このページの本文へ

ASUSのGeForce RTX 3080はMini-ITXケースに収まるか? 排熱できるのか? 試してみた

2020年09月17日 22時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Mini-ITXケースにギリギリ収まる

 筆者のTwitter用PCは、Mini ITX/DTX向けケースNZXT「H210i」に巨大空冷CPUクーラーZALMAN「CNPS20X」を搭載しており、マザーボードであるROG Crosshair VIII Impactのほとんどが見えない始末だ。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 3950X」
(16コア/32スレッド、3.5~4.7GHz)
CPUクーラー ZALMAN「CNPS20X」
(サイドフロー)
マザーボード ASUS「ROG CROSSHAIR VIII IMPACT」
(X570、Mini-DTX)
メモリー aiuto「AU-2XM378A4G43AB2-CWE」
(DDR4-3200、32GB×2)
ビデオカード ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINI」
(GeForce RTX 2060 SUPER)
ストレージ Seagate「FireCuda 520 SSD ZP500GM3A002」
(M.2 SSD、PCIe 4.0、500GB)
KIOXIA「EXCERIA PLUS NVMe SSD-CK1.0N3P/N」
(M.2 SSD、PCIe 3.0、1TB)
Western Digital「WD Blue WD40EZRZ-00GXCB0」
(3.5インチHDD、4TB)
KIOXIA「EXCERIA SATA SSD-CK480S/N」
(2.5インチSSD、480GB)
電源ユニット Seasonic「FOCUS-PX-750」(750W)
PCケース NZXT「H210i」
OS Windows 10 Homeパッケージ版(64bit)

 ビデオカードはZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINIで、気持ち隙間がある程度。グッバイクリアランスなノリになっているが、ASUS TUF-RTX3080-O10G-GAMINGを実装すると、さらにフロント側の隙間が減る。

ビデオカード換装前

ビデオカード換装後。フロント側の隙間がほとんどない。ひゃっほい!

 ケースのスペックを確認してみると、対応CPUクーラー高やボード長の記載はあれど、厚さが何mmまでOKというのはあまり見かけない。これはスロット消費数が前提で、それ以外の隙間は吸気目的で存在していることが多いからだ。小型ケースの場合も例外ではない。今回使用するケースNZXT 210iの場合は2スロットとあるだけで、具体的に何mm厚までOKとの記載は発見できていない。

 実測しにくいのだが、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINIの厚み41mmから見て、目視11~12mmほどのスペースがあった。ただし、ケーブル配線を隠すためにケースに付属する縦長の金属プレート(ケーブルバー)を除いた場合だ。また投稿サイトRedditを見ていたらケーブルバー込みで51mm厚のビデオカードの組み込み事例があったため、厚みについては問題ナシと判断した。

吸気に関してはNZXT「H210i」の場合、写真のようにパンチング構造なので問題はない。あと、より分厚いGPUを導入する際の切り抜き加工もやりやすい

 ケースのフロントにBe Quiet!の吸気ファン「Silent Wings 3 140mm」(25mm厚)を取り付けた状態で、搭載可能なカード長をレーザー距離計で計測したところ、313mmだった。TUF-RTX3080-O10G-GAMINGは約300mmなので13mmも余裕がある。

 空冷CPUクーラーの場合はOKだが、簡易水冷を搭載しようとすると、ラジエーター分の厚みが加わるため、ファンを15mm厚にするなどの対策が必要になってしまう。これはミニタワーでもありがちなので、愛用PCケースの素性をよく調べ直すといいだろう。

いちおうフロント側に隙間がある感じになった

発光部はケーブルオーガナイザーを兼ねてるのかなと思い込んでいたが、意外に厚みがあった

 取り付け自体は一部問題があったものの、スムーズに終わった。気になる点としては、ボード後部が垂れ下がること。後部にVGAステー用のネジ穴が存在しているが、開封の儀の記事によるとワークステーション方面でおなじみの規格のようだ。店頭で見たことがないので、突っ張り棒やワイヤーを駆使するといいだろう。

数mmの隙間に対応するVGAステーはないので、筆者独自開発のVGAステーを差し込み、隙間を作った

たいへんよいミッシリ具合

VGAステー用のネジ穴

ベント直上の空間は確保してみた

前方は写真のようにケースと接触しているような感じだが、ちゃんとファンは回転していた

マザーボードのリアI/Oカバーなどと
干渉するかもしれない

 冒頭でマザーボードとの干渉の可能性について触れた。ASUSのマザーボードでみるとmicroATXやMini-ITX/DTXマザーボードでその可能性が高い。おそらく設計上は問題ないようにTUF-RTX3080/3090シリーズはデザインされているハズだが、あまりに遊びがない。工業製品であるため、多少の誤差は生じるものだ。

 そのため、たとえば同じマザーボードであっても問題のあるなしに遭遇する可能性が高い。なぜわざわざこんなことを記するかというと、今回の組み込み環境下で物理干渉と遭遇したからだ。

問題の箇所。マザーのI/Oカバーとビデオカードが接触している

外したところ、Tの文字のプリントが剥がれていた。取り付けできないわけではない

ROG Strix X570-I Gamingの場合、リアI/OカバーとM.2スロットのあるモジュールが近接することになる

 本件については、検証中に遭遇したため、世界最速でASUSに報告済み。物理干渉の可能性のあるマザーボードのアナウンスがあるかもしれない。

人柱劇場
外すときはPCIeのスロットロックの破損に注意!

 空冷CPUクーラー大好き勢ならばよくある所作だと思うが、ビデオカードを変更する際、CPUクーラーを外さないまま、ドライバーや割り箸などでスロットロックを押してビデオカードにアクセスしようとするだろう。

 筆者も例に漏れずだが、上記の物理干渉+TUF-RTX3080-O10G-GAMINGの重さで、スロットロックが半壊してしまった。律儀にケースを寝かさず、お行儀悪くケースを立てたまま外せばよかったと思った次第。

半壊したスロットロック。半壊時、近くのコンデンサーとチップに割り箸がヒットしたうえに、割り箸は割れずだった。ヘコんだコンデンサーがコワイなぁと思いつつも、今回の検証は完走した

次にビデオカードを挿す時に抜きづらくなるので、結局スロットロックは破壊した

カテゴリートップへ