■他にも色々なものを炭酸飲料に入れてみよう!
ここからは応用編として、メントス以外にも身近な色々なものを炭酸飲料に入れてどんなことが起こるのか実験し、なぜそのようなことが起こるのか考えていきましょう。
■食塩を入れると?
炭酸飲料に食塩を入れると、泡がたくさん出てきました。塩によって炭酸飲料に刺激が与えられ、その刺激で炭酸飲料に溶け込んでいる二酸化炭素が逃げ出したものです。
これはよく「ビールの泡を復活させる裏技」などでも取り上げられます。少量であれば味は変わらないので、いざというときは試してみても面白いかもしれません。
■氷を入れると?
炭酸飲料に氷を入れると、塩の時と同じように泡がたくさん出ました。氷の表面は目では見えない大きさの凸凹があり、それが炭酸飲料にとって刺激となるため、泡が出ます。また、炭酸飲料と氷の温度差も刺激となり、二酸化炭素が逃げ出しました。
これは、室温の炭酸飲料に氷を入れて飲みたいときにすぐに実験できますね。氷を常温の炭酸飲料に入れる時はぜひ、炭酸飲料の変化に注目してみてください。
■紫キャベツ溶液を入れると?
紫キャベツを煮出した溶液に炭酸飲料(今回は、分かりやすいように無色の炭酸水)を入れると、紫色から赤色に変化しました。紫キャベツにはアントシアニンという紫色の色素が含まれています。このアントシアニンは、酸性のものと反応すると赤色、アルカリ性のものと反応すると青色に変化する性質があります。二酸化炭素が水に溶けた炭酸水を入れると、少し赤色に変化したため弱酸性であることが分かります。
ちなみに、さきほどペットボトルの中で二酸化炭素を溶かした水に同じく紫キャベツ溶液を入れて見ても赤色に変化します。小学6年生で学習する酸性とアルカリ性についても、炭酸飲料の実験で触れることができます。
■ラムネを入れると…?
炭酸飲料にラムネを入れると、泡がたくさん出ました。塩や氷の時と同じようにラムネが炭酸飲料に入る時の刺激で、二酸化炭素逃げ出しました。ただ、他にも理由があります。
ラムネの主成分は重曹(炭酸水素ナトリウム)。炭酸水素ナトリウムは熱を加えたり酸性の物質と反応したりすると二酸化炭素を発生します。炭酸水はほとんどの場合、先ほどの紫キャベツの実験でも分かったとおり弱酸性(飲料によって酸性度は異なります)なので、炭酸飲料にラムネを入れると二酸化炭素を発生させます。炭酸飲料の泡はもともと二酸化炭素なので、それがさらに発生したということになります。
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