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GPUはGeForce GTX 1650 Tiを採用、グラフィック系の制作ソフトでも十分な性能を発揮

9万円台とお手頃価格のクリエイターノートPC「raytrek(レイトレック) G5」、第10世代Core i5の高い性能も魅力

2020年10月14日 13時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek G5」

 サードウェーブのクリエイター向けブランド「raytrek(レイトレック)」から、15.6型ディスプレーを採用するノートパソコン「raytrek G5」が登場した。「次世代クリエイターのためのオールラウンドモデル」というキャッチコピーどおり、クリエイティブ用途でパソコンをほしい人や、すでにコンテンツ制作などを行なっている人のサブ機的な使い方もできそうな1台だ。

 光学式ドライブは内蔵しておらず、Wi-Fi6に対応した無線LANを搭載。外部ディスプレー出力は3系統あり、作業環境の拡張性も高い。また、ディスプレーはsRGB比約98%、AdobeRGB比約73%の高色域があるため、しっかりコンテンツ作成向きになっている。プロがしっかり色を確認するといった場合だと、sRGB、AdobeRGBともに数値的には十分とまではいかないが、一般的なディスプレーよりは確実に色の確認ができるだろう。

 前回は、raytrek G5の外観についてチェックした。今回は、ベンチマークによる基本性能を紹介する。

 raytrek G5は、オールラウンドモデルというだけあって、基本スペックはいい具合。CPUは、インテルの第10世代Core i5-10300H、GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1650 Tiを搭載。標準構成でメモリー16GB、ストレージはNVMe接続の500GB SSDという構成なので、カスタマイズなどの追加要素なしでも、そのまま実用できる土台を持っているといえるだろう。加えて、9万8978円と価格設定も魅力だ(10月14日現在)。

 今回、ベンチマークソフトはCPUの性能を確認できる「CINEBENCH R20」と、GPUの性能を測定する「3Dmark」の2つを使用した。

 raytrek G5には、電力の消費を抑えるためのパワー切り替えが備わっており、電源ボタン横のボタンで、オフィスモードとゲーミングモードの切り替えが可能だ。今回のベンチマークテストでは、CINEBENCH R20でオフィスモードとゲーミングモードのスコアに差が出たが、3DMarkではモード切り替えをしても結果に差は出なかった。ソフトや計測時間によって効果が出る場合と出ない場合があるようなので、バッテリーで動作時にできるだけ長時間動かしたい場合にはオフィスモードにして、パフォーマンス重視の場合にはゲーミングモードにして使うのがいいだろう。

電源ボタン横のパワー切り替えボタン

オフィスモード

ゲーミングモード

 CPU単体のマルチコアとシングルコアの動作を測定できるのがCINEBENCH R20だ。最近のソフトはマルチコアでの動作にほぼ対応しているのが、ゲームなどはシングルコアの性能が重要だったりするので、どちらも高いに越したことはない。

オフィスモードで測定

ゲーミングモードで測定

 オフィスモードではマルチで1902pts、シングルで442pts、ゲーミングモードへ切り替えて測定するとマルチで2162pts、シングルで433ptsとなった。シングルのスコアは誤差と思っていいが、マルチのほうは1割くらいの差があり、測定誤差の範囲内としてはちょっと差が大きい。

 ゲーミングモードでマルチのスコア「2162pts」はCore i5シリーズとしては結構高いと思われる。一世代前のモバイル用ハイエンドCPUであるCore i7-9750Hのスコアに及ばないまでも、かなり迫るスコアが出ており、実際の使用感ではCore i7-9750H搭載機と比べてもあまり差を感じなかった。

 3Dグラフィックス性能を計測する「3DMark」では、Time Spyでスコアが3772と、モバイル可能なノートパソコンなら十分に高いといえるスコアが出ている。グラフィック負荷の高くないゲームなら不満なく遊べる性能であり、グラフィック系の制作ソフトを使う場合でも十分な性能といっていいだろう。

3DMark Time Spyのスコア。結果は3772でノートパソコンなら十分なスコアだ

 標準で備わっているストレージは、NVMe接続の500GB SSDだ。出荷時期によっては製品そのものは変わるかもしれないが、SATA接続のSSDとは転送速度が大きく変わる。NVMeとSATAの差は、ソフトの起動やゲームの読み込みではあまり体感できないが、GB単位のファイルをコピーする場合やセーブ時にはSATA接続とNVMe接続での差は大きい。

接続がNVMeになっているのが確認できる

アクセス速度はNVMe接続としては一般的な速度で十分な速さといっていい

 とくにコンテンツ制作物は、素材も含めファイル容量が大きくなりがちなので、少しでも早いストレージのほうが時間をうまく使えると思う。

 次回は、ベンチマークソフトではなく実際のソフトで実用性を見ながら性能を確認していく。

試用機の主なスペック
製品名 raytrek G5
CPU Core i5-10300H(2.5GHz~最大4.5GHz)、4コア/8スレッド
グラフィックス GeForce GTX 1650 Ti(4GB GDDR6)
メモリー 16GB
ストレージ 500GB SSD(NVMe対応)
ディスプレー 15.6型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約91% (sRGB比約98%) / AdobeRGBカバー率約70% (AdobeRGB比約73%)
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0
インターフェース USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen1(Type-C)、USB 2.0、HDMI、mini DisplayPort×2、有線LAN端子、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドフォン出力
サイズ/重量 およそ幅359.8×奥行244.3×高さ25.8mm/約2.1kg
OS Windows 10 Home(64bit)

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