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高度な機能も簡単に、ネットギア「インスタントキャプティブポータル」で広がる可能性

お店の無料Wi-Fiを「顧客タッチポイント」「収益源」に変えよう

2020年11月06日 08時00分更新

文● 谷崎朋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 レストランやカフェ、美容室、ホテルなどでは近年、来店客向けに無料Wi-Fi(フリーWi-Fi、ゲストWi-Fi)を提供するケースが増えている。訪れる来店客に快適な時間を過ごしてもらうためのサービスとして浸透しつつあるようだ。

 そんな無料のサービスを“顧客との新たなタッチポイント”に変えるのが、ネットギアの「インスタントキャプティブポータル」である。

 キャプティブポータルとは、無料Wi-Fiに接続したとき最初に表示されるWebページのことだ。一般的には、無料でWi-Fiを提供する代わりに店舗紹介やおすすめ商品のページを見てもらう、といった使い方がなされている。

 しかし、ネットギアのインスタントキャプティブポータルは、利用者登録や利用時間制限、動画も含む広告挿入機能など、さらに高度な機能を提供することで、無料Wi-Fiサービスを心強い“販促ツール”へと変貌させる。今回は、このインスタントキャプティブポータルについてご紹介しよう。

ネットギアの「インスタントキャプティブポータル」を使えば、簡単に無料Wi-Fiサービスの収益化、顧客タッチポイント化ができる

「インスタントキャプティブポータル」はどの製品で使える?

 インスタントキャプティブポータルは、クラウド型ネットワーク管理サービス「NETGEAR Insight」に対応したアプリ&クラウド ワイヤレスAP製品(無線LANアクセスポイント)で使える機能だ。Insight有償プラン(Premium、Pro)のオプションサービスとして、アクセスポイント台数分のクレジット(1年または3年)を購入すれば利用できる。現時点での対応機種とクレジット価格は次のとおりだ。

●対応機種(アプリ&クラウド ワイヤレスAP):WAC505、WAC510、WAC540、WAC564、Orbi Pro
●インスタントキャプティブポータルのクレジット価格(1年契約の場合):1クレジット 7355円、3クレジット 1万9080円、10クレジット 5万2123円、40クレジット 16万7241円

スマートフォンアプリからの設定や管理が可能なアプリ&クラウド 製品シリーズ「NETGEAR Insight」

 40クレジットのパッケージまでラインアップされていることからもわかるように、インスタントキャプティブポータルはAP 1台でカバーできるような小さなお店だけでなく、AP数十台規模の大型店舗/施設まで幅広い展開をサポートしている。チェーン店舗などで無料Wi-Fiサービスを一括導入したい場合も、多拠点に設置されたネットワークをInsightクラウドから一元管理できるため、導入や運用が簡単で便利だ。

 クレジットの購入やサービスの有効化は、すべてクラウド管理画面である「NETGEAR Insight Cloudポータル」から行う。特定の場所(ネットワークロケーション)=店舗の、特定のSSID(無料Wi-Fi用のSSID)に対して設定する形式なので、それに該当するAP台数分のクレジットを購入すればよい。

クレジットはInsight Cloudポータル(https://insight.netgear.com/)でオンライン購入できる

 クレジットを購入したら、無料Wi-Fi用のSSIDを選択して設定画面を開き、「キャプティブポータルの有効化」をオンにする。これでインスタントキャプティブポータルの設定ができるようになる。

Insight CloudポータルのSSID設定画面で「キャプティブポータル」を選択すると、キャプティブポータルの有効化や詳細設定ができる

ネットギア製品で使えるキャプティブポータルは3種類、無料版も

 キャプティブポータルを通じて来店客に無料Wi-Fiの利用を許可する方法として、ネットギアでは次の3方式を用意している。前述したクレジットの購入が必要なのは3つめのインスタントキャプティブポータルで、ほか2つは無料でも設定/利用できる。

 ・Basicキャプティブポータル
 ・Facebook Wi-Fi
 ・インスタントキャプティブポータル(Powered by RaGaPa)

 Basicキャプティブポータルは、ユーザーが無料Wi-FiのSSIDに接続して最初に表示されるページ(スプラッシュページ)で、サービス利用規約への「同意(Agree)」ボタンを押せばインターネット接続が始まる、ごく簡易的なキャプティブポータルを提供する。

 ここではスプラッシュページに表示する店舗ロゴなどの画像やタイトルテキスト、来店客向けのメッセージ(最大246文字、半角英数字と記号のみで日本語は使えない)を設定できる。さらに利用規約の文章(EULA、最大1000文字)を表示させたり、同意ボタンを押したあとに店舗のWebサイトへリダイレクトさせたりすることも可能だ。

 ちなみに、ユーザーに接続を許可する時間(セッションタイムアウト)も指定できる。最短で30分、それ以上は1時間から24時間まで1時間単位で設定する。無料Wi-Fiは提供したいが、あまり長居されて客の回転率が下がるのも困るという場合には、ある程度の時間制限を設けるのがよいだろう。

Basicキャプティブポータルで筆者が作成したスプラッシュページ。「Agree(同意)」ボタンをクリックするとインターネット接続ができる

 次のFacebook Wi-Fiは、接続時にお店のFacebookページを表示して、来店客に自分のFacebookアカウントでチェックインしてもらうことで、無料Wi-Fiサービスを提供する方式である(チェックインのほか、パスコード入力を求める方法も用意されている)。

 お店のFacebookページをキャプティブポータルとすることができるので、そこに掲載した最新情報を来店客に見てもらうことができる。また、来店客のニュースフィードにお店の情報が流れ、来店客の友人にもお店のことを知ってもらえる機会を生む仕組みだ。お店のアピールでFacebookを積極的に活用している場合は有用だろう。

広告表示、クーポン発行など多彩な機能で“顧客タッチポイント化”

 さて、上述したBasicの場合、無料Wi-Fi利用者はメールアドレスなどを登録することなく利用できてしまう。またFacebook Wi-Fiは、お店としてFacebookページを作成、活用していなければ意味が薄い。せっかく無料サービスを提供しているのに得るものが少なく、物足りなく感じるかもしれない。

 そこで、キャプティブポータルにさまざまな機能を追加し、無料Wi-Fiを“顧客とのタッチポイント”として活用できるようにするのが、3つめのインスタントキャプティブポータルである。これは、RaGaPaのソリューションとネットギアのAPを連携させるもので、誰でも簡単に、本格的なキャプティブポータルが作成できる。

 インスタントキャプティブポータルは、豊富な機能を柔軟に組み合わせて構成できる。たとえばTwitterやFacebookなどのSNSアカウントを使ったログインのサポート、ビデオ動画も含む広告の表示、利用状況のレポート作成など、カスタマイズできる項目は多岐にわたる。ネットギアの無線LAN APと台数分のクレジットさえあれば、サーバーなどそのほかのシステムを用意する必要もない。難しく考えることがなく、どんなことがやりたいのか、どんな風に見せたいのかを考えるだけでよい。

 その一方で設定作業は簡単だ。標準で用意されているスプラッシュページは、Free Wi-Fiの「ロゴ画像」、青空と雲の「背景画像」、そのほかタイトルやメッセージなどのテキストで構成されているが、これらをオリジナルのものに変更することができる(こちらは日本語テキストも設定可能)。Insightポータルの画面から簡単に変更設定ができる。

初期状態のスプラッシュページ。ここからカスタマイズしよう

Insightクラウドポータルからロゴや背景の画像、タイトル、メッセージ、利用規約などをオリジナルのものに変更できる

 また、利用者へのインターネット接続提供前にいくつかのステップを組み込むこともできる。たとえば広告の表示だ。おすすめ商品やキャンペーン情報などをまとめた画像(最大2MB)や動画(最大3MB)のファイルをアップロードすれば、まず広告を見てもらってからインターネット接続を提供することができる。画像の場合は4秒間表示後、また動画の場合は再生終了後に「進む」ボタンが表示される。

 もちろんこれは自社/自店舗の宣伝に使えるが、それだけでなく、たとえば近所の提携ショップやオンラインショップなどと広告出稿契約ができれば、ちょっとした収益化も考えられる。

インターネット接続前に広告画像/ビデオを表示させることができる。今回は単にカフェの写真を掲載してしまったが、本来は広告文などが入った画像を掲載すべきだろう

 認証機能を使って利用者の情報を取得することもできる。FacebookやTwitter、LinkedInのSNSアカウントを使ったログインを要求できるほか、独自にユーザー登録を要求することもできる。独自登録ではメールアドレスや氏名、郵便番号などの入力項目を作成できる。スプラッシュページの利用規約文で個人情報の取り扱いについて同意を取り、以後はメールでキャンペーン情報やおすすめ商品情報などを配信するといった仕掛けが可能だ。

 Wi-Fiを無料ではなく、有料サービスとして提供することもできる。この場合はPayPalを決済手段として使い、店舗側では請求額や支払い通貨を設定するだけだ。

Wi-Fiを有料サービスとして提供することも可能。PayPalでの決済に対応している

 また、無料Wi-Fiを利用するためのコードが書かれた「クーポン」を発行することもできる。クーポンを印刷してレジなどで配布するようにすれば、設定した時間範囲内で無料Wi-Fiの利用を許可できる(利用時間無制限の設定も可能)。

無料Wi-Fi用クーポンも発行できる

 ちなみにインスタントキャプティブポータルでは、接続時間制限も細かく設定することができる。最短5分から15分/30分/45分、1時間から24時間(1時間単位)、3日/5日/7日、1カ月/3カ月/6カ月の設定が可能だ。

 設定が終わったら、実際のユーザーがどのような手順を経てインターネット接続を開始するのかをプレビューすることができる。デスクトップ(PC)画面、モバイル画面のそれぞれのプレビューが可能だ。

 プレビュー確認後、最後に自社Webサイトへリダイレクトさせるかどうかの設定を行って、キャプティブポータルの完成となる。設定が終わると、Insightクラウドを通じて数分で各無線LAN APへの設定が行われる。

プレビュー画面でキャプティブポータルの仕上がりを確認する

 無料Wi-Fiサービスの利用状況は、Insightポータルのダッシュボードでチェックできる。現在何人のユーザーが利用しているか、期間中に何人が利用したかといったことがまとめて表示できる。さらに、レポート作成を設定していれば定期的にメールでの自動通知も行われる。

Insight内のキャプティブポータルのダッシュボード

思い通りのキャプティブポータルを作ろう

 インスタントキャプティブポータルが提供する各種機能をうまく組み合わせれば、収益化の可能性が断然広がってくる。

 たとえば、商品を購入した客にだけレジでクーポンを渡し、無料Wi-Fiの利用を許可できる。無断利用が防げるだけでなく利用時間も制限できるので、たとえばカフェなどでは追加の商品購入も見込めるだろう。宿泊施設やイベントスペースなどで、「当日だけ」有効な無料Wi-Fiを提供するようなことも可能だ。

 もう少し高度な活用も考えられる。たとえばホテルや民宿などで無料Wi-Fiクーポンを配り、広告表示機能で近所のレストランやカフェを案内する。お店に行ってWi-Fiクーポンを提示すれば、ドリンクや割引のサービスが受けられる――そんなサービスを作れば、収益化と地域振興がかなう。

 PayPalによる決済機能も、単なる“有料Wi-Fiサービス”以上の使い方が考えられる。たとえば施設の一部をコワーキングスペースとして開放し、Wi-Fiに接続することで利用時間に応じた料金を支払ってもらう。利用時にメールアドレスなども入力してもらえば、会員登録も一緒にできてしまう。

* * *

 無料Wi-Fiサービスは、今では「お店に行けば使えて当たり前」という位置づけになりつつある。ただ、サービスを提供する店舗側では少なからずコストが発生する。サービスを維持していくためにも、収益源や顧客との貴重なタッチポイントとして見直してみたい。使い方は発想や工夫次第。何ができるか、想像の翼を広げてみてはいかがだろうか。

(提供:ネットギア)

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