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診療から会計までオンラインで提供するための運用方法を検証

NEC、済生会中央病院とオンライン診療実現に向けた実証へ

2020年07月20日 15時30分更新

文● ASCII

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東京都済生会中央病院 公式サイト

 日本電気は7月20日、東京都済生会中央病院や済生会熊本病院とともに、次世代のオンライン診療実現に向け共創を開始し、遠隔から患者と医療機関をサポートする新たな病院情報システムの実証を7月から順次開始すると発表した。

 2018年4月の診療報酬改定において「オンライン診療料」、「オンライン医学管理料」が新設され、厚生労働省からオンライン診療の適切な実施に関する指針が発出された。また、2020年4月の診療報酬改定では情報通信機器を用いたカンファレンス等の推進等、業務効率化に資するICTの利活用推進が盛り込まれた。こうした中、NECは現代の医療が抱える「医療現場の安全安心」「医師の働き方改革」といった課題をICTの力で解決するため、次世代のオンライン診療実現に向けた新たな病院情報システムの実証を済生会中央病院と済生会熊本病院とともに実施する。

 済生会中央病院は人口の多い都市部の中核病院として、感染拡大防止に向け、既存の対面を基調とした外来診療からオンライン診療に置き換える際、患者の手続きや病院職員の業務をスムーズに移行することが必要だったという。

 今回実証するシステムは、予約情報や患者情報をビデオ通話システムと連動させることで、診察の一連の流れ(診察予約・診察準備・診察・会計・処方せん送付)を一貫して管理・実行。患者と病院職員、両者の視点で、オンラインでの診療業務の効率化を検証・評価し、診察予約から診察、処方せん送付、会計までをオンラインで完結するモデルを構築する。

 なお、済生会中央病院では、この実証結果を踏まえ、今後、音声による電子カルテへの自動入力支援システムや、生体認証技術を活用した本人確認など、先進のICTを取り入れたオンライン診療も検討している。

東京都済生会中央病院の実証

 済生会熊本病院は地域中核病院として、これまでも重症患者の入院受け入れや、治療後の症状緩和に伴う転院や在宅治療のフォローなど、地域の医療機関と連携を取りながら治療してきた。その際、入院・転院時に連携医療機関スタッフと済生会熊本病院スタッフ間で主に対面で実施するカンファレンスや、転院・退院後の患者フォローアップに多くの時間がかかっていたという。

 今回は、入院準備から転院・退院時までのカンファレンスや患者への説明・フォローアップを、電子カルテとビデオ通話システムとの連携により、より効率的にオンラインで行なう仕組みを構築し実証する。また、それと共に入院事前説明のオンライン化、音声を活用した記録支援システムも組み合わせた一連の仕組みにより、証跡を担保すると同時に業務効率化の仕組みの構築を検証・評価する。これらの実証により患者の病院滞在の負担を軽減し、患者や病院職員に感染防止の面でも安全安心な病院環境の実現を目指す。

済生会熊本病院の実証

 これらの実証により、地域の医療を支える急性期病院である済生会中央病院と済生会熊本病院が、地域・患者・職員の安全を確保し、必要な医療サービスを持続的に提供できるニューノーマルな仕組みの実現を目指すとしている。

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