産業機械・計測器メーカー向けと工場設備・生産管理部門向けの2種類を提供
産業機械や工場設備をIoT化する「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント」
2020年09月01日 13時30分更新
インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月31日、産業機械や工場設備をIoT化するための各種デバイスから、セキュアなネットワーク、クラウド、さらにデバイス管理機能やデータを見える化するアプリケーションまでを包括的に提供するソリューション「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Machinery」および「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Factory」を提供開始した。本ソリューションでは、産業機械・計測器メーカー向けの「Machinery」と、工場設備・生産管理部門向けの「Factory」の2種類を用意している。
IIJは、昨年発表した台湾の産業用コンピューター大手Advantech(アドバンテック)との協業に基づき、同社の産業IoT向けプラットフォーム「WISE-PaaS」にIIJのセキュアなネットワークとクラウドサービスを組み込んだ「WISE-PaaS IIJ Japan-East」を共同開発し、本年よりIIJのクラウド「IIJ GIOサービス」上で提供している。本ソリューションは、同プラットフォームにエッジデバイスやネットワーク機能を組み合わせ、以下をワンストップで提供する。
(1)産業機械、工場設備の稼働情報を取得するための各種エッジデバイス(アドバンテック製ゲートウェイ機器、産業PC、センサー等)
(2)稼働情報のクラウドへのアップロードや、各種エッジデバイスへリモートアクセスするための閉域ネットワーク(IIJモバイルサービス、IIJ IoTサービス)
(3)稼働情報を収集・蓄積し、見える化を行う産業用クラウドおよびアプリケーション(WISE-PaaS)
これにより、産業機械や工場設備のリモートモニタリング、リモートメンテナンスなどが可能になる。本ソリューションを活用することにより、工場設備の故障やトラブル発生をリモートで早期に検知でき、設備稼働率の最大化による生産性の向上、設備保守の効率化とコスト削減を実現できるという。
本ソリューションでは、IIJの閉域ネットワークやデバイス管理機能と、アドバンテックが提供する産業向けのハードウェアやクラウドプラットフォーム(PaaS)を組み合わせ、産業IoTに必要なエッジデバイス、閉域ネットワーク、産業用クラウドなどを包括的に提供する。
IIJモバイルサービスを使い、産業機械や工場設備からデータを収集するIoTネットワークを構築。工場内での有線敷設が不要になるため、ネットワーク構築が容易になり短納期で導入できるとしている。また、業務目的ごとに標準化されたエッジデバイス、クラウド上のアプリケーションを適用することで、低コストにスモールスタートが可能という。ユーザーの要件に合わせ、カスタマイズや個別インテグレーションの対応も可能。
アドバンテックのデータ収集ソフトウェア「EdgeLink」は、幅広い産業設備を対象にデータ収集が可能で、異なるメーカーの機器が混在するラインのIoT化に対応する。IIJ IoTサービスを利用することで、ゲートウェイ機器の正常稼働をリモートで監視・制御が可能。従来、現地対応していた診断業務を遠隔操作でき、メンテナンス業務を効率化するという。また、製造・生産に係る機密データを閉域ネットワークによりゲートウェイからクラウドへ安全にデータを送信、管理することも可能。
IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Machineryは、産業機械・計測器メーカー向けソリューション。機械メーカーが、異なるユーザー、また異なる地点に設置した複数の産業機械、計測器を、IIJのセキュアなネットワークに接続し、リモートで監視できる環境を提供する。ネットワークを活用することで、メンテナンスの効率化や、消耗品や設備異常に対して先回りして対応することができ、納品先のエンドユーザーに対するアフターメンテナンスの満足度向上に繋げられるという。
IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Factoryは、工場設備保全・生産管理部門向けソリューション。設備保全・生産管理部門が、設備の健全性や生産稼働率を可視化して管理するプラットフォームを提供。設備稼働監視によるダウンタイムの削減、工場やライン全体の生産稼働率の把握、カメラ映像による設備監視、温湿度や電力量等計測器のIoT化など、目的に応じたシステムをWISE-PaaSのテンプレートセットから選べる。