PHCは8月20日、同社の販売する電子版お薬手帳アプリ「ヘルスケア手帳」サービスを利用したオンライン服薬指導サービスの導入を決定した。本サービスは、インテグリティ・ヘルスケアが提供する、医療機関および調剤薬局向けオンライン診療・服薬指導システム「YaDoc Quick(ヤードック クイック)」と連携し、9月の発売を目指して開発を進める。
現在、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、薬局内の混雑による感染リスクや、ウイルス感染を恐れて薬局訪問を中断する患者の治療離脱の増加が懸念されている。このような状況において、9月に施行される薬機法改正に基づき、オンライン服薬指導が新たに認可されることより、オンライン医療サービスを提供する新しいソリューションが求められているという。
ヘルスケア手帳は、服用薬の情報をはじめ、血圧などの個人の健康情報をスマートフォンで一元管理し、薬局へ処方せんを事前に送信することで、患者の薬局での待ち時間の削減を目的とする保険薬局向けサービス。YaDoc Quickは、専用アプリケーションのインストールなどの面倒な初期作業を必要とせず、診療予約から医療費決済までを含むオンライン診療を簡単に、速やかに開始できるというサービス。
今回、両サービスをシステム連携することで、患者はヘルスケア手帳アプリを利用して、自宅から処方せんを薬局に送信できるだけでなく、過去の服用薬履歴などを閲覧しながら、ビデオ通話でより適切な服薬指導を受けられるという。処方薬のクレジットカード決済が可能で、薬局への移動が難しい高齢者やウイルス感染への懸念から薬局訪問を躊躇する患者も、在宅で薬剤師の指導を受けながら服薬治療を継続できるとしている。
PHCは、糖尿病マネジメント、診断・ライフサイエンス、ヘルスケアサービスの事業分野で開発、製造、販売、サービスを手掛ける、ヘルスケアソリューションをグローバルに提供するPHCグループの日本における事業会社。同社はヘルスケア手帳サービスを、クラウドを活用したサービス連携ソリューション「Medicom Cloudコネクト」と位置づけ、メディコムブランドのヘルスケアIT事業における新たなサービスの拡充を目指す。
PHCホールディングスにて執行役員およびヘルスケアサービス共同ドメイン長を務める大塚孝之氏は、「今後も、クラウドサービス連携ソリューション『Medicom Cloudコネクト』の更なる展開を図り、患者さんと薬剤師をデータで繋ぎ、患者さんの健康管理を強化するための最適なソリューションを提供することで、より質の高い医療の実現に貢献してまいります」と述べている。