜けしてしまう。「やりすぎだと文句を言うくせに、無難な量でも文句を言うのか?」と聞かれると、申し訳ないですが、パッケージがあそこまで青々しいなら、キャベツがメインで麺はおかず、ぐらいの気概を見せてほしい。
これでキャベツがはちゃめちゃに多かったらおもしろいのですが、どうにもキャベツが多い以上に書くことがないので、困惑してしまいます。だけれども、それは傲慢な発想ではないでしょうか?
自分は肩幅が狭く痩せ気味のため、服を選ぶときに、Sサイズではやや小さく、Mサイズでは気持ち大きい、ということがあります。サイズ感はこのままで、ここだけ大きかったらいいのに……と試着で感じることは少なくありません。
マシマシキャベツも、それと同じではないでしょうか? 「超大盛りじゃなくていいけど、キャベツは増えてほしい」と思う人がいて、そういう層にリーチしているのでは。
そう、人生が変わるほどの大きな選択ではないけれど、それでささやかな幸福を得る人がいる。ペヤング一つに、深読みすぎかしら。
あなたの家族や恋人がペヤングを作ってくれたとき、よく見てください。キャベツが、いつもより多くありませんか? そういうときは、相手が「ねえ、気づかないの?」とすねる前に、「もしかして、マシマシ?」と微笑んであげましょう。まあ、容器のサイズでわかると言われたら、それまでなのですが……。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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